映画『ブルー・リベンジ』レビュー

人生を諦めた男の復讐劇

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『ブルー・リベンジ』タイムアウトレビュー

ある日、バージニア州の田舎に住む、薄汚くひげを生やしたホームレスの男、ドワイト(メイコン・ブレア)は、ある囚人が仮釈放されたと、顔見知りの警官から知らされる。ドワイトは6年間寝泊まりしていた青いセダンにエンジンをかけ、囚人のもとへ走らせる。その後、男を追ってバーへ行き、トイレの隅へ彼を追い込んで……バン!と見ごたえ十分な幕開けをする。

しかし、ここからどこへ向かうのか。この問いに対し、監督と脚本を担当したジェレミー・ソルニエは満足な答えを出せなかった。白人下層階級に属する、精神を病んだ家族と、なりゆきで対立することとなったドワイトは、高校時代の旧友ベン(デヴィン・ラトレイ、もしくは記憶力の良い人にとっては『ホーム・アローン』の意地悪な兄役バズ)を仲間として引き込む。しかし、死体の数が増え、物語が本筋に迫ってくるにつれ、美しく構築されたサスペンスの牙城が崩れ始める。

『ブルー・リベンジ』は、映像のキレが良く、演技も見ごたえがあり、驚きの詰まった作品であった。しかし、血沸き肉躍る逆襲劇にしたいのか、『ウィンターズ・ボーン』のような情緒的なインディードラマにしたいのかが判然としない。ブレアの負け犬的な演技に対する感情移入は持続するかもしれないが、感情の深さを描き出すことに関して、成功しているとはいえない。興奮で幕を開け、尻すぼみで終わってしまうのだが、終始楽しんで見ることができる作品であった。

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『ブルー・リベンジ』

2015年2月14日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

監督・脚本・撮影:ジェレミー・ソルニエ
製作:リチャード・ピート、ヴィンセント・サヴィーノ、アニシュ・サヴィアーニ
出演:メイコン・ブレア、デヴィン・ラトレイ、エイミー・ハーグリーヴス 、ケヴィン・コラック、イヴ・プラム、デヴィッド・W・トンプソンほか
配給:トランスフォーマー
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By トム・ハドルストン
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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