RED/レッド』クロスレビュー

豪華キャストが勢ぞろい、おバカで、気楽に笑えるエンターテインメント

『RED/レッド』クロスレビュー

(C) 2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved.

タイムアウトロンドン

ブルース・ウィリス演じるフランク・モーゼスはアメリカ政府から年金を受け取る年となり、郊外の一軒家で静かな隠退生活を送っている。しかしある日突然、何者かの襲撃を受ける。フランクが襲撃者を一人一人当たって調査した結果、彼の穏やかな隠退生活の予定が、大きく狂わされていることを知る……。レッド(RED)という題名は「Retired Extremely Dangerous(引退した超危険人物)」の頭文字である。この映画は、痛快アクションコメディーで、昔の仲間達が再集結する物語である。フランクは銃を持たせればご機嫌な昔の仲間(ジョン・マルコヴィッチ、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレン、そしてブライアン・コックス)を集めて回り、腕利きの元CIAスパイという自分の過去がなぜ隠居生活を脅かすのか、その理由を解き明かそうとする。このほほえましいドタバタ劇は俳優達の演技力に救われているといえるだろう。この映画は、軽快な空気の裏に、あからさますぎる政治的暗示もみえるが、携行式ロケット弾を打つことが安らかな隠退生活に勝ってしまう、どうしようもない誘惑にまける老人の物語でもある。

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タイムアウトニューヨーク

年金生活者がライフルを持って打ちまくるアクション映画。
この映画は、何はともあれキャスティングがすごい。これにつきる。DCコミックのグラフィックノベルを原作とした映画だということは二の次で、バカらしく、気楽に笑える作品だ。ストーリーは、かつてスパイをしていた仲間が再集結し、自分達の抹殺計画の裏に潜む陰謀に立ち向かうというもの。そして、この計画の先頭に立つのがブルース・ウィリスである。彼は「Retired and Extremely Dangerous(引退した超危険)」とみなされた元CIAスパイ。ある日、彼の郊外の一軒家が何者かに襲撃される。なぜ彼が狙われたのか。ブルース・ウィリスは、80を過ぎても未だに女好きな相棒(モーガン・フリーマン)を通じ、かつての仲間を集め、暗殺者の正体を暴こうとする。

かつての仲間というのがまたすごい。まずはジョン・マルコヴィッチ演じる神経質な武器スペシャリスト。ヘレン・ミレンは確実に仕事をこなすスナイパーとして登場。そして、ブライアン・コックス扮するロマンチストなロシアのシークレットエージェント。この仲間に、フランクの思い込みで道連れにされたメアリー=ルイーズ・パーカーが加わる。こんなメンバーが集まって何かおかしなことが起こらないわけがなく、多くのスパイ映画と同じ様に、この映画もそのパターンに則っている。ブルース・ウィリスがメアリー=ルイーズ・パーカーをからかっているのを見ているのも面白いし、不定期に飛び出すジョン・マルコヴィッチの冗談も聞いていて楽しい。だが、この映画の見所はやはりブライアン・コックスとヘレン・ミレンの2人、元恋人同士のやり取りであろう。彼女は彼の胸に弾を3発撃ちこんだにもかかわらず、2人は未だにお互いに夢中なのである。この2人を見ていると、人間がいかに人を、文字通り“殺したいほど”好きになることができるのかがわかる。

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RED/レッド

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2011年1月29日全国ロードショー

ロンドン原文 デイヴィッド・ジェンキンス
ニューヨーク原文 キース・ウーリッチ
翻訳 タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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