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2011年08月26日 (金) 掲載
監督: アレクサンドル・アジャ
出演: エリザベス・シュー、クリストファー・ロイド、イーライ・ロス
タイムアウトの評価:
アレクサンドル・アジャの言葉をそのまま借りると、「ジョー・ダンテの1978年の名作を3Dでリメイクするということは、青春時代の“罪深き喜びの映画”をもう一度生み出す試みなんだ」という。だからこの作品では、70年代のB級映画が持っている、最高でお下劣な要素(魚が人肉を食べる惨状、お色気たっぷりのヌードシーン、そして笑わずにはいられないオバカなシーン)などが、きっちりと描かれている。
オリジナルのジョン・セイルズ脚本に込められた、ロジャー・コーマン脚本による映画『ジョーズ』をパクったという反体制的なメッセージを、リメイク版にも求めたいという人たちは少々がっかりするかもしれない。ただし、バラバラになって浮かぶ身体や、まるだしのオッパイや吐瀉物、切断されたペニスなどが迫ってくる安っぽい3D映像は、コーマン流の安っぽさを強調している、愛すべきオマージュ作品になっている。
地下深くで起きた地震によって先史時代のピラニアたちがビクトリア湖で目を覚ましたとき、地元の保安官の母ジュリー・フォレスター(エリザベス・シュー)は、毎年恒例の春フェスタで羽目を外した数千人の大学生たちに「ピラニアの餌になる前に、早く水から上がりなさい」と緊急宣言を伝えるが、誰も耳を貸さない。
その一方で保安官のジェイクは、ポルノ監督のデリック(ジェリー・オコネル演じる嫌なやつ)と巨乳でビキニのスター、ダニー(イギリスのグラマーなモデル、ケリー・ブルックが演じている)とともにクルーザーで楽しんでいる最中。 この船に乗っていたナイスな女の子ケリー(ジェシカ・ゾア演じる)と肉体関係を持ち、実際のポルノスター、ライリー・スティールが演じるクリスタルともいろいろとありながらも、クルーザーが座礁してからは“美味しい人間のお肉”として、ピラニアの脅威にさらされる。
アジャの作り上げたこの映画には、冗談としか思えないスリルと、CGで増強された血まみれの惨劇、おしげもなく曝け出されたヌードシーンが存分に込められていて、ホラー映画としはこの夏のヒットになることはまちがいなさそうだ。
リチャード・ドレイファスが『ジョーズ』での役を再演していたり、映画『ホステル』の監督イーライ・ロスも『Tシャツコンテスト』の後、完全に頭が食べられてなくなってしまう司会の役を演じているなど、なかなか面白いシーンも沢山ある。罪悪感がありながら楽しいって?
ピラニア 3Dは8月27日(土)からTOHOシネマズ六本木ヒルズ 他全国ロードショー
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