2011年10月21日 (金) 掲載
グリーン・カーペットを歩こう!
渡辺謙でもジョージ・クルーニーでも、映画祭ならばレッドカーペットの上を歩くということは当然のことだろう。しかしTIFFでは、どんな大物でもグリーンのカーペットの上を歩くということが、2008年以降の伝統になっている。エコロジーをテーマとしたTIFF を象徴する「グリーンカーペット」は今年で3年目を迎えた。約23,000 本のペットボトル(500ml)をリサイクルして制作されたというユニークなカーペットは、福島の原発事故が起こった今年はいっそう重要な意味が感じられる。TIFFが取り組んでいるグリーン電力やグリーン募金など、ぜひ注目してみよう。
タイタニックとTIFFにまつわるものがたり
TIFFでデビューを飾った過去最大規模の映画は、ジェイムズ・キャメロン監督による空前のヒット作『タイタニック』(1997)。1997年の11月1日に東京国際映画祭のオープニング作品としてワールドプレミア公開されたのが最初だとされている。その後、この映画は世界で最も愛されている作品となるのだが、意外にもTIFFでプレミア上映されたときの観客の反応は”まあまあだった”という。それよりも、その後に映画『エアフォース・ワン』の主演として登場したハリソン・フォードの方が話題をかっさらっていったという…。まあ、最初は「沈んでいく船の話らしいんだけど…」ぐらいだったのが、空前のヒットになったという話。
賞を手にするのはだれだ?
最近は懸賞やコンテストの数が軒並み落ち込んでしまっているが、その中でもTIFFにおける最高の賞『東京サクラグランプリ』は今でも最も価値のある賞となっている。国際的な4名の審査員による厳正な審査により選ばれた人には5万米ドルが贈られるという。その他にも、コンペティション部門では、審査員特別賞(2万米ドル)、最優秀監督賞(5千米ドル)、最優秀女優賞(5千米ドル)、最優秀男優賞(5千米ドル)、最優秀芸術貢献賞(5千米ドル)などが準備され、その他にも最優秀アジア映画賞(1万米ドル)、「日本映画・ある視点」部門作品賞(100万円)そして観客賞(1万米ドル)など魅力的な賞が沢山用意されている。コンペティション以外は映画祭期間中に映画ファンらによって選ばれ、トロフィーと表彰状が贈られる。
「東京桜グランプリ」を2度受賞したのは?
賞に値する作品がないと判断するほど、作品の質には厳しいことで知られているTIFF。唯一この賞を2回受賞している映画監督はイスラエルのニル・ベルグマンで受賞作品は「ブロークン・ウィング」(2002)と「僕の心の奥の文法」(2010)。
開催地は?
東京国際映画際は、2003年に当初開業間もない六本木ヒルズにあったVIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ(現在のTOHOシネマズ)で上映を開始した。それ以前の映画祭は、平安遷都1200年を記念して京都で開催された「第7回東京国際映画祭・京都大会」を除いては、渋谷の映画館を中心にで開催されていた。
すべてのひとに感謝を込めて…
「信じよう。映画の力。」を合言葉に開催する第24回東京国際映画祭は、3月の東日本大震災を受けて今年は復興支援のための「TIFF ARIGATOプロジェクト」を展開する。5月のカンヌ国際映画祭で開催された「ARIGATO NIGHT」を皮切りに、震災後の日本をサポートし続けてくれている国際的な映画コミュニティに感謝の気持ちを届けていく。2008年から継続しているグリーン募金を拡大し、今年は「TIFF ARIGATO募金」として実施。集められたお金は被災地へと届けられる。募金をしていただいた方全員に、ちょっとお洒落な緑の「TIFF ARIGATOバンド」が渡される。
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