『闇の列車、光の旅』
2010年06月16日 (水) 掲載
1978年から開催されているサンダンス映画祭。コーエン兄弟、クエンティン・タランティーノ、スティーヴン・ソダーバーグなど、現在のハリウッドをリードする映画監督を数多く輩出した、いわばアメリカの新人監督の登竜門ともいえるこの映画祭から、また新たな才能が発見された。弱冠32歳、日系監督のキャリー・ジョージ・フクナガが製作したロードムービーが、同映画祭のドラマ部門で監督賞と撮影監督賞を受賞した。
映画の主人公は、ホンジュラスに住む少女サイラ。よりよい暮らしを求め父親とアメリカを目指す。サイラは多くの移民たちがひしめき合う列車の屋根の上で、カスペルというメキシコ人の青年と出会う。彼は移民を狙うギャングの一味だったが、サイラを助け、ギャングのリーダーを殺めてしまう。裏切り者として追われることになったカスペルと、命の恩人でもある彼に信頼と淡い恋心を抱いたサイラは、組織の目をかいくぐり命がけで国境を目指すのだが……。
人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナの2人が惚れ込み、彼らが製作として携わったことでも話題の本作。監督がこの映画でいちばん伝えたかったのは“リスクを冒してでも国境を目指す人々”。アメリカを目指す移民といえば、連想するのは近隣のメキシコ人だが、この映画の主人公たちはメキシコよりも遙か南にある国、ホンジュラス。途中グアテマラやメキシコなどいくつもの国境を越えなければ、理想の国にはたどり着けない。監督はこの移民のテーマを深く掘り下げるため、シェルターに住む移民たちにインタビューをし、刑務所にいるギャングたちを取材。さらに自ら列車の屋根に乗り込み、移民の足跡を辿る旅を3度にわたって経験した。その生きたリサーチが実を結び、衝撃と深い感動を与える作品に。そしてさらには主人公たちの力強さが観る者に明日への勇気をもたらしてくれる。
公開:2010年6月19日
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
キャスト:パウリーナ・ガイタン、ウィリー・エドガー・フロレスほか
配給:日活
公式サイト:www.yami-hikari.com/
第81回アカデミー賞外国語映画賞に輝いた映画『おくりびと』の脚本を手がけた脚本家、小山薫堂。彼がオリジナルでストーリーを書き上げ、それをもとにした感動の3D映像で世界遺産の数々を観る。
公開:2010年6月19日
監督:日下宏美
キャスト:内田伽羅、マット・レイワード、ユセフ・ワエルほか
配給:TBSビジョン
公式サイト:www.furusato-movie.com/
スプラッターホラーの代表作ともいえる『ハロウィン』シリーズ。現在のヘヴィ・ミュージック全盛のシーンの流れを作ったミュージシャン、ロブ・ゾンビが手がけたオリジナル版『ハロウィン』の続編 。
公開:2009年6月19日
監督・製作・脚本・音楽監修:ロブ・ゾンビ
キャスト:スカウト・テイラー=コンプトン、タイラー・メイン、マルコム・マクダウェルほか
配給:ショウゲート
公式サイト:www.showgate.jp/halloween2/
川に飛び込み自殺をするも失敗し、無人島に漂着した男と、ひょんなことから偶然彼を見つけた引きこもりの女性が織りなすラブ・ファンタジー。
公開:2010年6月19日
監督:イ・ヘジュン
キャスト:チョン・ジェヨン、チョン・リョウォンほか
配給:CJ Entertainment Japan
公式サイト:hyoryu-nikki.com/
香港を代表するアクションスター、ジャッキー・チェンのハリウッド進出30周年記念作。結婚を機にスパイから引退しようとする主人公が、子供のいたずらから巨大な陰謀に巻き込まれていくアクション・コメディー。
公開:2010年6月19日
監督:ブライアン・レヴァント
キャスト:ジャッキー・チェン、アンバー・ヴァレッタ、マデリン・キャロルほか
配給:ショウゲート
公式サイト:www.w-mission.jp/
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