二子玉川『濃麻呂』
2013年11月29日 (金) 掲載
ラーメンブームの原点ともいえる、豚骨ラーメン。豚の骨髄を徹底的に煮込むそのスープの世界は、くせのあるキャラクターとバリエーションの豊富さで、定番メニューのひとつとなった。本場九州から東京オリジナルのものまで、都内で食べることができる「本当に美味しい」豚骨ラーメンをご紹介する。
コクのあるクリーミーな味わい
足立区一ツ家、環七通り近くの人気ラーメン店。名前の通り、王道の博多長浜ラーメンを提供している。豚のゲンコツ、頭、足、背脂を3日間に煮込んでつくったスープは、濃厚でコクのあるクリーミーな味わい。定番メニューの『らーめん』(680円)は、チャーシュー、キクラゲ、刻みネギ、のりとシンプルな長浜ラーメンらしい具材。チャーシューには、2時間釜でいぶした豚バラ肉をつかい、さっぱりとした味わいを作り上げている。また、トッピングに自家製みその『赤オニ』を加えることで、ピリッとした味の変化を楽しむこともできる。
東上線沿線に構える名店
東武東上線中板橋駅から徒歩8分。全く店名が書いてない無地の白い看板が目印。一見すると営業中か戸惑う外観だが、じわじわと人気を集める注目店だ。提供しているラーメンは超濃厚ながら臭みを抑え、抵抗なく食べられるクリーミーなスープが特徴の『とんこつラーメン』(650円)。豚頭や豚足などを丁寧に煮込んだ豚骨100%スープは、自家製のストレート麺との相性も良い。具材には白髪ねぎ、歯ごたえのあるメンマ、岩のりに、オーダーごとに炙ったチャーシューがのる。このチャーシューの味わいは絶品。スープ・麺・具と超濃厚な組み合わせながら、マイルドな仕上がりで美味さが際立っている。メニューはラーメンのほかに、『つけめん』(700円〜)もある。
国内産豚骨と水で作ったコラーゲンたっぷりスープ
新青梅街道沿いにあるラーメン店。赤提灯と大きな暖簾が目印。良質な国内産豚骨と水のみで作った、コラーゲンたっぷりの超濃厚豚骨スープの『とんこつラーメン』(750円)が人気だ。麺の固さ、スープの濃さ、ネギの多さなどの要望を聞いてもらえ、無料の『追いスープ』は、魚スープとあっさり豚骨スープのいずれかを注文できる。卓上には辛子高菜、にんにくしょうゆ、紅生姜、すりごま等があるので自分好みの味を探求するのも楽しい。
大量のゲンコツと豚頭を使った超濃厚スープ
JR中央線武蔵境駅から南西へ徒歩5分。赤いのれんと白い行灯が目印。大量のゲンコツと豚頭を使って、豚のうまみを骨の髄まで搾り出して作った超濃厚豚骨スープが特徴。麺は2種類の小麦をブレンドした自家製の太麺で、モチモチ感が強く、歯応えがあり、超濃厚スープに絡み付き、相性も抜群。通常の細めん豚骨とは異なり、圧倒的な存在感を放っている。具材にはメンマやざく切りのキャベツ、大振りの炙りチャーシューなどがのる。また、麺にのせられたカツオ餡を途中でスープに溶かすと、和風の魚介風味の豚骨スープへと味を変化させて、楽しむことができる。味の濃度だけでなく、満足感の高い一杯だ。おすすめは『味玉ラーメン』(800円)。その他に、『豚骨魚介つけめん』(800円)、『熊本ラーメン』(750円)など。『あぶり焼きチャーシューごはん』(280円)などサイドメニューも面白い。
東高円寺に長浜の名店
東京メトロ丸ノ内線東高円寺駅から徒歩5分、大久保通り沿いに位置する博多ラーメンのお店。カウンター8席の店内は食事時は常に満席が目立つ。提供されるのは一見すると濃厚だが、さっぱりとした美味しい『豚骨ラーメン』(650円)。都内の豚骨ラーメンは良くも悪くも東京豚骨の仕上がりだが、博多らしさを感じる稀有な存在で、高円寺界隈では人気の名店だ。脂っぽさのない、飲みやすいスープに、九州から取り寄せる細麺が抜群に合う。青ネギ、薄切りのチャーシューの具材。思わず、替え玉(120円)を頼みたくなる味わいだ。『チャーシューメン』(800円)はどんぶり一杯にチャーシューがのる。『もつ煮込み』や『めんたいだし巻き』など、つまみメニュー(各280円)も充実のラインナップだ。
つまみメニューも充実
最寄り駅の京王井の頭線の浜田山駅からは徒歩15分ほど、木彫の看板に「一歩」の文字の入った白いのれんが目印のお店。提供しているのは、キクラゲ、海苔、青ネギの具材がのった、細麺のシンプルな豚骨ラーメン。卓上にはおろしニンニク、揚げニンニク、紅生姜、辛子高菜など、豚骨マナーのスパイスが並ぶ。スープは豚骨臭すぎない、つい飲み干したくなるシンプルな美味さ。狭い店内だが、何より光るのは、女将さんの接客対応。気配りが行き届いており、店内はアットホームで温かい雰囲気に溢れている。思わず、替え玉を頼んで、長く座っていたい気持ちになる店だ。
まろやかな味わいの豚骨スープ
谷在家駅から徒歩15分、長浜ラーメンで評判のラーメン店。豚のゲンコツ、頭、足を2日間煮込んだ、まろやかな味わいの豚骨スープが呼んでいる。小麦の香りがしっかりと感じられる麺には福岡から取り寄せた麺を使っているゆで加減を7段階から選べるなど麺のこだわりも深い。人気メニューの『ちゃーしゅーめん』(850円)は、厚切り豚肩ロース肉とキクラゲをトッピングし、シンプルながらも正統派の長浜ラーメンが味わえる一品になっている。
ラーメン通を錦糸町に誘う強烈な豚骨臭
JR総武線錦糸町駅から徒歩8分ほど。緑の看板が目印の豚骨ラーメンのお店。お店の外まで漂ってくる強烈な豚骨臭。提供されるのも、変化球無しの直球の豚骨ラーメン。豚骨を煮上げたコク深いスープは、無駄な味付けもない、まさに博多豚骨の味そのものである。福岡から取り寄せる麺も旨みが強く、本場仕込み。青ネギや海苔も九州産とのことで、博多豚骨へのこだわりが詰まった一杯になっている。東京では稀有な直球の博多豚骨に魅せられる人も多く、中毒性が高い一杯だ。『ラーメン』(650円)に、様々なトッピングの組み合わせが可能。『なんでんかんでん』の系譜にあるようで、海苔にきざまれた「よかろうもん」の文字にそのイズムを感じずにはいられない。
夜の渋谷で呑み明けに
渋谷を六本木通り沿いに上がり、青山学院裏手のOATHや青山蜂で遊ぶ向きには馴染みのラーメン屋。濃厚豚骨スープが売りだけあって、足下が油でぬめっとしているのだが、そこはご愛嬌。黒油によるスープの色も濃厚さを物語る黒王、豚骨ラーメンの豚王などが美味い。ご飯党は明太ご飯と一緒にオーダーするといいだろう。
女性にも優しいマイルドなスープ
西武池袋線沼袋駅から徒歩1分。屋台風の「博多ラーメン」の暖簾が目印の店舗。店内に入ると、ぐっと鼻をつく豚骨の香り。提供されるスープも強烈な豚骨臭と思いきや、クリーミーな濃厚さはあるものの、女性にもさらりと食べやすいクセを抑えたマイルドな仕上がり。濃厚さも残しつつ、絶妙な味わいになっている。麺はもちろん細麺で博多から取り寄せる。具材にはキクラゲ、青ネギ、チャーシューがのる。オーソドックスではあるが、博多の味をしっかりと追求し、研究された一杯だ。メニュー『博多ラーメン』(600円)、『黒マー油ラーメン』(650円)、『ピリ辛の赤玉ラーメン』(650円)をベースにして、各種トッピングが楽しめる。ドリンクやつまみメニューも充実している。
福岡市名島に本店を構える本場の風味
二子玉川駅から徒歩5分、高島屋ショッピングセンターの裏手にひっそりと佇む博多濃麻呂は、福岡市の名島に本店を構える同店ならではの本場の豚骨ラーメンが味わえる。表面に油がうっすら浮くスープは長浜系で、時間をかけてたっぷり煮出された豚骨の味がしっかりと味わえる。麺はバリカタでも丁度良い細麺で、スープと絡めてもいかにも本場らしい粉っぽさが残っていて旨い。トッピングは薄手のバラチャーシュー2枚に葱、きくらげ、焼き海苔とベーシック。カウンターには特製の辛子高菜や紅ショウガもあるので、好みの味に変えて楽しむ事もできる。基本のラーメンは580円で、替え玉は150円。場所柄を考えると十分にコスパが高いのが嬉しい。
久留米ラーメンを彷彿させる、濃いめの一杯
東急多摩川線鵜の木駅と下丸子駅のちょうど真ん中ほどの、環八沿いに位置する店。久留米ラーメンに近いような、濃いめの一杯を提供する。店の外に突き出した排気口からは強烈な豚骨臭が漂ってくる。スープは一口目から強烈な濃さが舌に伝わってくる。表面にはこってりとラードの膜が覆うほど。麺は通常の固さの注文でもやや固めの仕上がりのストレート細麺。具材はシンプルな青ネギとチャーシュー、その他のトッピングは充実している。量以上にパンチ力をもった味の濃さは丁寧に博多の味を再現しており、都内でも稀有な一杯だ。メニューは『博多ラーメン』(650円)、『赤玉ラーメン』(650円)のほか、つけめんなども取り揃えている。深夜4時まで営業しており、つまみメニューも豊富。旧店名は『とんでんかん』。
都内屈指レベルの熊本ラーメン
小田急線経堂駅から徒歩5分、都内でも屈指のレベルを誇る熊本ラーメンのお店。店の特徴は、クリーミーで口当たりの良い豚骨スープ。圧力釜で一気に炊き上げているので臭みもない。そこにマー油がかかり、ほんのりこがしニンニクの味がするが、上品な味なので食後も後に残らない。麺は加水率低めの中細ストレート。トッピングの熊本直送の生きくらげも良い食感でアクセントになっている。熊本ラーメンといえば、こってりニンニク味というイメージで敬遠する人もいるが、そのような人にこそ推薦したい一杯。メニューは基本の『夢亀らーめん』(750円)の他に、『水餃子らーめん』(950円)などがある。替え玉は150円。
柚子の香りが嬉しい濃厚とんこつ
神泉交差点から松濤方向に2分ほど歩いたあたりにあるラーメン店。鰻の『いちのや』のすぐ隣にある。濃厚とんこつスープ好きにはおすすめの店だ。卓上にある『高菜』『紅ショウガ』『にんにく』などを好みでトッピングできる。しかし、ここのおすすめは『ゆず辛つけ麺』。粗めに刻んだタマネギがたっぷり入ったつけだれに、中細の麺がよく絡む。柚子の香りがさっぱりとしていて、ボリュームがあるのにするっと食べられてしまう。
丁寧に作り込まれた豚骨ラーメン
東京メトロ丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩1分。木彫の看板が目印で、丁寧に作り込まれた豚骨ラーメンを提供している。スープはクリーミーでコクが深いが、さっぱりとしていて非常に飲みやすい。あっさり目の長浜ラーメンといった仕上がりだ。細麺の麺ももちろん相性は抜群。具材はチャーシュー、キクラゲ、青ネギと標準的な顔ぶれであるが、チャーシューはやや肉厚で、注文ごとに網で炙った脂ののっており、柔らかい食感。おすすめは『チャーシューラーメン』(900円)。その他に、『つけとん』(700円)、『ちゃんぽん』(850円)や季節限定メニュー、豚骨が苦手な方ように煮干ラーメンも取り揃える。博多の店らしく、つまみも豊富でアットホームさの溢れるお店。
メディア露出常連、東京発豚骨の人気店
小田急線経堂駅から徒歩4分、過去幾度となくメディアに取り上げられている東京発の豚骨ラーメンの名店。丁寧に豚骨を丸一日炊きだして作るスープは、濃厚でクリーミーなのに、まったく臭さがなく上品さを感じる。麺は加水低めの細ストレートで歯切れが良い。なお、スープの濃さは4段階、麺の固さは5段階から好みに応じてオーダーできる。デフォルトのトッピングはチャーシュー2枚、味玉半個、青ネギ、メンマ。赤身のチャーシューは、オーブンで焼き入れした焼豚で、豚骨ラーメンには珍しい組み合わせだが、どこか懐かしさを覚える味わいで旨い。基本のラーメンは『らあめん』(700円)で替え玉は130円。その他のメニューに『つけめん』(700円)、『たんめん』(900円)などがある。
佐賀の有名店、精養軒の味を継承
浅草千束通りから少し裏道の路地に入ったところにある、2010年オープンのお店。佐賀の有名店、精養軒の味を継承しているという、東京では珍しい佐賀ラーメンの専門店。豚ゲンコツのみから取ったというスープは臭みがなく、豚骨の旨みのみ抽出されたような、マイルドで甘めだがコクのある味が印象的。九州の豚骨らしさとは異なり、驚くほどすっきりとした味わいで、歯切れのよい細麺、有明海苔、ネギ、チャーシューのシンプルな組み合わせもいい。メインの一杯は『味自慢ラーメン』(750円)。夜の時間はつまみ料理も充実している。おすすめは油揚げの味付けに佐賀の醤油を使用した、稲荷寿司。甘辛さがラーメンとも相性が良い一品。深夜3時まで営業。
創業1946年の本格的博多ラーメンの店
西麻布交差点近くのラーメン店。創業1946年の本格的博多ラーメンの店として、関東に上陸した1号店だ。平打ち細麺に醤油仕立ての白濁豚骨スープの『らぁめん』(700円)は、本場のさっぱりとした味わいと深みのあるだしで、思わず『替え玉』(150円)したくなるはず。朝5時まで営業。
がっつり食べたければメタボキング
成城学園前駅から徒歩約10分、東宝スタジオの近くに位置する熊本ラーメン店。熊本に本店があり、この店が関東初上陸となる。看板メニューは、麺量2倍、スープ2倍、チャーシュー4枚の『メタボキング』(880円)。お店が謳う「背油の海、怒濤のチャーシュー」の通り、圧倒的なボリュームに加えて、雪のように散りばめられた背脂、ジューシーな炙りチャーシューが特徴。スープは、ニンニクがガッツリ効いており、パンチのある力強い味。麺は熊本から毎日空輸で取り寄せているストレート中細麺で、ツルツルと啜り心地が良い。基本のラーメンは『ぶたあ麺』(580円)、その他のメニューは『チャーシューぶたあ麺』(780円)などがあるが、替え玉が出来ないので、ガッツリ食べたい方は大盛りやメタボキングを選択すると良いだろう。
本格的な博多豚骨ラーメン
中野駅前の商店街からは離れた、本当にこんなところにラーメン屋があるのかと思わせる、住宅街の一角にあるラーメン店。「あなたの食べている豚骨は本当の豚骨ですか?」という刺激的なキャッチを掲げるキャッチの通り、提供するのは、本格的な博多豚骨ラーメン。定番メニューは豚骨旨みを限界まで絞り出した『怒豚骨』(700円)。スープの見た目は茶色の豚骨スープで、濃度高めでポタージュの様なドロドロ感があるが、油分は少なく、旨みだけが伝わってくる。
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