映画『GODZILLA ゴジラ』レビュー

米国で興行収入約200億円を稼ぎ出した話題作がついに公開

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(C) 2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC
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『GODZILLA ゴジラ』タイムアウトレビュー

長年、多くの人に愛されている、都市を破壊する怪獣ゴジラがイギリス人監督ギャレス・エドワーズにより巨額予算を得て、3D映画化された。同監督の前作は低予算でありながらも好評価を得たSF映画『モンスターズ/地球外生命体』。CGIで作られた怪獣がカメラに唾を飛ばしながら咆哮するような映画が好きならば、今回の作品も楽しめるはずだ。

物語は強烈な太平洋での核実験のシーンから始まり、福島を彷彿とさせる原発事故が起きる。ゴジラ1作目が頭をよぎるような、手に汗握るオープニングシーンを展開する。ストーリーは14年後へと進み、原発事故の調査に取り憑かれている原子力技師のジョー (ブライアン・クランストン) と、疎遠になっている息子フォード (アーロン・テイラー=ジョンソン) が登場。フォードは父ジョーを日常に引き戻そうと試みる。そんな最中、何かが地中でうごめき始めるのであった。

エドワーズ監督の映画に登場するゴジラは、少し太っているが、生々しく、シンプルでオリジナルの意志を継いでいる。1998年のローランド・エメリッヒ監督のゴジラをイグアナのように表現してしまったものと比べると一目瞭然だ。また、ゴジラの敵であるMUTO(ムート)もグロテスクで最高な仕上がりとなっている。しかし、ストーリーの展開は悪く、ユーモアに欠け、登場人物たちのキャラクター設定が弱い。残念なことに、サリー・ホーキンスや渡辺謙の見せ場があまりなく、アーロン・テイラー=ジョンソンがヒーローというのもいまいちだ。巨大な怪獣が町を破壊するタイプの作品は好きだが、もう少し人間ドラマがあればと悔やまれる。

原文へ(Time Out London)


『GODZILLA ゴジラ』

2014年7月25日より、全国東宝系にて3D/2D同時公開
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:マックス・ボレンスタイン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺 謙、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、サリー・ホーキンズ、デヴィッド・ストラザーン、ブライアン・クランストンほか
制作:ワーナー・ブラザース映画、レジェンダリー・ピクチャーズ
配給:東宝
(C) 2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC
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テキスト トム・ハドルストン
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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