(C)PFFパートナーズ2010
2010年04月28日 (水) 掲載
日本を代表する映画監督を発掘している、ぴあフィルムフェスティバル。2007年にグランプリを受賞したのは、石井裕也の『剥き出しニッポン』だった。この映画はアジアのアカデミー賞ともよばれる『アジア・フィルム・アワード』においても『第1回 エドワード・ヤン記念 アジア新人監督大賞』を受賞。また、ほか多くの映画祭でも評価された。それから2年。今や国内外で高い注目を集める26歳の本格派監督、石井裕也の商業映画デビュー作が公開される。
作品の主人公は、しじみが特産の水辺の街から上京して5年の佐和子。仕事も恋愛もうまく行かずに“妥協”の毎日を過ごしていたが、父親が病に倒れたことで帰郷することになる。訳あって父親ひとり残して町を飛び出した佐和子だったが、町の人の目は冷ややかだった。佐和子は実家のしじみ工場を継ぐことになるが、パートで働きに来ているおばちゃん達も、佐和子を受け入れようとしない。おまけに東京からついてきたバツ1子持ちの彼との間にも亀裂が入る。追い込まれた佐和子はこれまでの“妥協”した人生に初めて向かい合うことを決意する。
主人公・佐和子を演じるのは、日本映画界期待の若手女優・満島ひかり。2009年に発表された『愛のむきだし』での演技力が高く評価され、多くの映画賞を受賞。今作では、現代に生きる等身大の女性を見事に演じきっている。
夢や希望を持つことさえ難しい時代。それまで中途半端に生きてきた主人公をはじめ、この映画に出てくる様々な世代や立場の人たちが、逆境に立ち向かっていく姿は、可笑しくも愛おしく感じる。ゴールデン・ウィークにこの映画を観て、ゆっくりと自分を見つめ直してみるのもいい。公開日の2010年5月1日には、渋谷のユーロスペースにて、11時25分の回上映後と、13時50分の回上映前に、監督、キャストによる初日舞台挨拶が行われる。
2009年日本
監督・脚本:石井裕也
キャスト:満島ひかり、遠藤雅、志賀廣太郎、岩松了、ほか
配給: ユーロ・スペース
ウェブ:kawasoko.com/
100歳を超える現役映画監督、マノエル・デ・オリヴィエラが描く大航海時代の果てしない夢。コロンブスの謎を追い旅を続ける夫婦の絆の物語。
原題:CHRISTOVAO COLOMBIO O ENIGMA
2007年ポルトガル / フランス
監督・脚本:マノエル・デ・オリヴィエラ
キャスト:リカルド・トレパ、レオノール・バルダック
配給:アルシネテラン
ウェブ:www.alcine-terran.com/umi
上海国際万国博覧会開催記念として、美と芸術の上海アニメーション全12作品が公開される。水墨画アニメを中心とした、美しく完成度の高いアニメーションの数々。本作はその第1弾となる。
原題:小蝌蚪找媽媽
1962年中国
監督:特偉
配給:ワコー / グアパ・グアポ
上映:新宿K's cinema www.ks-cinema.com/
性犯罪加害者の青年と、障害を抱えた少女の、切なすぎる愛の物語。性犯罪者の贖罪を描いた衝撃作。
2010年日本
監督・脚本・編集:ト部敦史
キャスト:金倉浩裕、今村祈履、森崎元太
配給:アップリンク
ウェブ:www.film-scope.com/
極限状態に置かれた人間はどんな行動を起こすのか。登場人物達が繰り広げる壮絶な脱出劇。『スチームボーイ』、『FREEDOM』のチームが仕掛ける次世代アニメーション。
2010年日本
監督・脚本:片山一良
声の出演:花澤香奈、森川智之、仙台エリ、大原さやか
配給:角川映画
ウェブ:www.kingofthorn.net/
2004年に公開された哀川翔主演の『ゼブラーマン』待望の続編。2025年、ゼブラシティを舞台に、記憶を失っていた主人公が世界征服を企む敵に立ち向かっていく。
2010年日本
監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎
出演:哀川翔、仲里依紗、阿部力、井上正大
配給:東映
ウェブ:www.zeb2.jp/
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