猪子寿之が世界に伝えたい日本の名画

猪子寿之が世界に伝えたい日本の名画

崖の上のポニョ 監督:宮崎駿(2008年)

日本は元来、大人と子供、人間とそうじゃないもの、それらの境界があいまいで、関係がフラットだった。そんな世界観の中で進んでいく物語。子供であろうと、意思を尊重していてまわりが見守る。そこには、できる、できないの違いがあるだけ。できないことは、いつでも助けるよっていう、そんな世界観の話。


もののけ姫 監督:宮崎駿(1997年)

日本は元来、絶対的とか客観的とかの概念が弱い。立場が違えば正義も違う。絶対的な正義も、絶対的な悪も存在しない。ハリウッド映画みたいに正義が悪を駆逐して終わりではない。自然と文明という立場の違う両者の中で、主人公が妥協点を探しきれない。そして、それでも生きて行く(それでも探し続ける)。


千と千尋の神隠し 監督:宮崎駿(2001年)

絶対的な正義も悪も、絶対的な味方も敵も存在しない物語。主人公の千尋に対する敵は、自分の中の問題かもしれなくて、それが、色んな人たちとの出会いの中で解決していく、そして、自分の問題が解決すれば、世界は、また違って見える、そんな日本的な物語。


ソナチネ 監督:北野武(1993年)

一番好きな映画を無理やり挙げるとしたら、本当は、ソナチネだ。でも、今まであまり言ってこなかった。言葉でうまく理由を話せないからだ。本当に感動するものというのは、言葉でうまく理由を話せないのかもしれない。監督と同じ国で生まれ育ってよかったと思う。


あの夏、いちばん静かな海 監督:北野武(1991年)

中高校生だった頃に見た。ろう者同士の恋の話。セリフはないし、物語は日常すぎて苦痛なくらい退屈な映画。見終わってから、なぜか1時間以上泣いた。大人になって言葉が全く通じない人と恋をしたことがある。ずっと何もしゃべらなかったけれどすごく幸せだったと思う。その頃またこの映画を思い出した。




猪子寿之
チームラボ代表。 2001年に東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業。チームラボは、エンジニア、デザイナー、建築家、CGアニメーター、数学者など情報社会のさまざまなものづくりのスペシャリストが集まるウルトラテクノロジスト集団で、5人から始まった会社だが、現在の社員数は300人を超える企業へと成長している。ウェブのほか、アート作品やプロダクトも発表しており、2012年5月には台湾にある国立台湾美術館にて、チームラボ「We are the Future」展を開催している。www.team-lab.net/

世界に伝えたい日本の名画
◄ 大根仁 | 特集トップ | 河瀨直美 ►



※掲載されている情報は公開当時のものです。

この記事へのつぶやき

コメント

Copyright © 2014 Time Out Tokyo