東京、名画座 10

早稲田、飯田橋、銀座、三軒茶屋、レトロな味わいの名画座

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東京、名画座 10選

早稲田松竹

大型シネコンでのデジタル上映が主流の現在。最新の音響設備が整った大スクリーンで超大作を鑑賞する臨場感は、何ものにも変えられないものではあるが、昭和の香りが今でも残る名画座で、つい見逃してしまった準新作映画や古典的名作を格安に鑑賞するのも楽しいもの。古きよき面影を残した施設のなかには、傾斜の気になる座席があったり、3D作品に対応していなかったりと、設備の古さが目立つところもあるが、途中外出して腹ごしらえしてからもう1本鑑賞したりと、気ままに過ごせることも魅力だ。どの名画座も、映画を愛する劇場の姿勢が上映作品のチョイスや運営スタイルにあふれている。ここでは、東京都内の名画座を10館紹介する。



【閉館】銀座『銀座シネパトス』


料金:一般1,300円、シニア1,000円、最終回800円、回数券(5回分)5,000円

銀座4丁目、三原橋にある3スクリーンの映画館。昭和27年に建設された銀座四丁目三原橋地下街の中にあり、3スクリーンのうち1つを「今月の名画座」と銘打ち、邦画作品を上映する名画座としている。テーマごとに作り込むチラシは読み応えがあり、上映作品ごとにゲストを招聘してトークショーを開催したりと、映画への愛が伝わってくる名画座だ。残念な事に、2013年3月末で閉館した。

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【閉館】新橋『新橋文化劇場』


料金:一般900円、シニア・女性・男女ペア・学生800円、毎月1日・最終作品700円

新橋駅烏森口からすぐ近く、ガード下にある2本立て上映がたのしめる名画座。1週間ごとに上映作品が入れ替わり、超大作からマイナーな作品まで幅広い作品を上映する。1979年製という古い映写機が現役で活躍しており、35mmフィルムでの上映にこだわっている。すぐ隣のロマン劇場では、成人映画を上映する。

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飯田橋『ギンレイホール』


料金:一般1,500円、学生1,200円、シニア・子ども(5歳〜小学生)1,000円

飯田橋にある名画座『ギンレイホール』は、1974年開業の映画館。日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど幅広い上映ラインナップだが、なかでもミニシアター系の作品を中心に2本立てで上映している。年会費10,500円を支払うと、フリーパスで映画鑑賞が楽しめるサービスなどもあり、映画好きには広く知られている劇場。

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池袋『新文芸座』


料金:一般1,300円、学生1,200円、シニア・子ども(3歳〜小学生)回数券(5回分5,000円、3回分3,300円)

池袋駅東口にある名画座。広々とした場内は266席と、比較的規模が大きい。通常は2本立て上映だが、毎週土曜はオールナイト上映も行う。映画上映のほかに、作品テーマにちなんだトークショーや、「新文芸坐落語会」として落語イベントなども開催する。シニア向けに上映スケジュールの郵送サービスを行ったりと、観客の立場にたったサービスも魅力。

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高田馬場『早稲田松竹映画劇場』


料金:一般1,300円、学生1,100円、シニア・小学生900円、最終上映回800円

高田馬場にある早稲田松竹は、1951年の創立と東京都内でも古く、かつ稀有な場所のひとつ。同館では日本映画をはじめ、ハリウッド作品およびさまざまな言語の映画が上映されている(全作品35mmフィルムでの上映)。プログラムは2本立てのため、時間を最大限に利用するといいだろう。購入当日かぎり有効の外出証をもらえば、いったん外出して戻ってきてから2本目を鑑賞するといった自由な利用が可能で、そのおおらかさもまた魅力的。

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目黒『目黒シネマ』


料金:一般1,500円、学生1,200円、シニア・身障者900円、毎月1日1,000円

館内はレトロな趣があり、スタッフによる手作りの冊子が配られるなどアットホームな雰囲気。比較的新しい作品を中心に2本立てで交互に上映を行っており、入れ替え制ではないのでどちらから観ることも可能。組み合わせは監督やジャンルなど様々なので思わぬ映画と出会いがあるかもしれない。同館スタッフで消しゴムハンコ作家でもある夕涼庵子による上映作品にちなんだユーモラスなハンコを捺せるコーナーも必見だ。

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大森『キネカ大森』


料金:一般1,300円、シニア・学生・水曜1,000円、最終上映作品800円

大森駅向かい、西友の中に入っている3スクリーンのミニシアター。名画座2本立て上映も行っており、途中外出可能な外出カードなどのサービスも充実。上映作品にちなんだトークショーなども精力的に開催している。また、ブランケットやチャイルドシートの貸し出しなどもあり、ゆったり映画を楽しんでほしいという姿勢が伝わってくる映画館。

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渋谷『シネマヴェーラ』


料金:一般1,400円、シニア1,000円、大学・高校生800円、中学生以下500円

ラブホテル街のど真ん中にある、渋谷では唯一の名画座。DVDでもレンタルしていないような古い邦画を中心に、戦後間もない頃のモノクロ映画や、いまでは巨匠となった監督の初期の名作など、映画史上に残る作品を上映している。一般料金は2本見て1,400円という安さ。リピーターには下の階にあるユーロスペースと合わせた会員制がお得。

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【閉館】三軒茶屋『三軒茶屋シネマ』


料金:一般1,300円、大高1,100円、中学生・シニア900円、最終上映回700円

三軒茶屋の路地裏に佇む映画館。ハリウッドのSF大作から日本の単館系のものまで、常時2本立てで上映している。昭和30年創立とその歴史は古く、当時から変わらない外観はまるで昭和のまま。古い映画館には珍しく、場内は傾斜が急なので、前の人の頭を気にせずに映画を楽しめる。金曜日にはレディースデー、火曜日にはメンズデーが設定されており、800円で入場できるのもうれしい。

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【閉館】三軒茶屋『三軒茶屋中央劇場』


料金:一般1,300円、学生1,100円、シニア800円

三軒茶屋の裏通りにある、古き良き昭和の時代を彷彿とさせるレトロな外観の映画館。右から左に「特選映画封切場」と読めるネオンサインと河童の看板が目印だ。ハリウッド映画から邦画、ミニシアター系の通好みの映画まで、幅広い作品を上映する。館内も趣のある雰囲気で、タイムスリップしたかのような気分が味わえる。残念ながら、2013年2月14日で閉館した。

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タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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