【ココイケ】12月の映画

キック・アス

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これまで様々な“アメコミ”が映画化されてきたが、極めつけといえるのが本作だ。スーパーヒーローに憧れるオタク少年デイヴは、特殊能力はもちろん、運動能力もゼロ。憧れだけを武器に、手作りのコスチュームを着て街へと出るが、そこで待っていたのは、凶悪なマフィアと復讐の鬼と化した凶暴な父娘の壮絶な闘いだった。アメコミへの愛情が暑苦しいほど凝縮されたなか、マフィアを次々と血祭りあげる覆面の美少女、ヒット・ガールに燃（萌）える。

公開：2010年12月18日（土）
製作・脚本・監督：マシューボーン
脚本：ジェーン・ゴールドマン
原作：マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・Jr
製作：ブラッド・ピット、アダム・ボーリング、ターキン・パック、デビッド・レイド、クリス・ティケル キャスト：アーロン・ジョンソン、クリストファー・ミンツ＝プラッセ、ニコラス・ケイジ、クロエ・モレッツ、エリザベス・マクガバン、マーク・ストロング、デボラ・トゥウィス、ギャレット・M・ブラウン
ウェブ：www.kick-ass.jp/

死なない子供、荒川修作

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「人間は死なない」と断言した芸術家、荒川修作。本作は、哲学や科学、芸術を総合して実践する者“コーデノロジスト”と称し、幅広い活動で注目を集めた荒川を追ったドキュメンタリー。なかでも興味深いのは、荒川が設計した「人が死なない家」、三鷹生命反転住宅だ。まるでオモチャ箱をひっくり返したようなポップな建築と、そこに住む人々の生活は、人間の可能性についてヒントを与えてくれる。気鋭の電子音楽家、渋谷慶一郎のサントラにも注目。

公開：2010年12月18日（土）
監督：山岡信貴
ナレーション：浅野忠信
音楽：渋谷慶一郎
キャスト：荒川修作、佐治晴夫
ウェブ：www.shinanai-kodomo.com/

バスキアのすべて

All Jean-Michel Basquiat works (C) Estate of Jean-Michel Basquiat. Used by Permission. Licensed by Artestar, New York

1980年代、NYのアートシーンに彗星のように現れた、ジャン＝ミッシェル・バスキアの生涯を追った初めてのドキュメンタリー。アート界のNo1になることを目指し、まずグラフティで注目を集めたバスキアは、アンディ・ウォーホルとの運命的な出会いを経て、瞬く間にスターの座を駆け上る。そして、絶頂期に薬物中毒による突然の死。無名時代のマドンナやヴィンセント・ギャロなどとの交流も興味深く、80年代NYカルチャーを知るうえでも重要な作品だ。

公開：2010年12月18日（土）
監督・製作：タムラ・デイビス
製作総指揮：マーヤ・ホフマン
撮影：デビット・コー、ハリー・ゲラー
キャスト：ジャン＝ミシェル・バスキア、ファブ・5・フレディ、ジュリアン・シュナーベル、マリ・ポール
ウェブ：basquiat-all.jp/

ゴダール・ソシアリズム

今年で80歳を迎えるヌーヴェル・ヴァーグの旗手、ジャン＝リュック・ゴダールが、長編としては6年振りとなる新作を発表。映画は3部構成になっており、豪華客船でスパイが暗躍していたかと思うと、フランスの田舎で家族が政治について語り合い、最後は映像のモンタージュで人類の歴史を振り返る。緻密にデザインされた音響、ポップな色彩、様々な書物や映画から引用された台詞、そして、可愛い女の子と、全編にわたってゴダール・マジックが冴え渡った問題作。

公開：2010年12月25日（土）
監督 ジャン＝リュック・ゴダール
製作 ルート・ヴァルトブルゲール、アラン・サルド
キャスト：マチアス・ドマイディ、ドミニク・ドヴァル、ナデージュ・ボーソン＝ディアーニュ、ルーマ・サンバール、ジャン＝マルク・ステーレ、パティ・スミス、レニー・ケイほか
ウェブ：www.bowjapan.com/socialisme/

エリックを探して

イギリス映画が誇る社会派監督、ケン・ローチの新作は、一風変わったロマンチックコメディ。マンチェスターの郵便配達夫、エリックは、別れた最初の妻のことが忘れられず、二度目の妻が置いていった連れ子にはバカにされ、最悪の人生を送っていた。そんなある日、憧れのサッカー選手、エリック・カントナが突然現れ、エリックにアドバイスを与え始めた。憧れのヒーローと二人三脚で人生をまき直す。そんな男のロマンと温かなユーモアに、きっと元気がもらえるはず。

公開：2010年12月25日（土）
監督：ケン・ローチ
脚本：ポール・ラバティ
キャスト：スティーブ・エベッツ、エリック・カントナ、ジョン・ヘンショウ、ステファニー・ビショップ
ウェブ：www.kingeric.jp/