大根仁が世界に伝えたい日本の名画

大根仁が世界に伝えたい日本の名画

ソナチネ 監督:北野武(1993年)

今は「アウトレイジ」で「バカヤローこのヤロー!」な北野武監督ですが、最高傑作「ソナチネ」においては映画の神様に対して「こっち来るなバカヤローこのヤロー!!」と恫喝していたのではないでしょうか?デビュー作「その男、凶暴につき」から、脚本芝居演出編集音楽における所謂「映画的文法」を破壊為尽くした北野武が辿り着いた荒野、いや、映画の舞台となる沖縄の如く、楽園が「ソナチネ」だったと思います。


回路 監督:黒沢清(2001年)

映画の申し子・黒沢清が凄いのは、何を撮っても何を描いても漂ってしまうその「無国籍性」ではないかと。確かに日本で撮影をして日本人の俳優が日本語を話しているのに、いつのまにかどこの国の何の話を見せられているのかわからなくなってしまう。「回路」はその長いキャリアの中の最高到達点だと思います。あと、黒沢清が信用できるのはいつもどこかに「プログラムピクチャー」を感じるところです。


駅 STATION 監督:降旗康男(1981年)

主演・高倉健、脚本・倉本聰、監督・降旗康男、撮影・木村大作の四巨匠全員がキャリア中、最も脂の乗った素晴らしい仕事をしています。恋愛&犯罪&ハードボルイルド&アクションという、映画の旨味が全て凝縮されていながら味は完全なる和風。このテの企画で取り上げられることは滅多にない作品ですが大傑作です。

太陽を盗んだ男 監督:長谷川和彦(1979年)

今こそリメイクすべき日本映画ではないでしょうか?政府への要求は「原発停止」で。


となりのトトロ 監督:宮崎駿(1988年)

今回の企画の「世界に伝えたい」の「世界」にはもちろん子供も住んでいるんですよね?ちょっときれいごと書いちゃいますけど、世界中のありとあらゆる国の子供たちがあつまって「となりのトトロ」を観ている上映中の子供たちの顔を見てみたいです。




大根仁
映画監督。ADとしてキャリアをスタートさせ、テレビ演出家・映像ディレクターとして、『劇団演技者。』『週刊真木よう子』『湯けむりスナイパー』など、数々の話題作を制作。また、テレビドラマや舞台の演出を手掛ける傍ら、ラジオパーソナリティ、コラム執筆、イベント主催など幅広く活躍する。2010年に脚本・演出を手掛けたドラマ『モテキ』(テレビ東京)がブレイクし、映画『モテキ』(東宝)で映画監督デビューを果たす。

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