麺屋 海神
2013年09月25日 (水) 掲載
かん水、化学調味料といった要素が美味さと不可分だったラーメン業界の中で、近年、化学調味料を使わないというアプローチでファンを増やしている無化調ラーメン。女性や成人病予備軍も安心して食べれるため、今では都内各地で楽しめるようになった。今回はこのヘルシーに楽しめる「無化調ラーメン」のオススメ店舗を20店厳選。最近は健康を気にしてラーメンを控えている、という方も是非トライしていただきたい。
天然醸造醤油の香りが際立つ一品
JR巣鴨駅南口より徒歩1分。一本裏通りを入ったところにある、日本料亭風の洗練された和風な外観のお店。澄み切ったスープは、鶏ガラで取った清湯に、昆布、サンマ、アサリなどを使用した出汁に、天然醸造の醤油を使用した醤油ダレを混ぜ合わせたもので、品よく淡麗で、絶妙なコク。食べる前から醤油の香りが際立つ。スープに合わせた、国産小麦と全粒粉を配合した自家製麺も歯ごたえがもよく、抜群の美味しさである。具は部位と調理法が異なる2種類のチャーシューと、九条ネギ、メンマが載る。おすすめは『味玉醤油そば』(850円)で、スープに合うように作られた味玉がのる。追加トッピングで、あおさ海苔なども注文できる。
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有機栽培野菜をふんだんに使った優しい味
地下鉄新宿御苑駅より徒歩2分の店。うま味調味料は一切使わない、天然素材にこだわった優しい味わいの一杯を提供している。店名に「旬麺」と入っている通り、具材の野菜は旬な素材にこだわり、月替わりの有機栽培野菜が使われており、季節の味を楽しめる。スープは鶏ガラ、豚骨、魚介、野菜、昆布、椎茸など多彩な食材の旨みが凝縮している。優しい口当たりだが、しっかりとコクがあり、すするごとに深い味わいに吸い込まれる。メニューは、鶏ガラベースに、天然素材の醤油を使用した『醤油らーめん』(700円)、1億6千万年前の海の味がするモンゴル岩塩を使用した『塩らーめん』(700円)のほかに、季節限定のらーめんも提供している。
秋葉原屈指の人気店
白木と引き戸に暖簾がかけられた、純和風の佇まいの『くろ㐂』は秋葉原屈指の人気店。店内も和風で清潔感がある。ここで提供しているラーメンは、塩と味噌。塩のスープは、鶏がらやモミジからとった清湯に、カツオや焼きあご、サンマなどからとった魚介出汁が効いている。もうひとつの味噌は、豚骨、鶏がらをじっくり煮込んだクリーミーなスープに、煮干と海老の香りを合わせた独特な味。それぞれ、6種類の塩をブレンドした塩ダレ、信州、京都の味噌に胡麻やアーモンドを加えた味噌ダレが加えられる。麺は平打ちか細打ちの自家製麺を選ぶことができ、トッピングは肩ロース、メンマ、ちぢみ小松菜など。日本料理店出身という店主の経験に裏打ちされた、至高の一杯が堪能できる。
みそ汁のような感覚で毎日食べたくなるラーメン
門前仲町駅から徒歩5分、オープンから10年以上が経っているにも関わらず、連日客足の絶えない人気店。その理由は脂を使わない、魚介ダシの効いた、まろやかな味の一杯にある。「みそ汁のような感覚で毎日食べたくなるラーメン」を目指したというだけあり、魚介ダシを中心に多種類の合わせスープをベースにして、品質や調味料にもこだわりをおき、栄養のことも考えられた優しい味に。看板メニューのらーめんはこの味にして、600円と非常にリーズナブルでお手頃。夫婦で切り盛りする愛情あふれる店舗で、その丁寧な接客にお腹だけでなく、心も癒され、毎日通いたくなる。
日本料理を20年修行した店主が作る絶品スープ
同業者からも評価が高い、東京を代表するラーメン店のひとつ。看板メニューは『上とりそば』(850円)。日本料理を20年修行した店主が作るスープは、九十九里産の煮干を中心にした魚介と、皮内地鶏の首からとった出汁を合わせており非常に上品、繊細、最後の一滴まで飲み干したくなる。麺は低加水でストレートの極細麺でスルスルと喉ごしが良い。トッピングは豪華で、焦げ目がついた柔らかい鶏肉チャーシューに鶏そぼろ、煮卵、メンマ、かいわれ、さらに細く切られた白髪葱とねぎがラーメン全体をバランスよく引き締めている。他のメニューは、さっぱりとした『うめしおらーめん』(780円)や、滑らかでコシのある中太麺を使用した『中華そば』(780円)などがある。
激戦区渋谷で行列をつくるシンプルなラーメン
マークシティと246の間に位置する、いつも行列の絶えない渋谷の人気店。魚介系と動物系のダブルスープは濃厚だが、しつこくない。中細よりやや太めのストレート麺に、とろとろの味玉、柔らかいチャーシュー、海苔、柚子皮というトッピング。シンプルだが本当にうまい、完成度の高いラーメンだ。ついつい最後までスープを飲み干してしまうほど、癖になる一杯。
女性ファンも多い『ゆず塩麺』
恵比寿駅から徒歩5分ほど、渋谷川沿いにたつ人気ラーメン店。ご飯どきでなくとも店外まで並んでおり、ラーメン店にしては女性客も多い。特徴のひとつは、さっぱりとした仕上がりの塩ラーメン。鶏ガラや魚介、昆布などでダシをとったスープは、さっぱりとした“淡麗”と、鶏油を加えた“まろ”の2種類から選べる。ゆずが香る『ゆず塩麺』は、そんな黄金色に輝くスープと極細の麺がよく合う。そして歯ごたえのある炙ったチャーシューが薄味のなかのアクセントに。
食材の質と安全にこだわりぬいた味
小田急線経堂駅の北口を出てすずらん通りを真っ直ぐ進むと左手にある『季織亭』。こちらのお店では、「体を元気にする原料を使いたい」という考えのもと、ストイックに食材の質・安全にこだわった無化調ラーメンが味わえる。お勧めしたいメニューは『特選小麦蕎麦(醤油)』(1,050円)。岩手産の純和鶏と鰹節を使用した澄んだ出汁に、本桶仕込みの醤油をタレに使用したスープは、出汁の旨みたっぷりで優しい味わい。手打ちの中細麺は加水率が高めでスルッと喉ごしが良い。トッピングは柔らかい豚バラロールチャーシューやこだわりのEM卵を使用した煮卵など。総じて素材の旨味をしっかり生かしたつくりで、非常に高レベルな一杯だ。
雑味のない喜多方ラーメン
都立家政駅前人気のラーメン屋の東京駅店。化学調味料は一切つかわず、素材本来の味を求めたラーメンづくりが評判で、非加熱無濾過の生醤油を使った『喜多方らーめん(醤油)』(750円)はシンプルながらも洗練された喜多方ラーメンの魅力が味わえる。挽き肉たっぷりの『担々麺』(900円)や『喜多方肉そば(塩味)』(990円)など豊富なメニューを取り揃えている。
『麺や 七彩』の詳しい情報はこちら
半透明のスープから感じる上品な風味
新橋駅から徒歩10分、築地市場駅から徒歩8分と少し駅から離れた、雑居ビルの隠れ家的な立地にあるお店。「銀笹」の白い暖簾と看板が目印。提供されるのは丁寧にとられた魚介出汁のスープの『銀笹塩ラーメン』(850円)と『銀笹白醤油ラーメン』。スープは半透明で、お吸い物の様に魚介を中心にうま味の詰まった上品な味だ。このベースの味に、ホタテと椎茸の味も加えられ、味が引き締まっている。麺は縮れ麺。具には、ほろほろのチャーシュー、鯛つみれ、メンマ、青葉などがのる。食後には、鯛飯を注文して、この絶品スープをかけることで、鯛茶漬け風のご飯が楽しめる。一口目で感動を与え、最後まで飽きさせない一杯に仕上がっている。
無化調らしからぬ深い旨味
南平台の『アートマサシヤ』は、化学調味料や添加物などを一切使わない天然素材の優しいラーメンがコンセプトで、もともとは沖縄の首里城の近くで『正志や』の名前で営業をしていた。煮干、鰹節類、昆布といった魚介系から存分に旨味を引き出した出汁に、小豆島特産の醤油をベースにした醤油ダレ、ラード、胡麻油がきいた香味油がスープに混ざり、無化調とは思えない深い旨味がある。中細の麺にチャーシュー、味玉、三角の薄焼き玉子、水菜、刻みネギなどの具材が載る。どれも天然素材を用いており、まろやかで後味がよい。職人技といえる仕上がりのラーメンがここにある。
カウンター6席のみの名店
青梅街道沿いにあるラーメン店。美容室の様な洒落た外観で、地球が描かれた看板が目印だ。店内はカウンター6席のみ。メニューは淡口清湯スープの『塩ラーメン』(700円)と濃厚白湯と魚介スープの『醤油ラーメン』(750円)の二種類。麺はそれぞれ違うものを使用し、チャーシューも「塩」には肩ロース、「醤油」にはバラロールと使い分けている。トッピングの『白味玉(塩味)』(100円)や『焼きトマト』(150円)もおすすめだ。
濃厚魚介豚骨でありながら無化調
濃厚魚介豚骨系の店舗としては珍しく、無化調のラーメンを提供する東十条の店。スープはモミジと丸鶏、豚骨を炊いた動物系のスープに、サバ節や煮干などの魚介ダシを加えて、深みのあるスープに仕上げている。麺はツルツルの舌触りの自家製麺。程よい弾力のチャーシューと柔らかくなりすぎない味玉も絶品で、ファンも多い。一口目から、じわじわと旨みが増していく、最後まで美味しさが深まっていく。おすすめは『味玉ラーメン』(750円)。その他のメニューに、『つけめん』(750円)、『油そば』(700円)など。昔ながらの和風の店内の雰囲気も美味しさに一役買っている。
海の素材にこだわった塩ラーメン
JR新宿駅東南口から出てすぐ、店名の通り、海の素材にもこだわった塩ラーメンの専門店。5種類の魚のあらからとった出汁が特徴的な『あら炊き塩ラーメン』(800円)が定番メニューだ。このあらは日替わりでかわり、毎日店内に5種類の魚の名前が貼り出されている。スープは透き通っており、一口目から魚介のうまみが口いっぱいに広がる。麺は細ストレート麺。具材は鶏つくね、海老つみれ、しょうが、ネギが入れられている。スタッフに頼むと、柚子胡椒を入れて、味に変化もつけられる。
無化調でありながら、ボリュームのある一杯
JR恵比寿駅東口から徒歩5分ほど。少し路地裏に入った、ビルの1階に店を構える。つけ麺のスープは濃厚魚介系を無化調で仕上げている。麺は通常300g、極太麺で食べ応えがある。宮内庁ご用達の本みりんやもち豚を使ったチャーシューは脂身と肉のバランスがちょうどよい。つけ麺は『海老つけ麺』(850円)も人気。油そばはラー油と酢で味付けされたこってりな仕上がりで、味玉が丸々1つのり、チャーシューの角切りやカツオ節、ネギ、玉ねぎなどの具材が混ぜられている。特に、玉ねぎがよいアクセントになっている。無化調でありながら、こだわり素材をふんだんに使い、ボリュームのある一杯を楽しめる。
懐かしさの中に新しさが調和した和風ラーメン
千代田線千駄木駅から徒歩6分、谷中銀座商店街の近くに位置する『麺や ひだまり』。こちらは『麺屋 宗』など数々の有名店で修行を重ねた店主が作る無化調の『和風塩らぁ麺』(680円)が人気のお店だ。近江しゃもの濃厚な鶏スープと4種の煮干し、本枯れ節、羅臼昆布などでとった魚介系スープをあわせたあっさりと澄んだダブルスープに、三河屋製麺の中細麺が良く絡む。備長炭で炙ってから出されるチャーチューは肉の旨みをしっかりと感じるタイプ。表面には柚子の香味油がうっすらと漂い清涼感を感じさせる。懐かしさの中に新しさが見事に調和した和風ラーメンの新境地といえるだろう。
店名とは裏腹に、直球勝負の醤油と塩
西巣鴨とげ抜き地蔵通りの入り口近くにある、カウンター5席の店。『味自慢 中華そば』の文字の入ったのれんが目印。変わった店名であるが、提供されるのは変化球無しの直球の味を追求した一杯。味は醤油と塩の2本立てで、素材にこだわり、無化調で仕上げる。醤油味の『中華そば』(700円)は小麦100%の細麺に、古式醤油をベースにした王道の醤油ラーメンで、懐かしさを感じつつも、鶏出汁の香りが新しさも感じる一杯になっている。塩味の『地球の塩ラーメン』(800円)は魚介系をメインに動物系をまぜあわせ、4種類の塩ダレで仕上げる。魚介風味が香り、塩味のパンチが効きつつも、あっさりとした味わいが堪能できる。
天然本醸造醤油のふくよかな味わい
JR中央・総武線 東中野駅西口より徒歩2分の場所にある『好日』は、どこか懐かしさの残る佇まいで、地元の人々に愛されているつけ麺・ラーメン店。『つけめん』(700円)でも有名なお店だが、女性店主の作るあっさり体に優しい天然だしが魅力の『らあめん』(700円)も見逃せない。スープをすすると、はじめに天然本醸造醤油のふくよかな味わいの後に、出汁の煮干の風味が口の中にふわっと広がる。麺はもっちり四角い中太の自家製麺で、スープとのバランスが良い。食べ応えのある大きめの肩ロースチャーシューはしっかりめの味付けで、あっさり味の中でよいアクセントになっている。
女性にも人気、無かん水の小麦粉麺
東急東横線自由が丘駅より徒歩1分の店舗。提供されるのは『三年熟成醤油』(850円)、『しろ醤油』(850円)、『深煎りごまコク』(880円)の3種類の看板メニュー。麺は製麺所に特注しているという、かん水を使わない無かん水の小麦粉の麺を使用している。スープはどれも無添加、化学調味料を一切使用しない天然素材にこだわる。動物系の出汁と、昆布、カツオ節、椎茸、サケ節などを使用した魚介系の出汁を混ぜ合わせ、さっぱりしているがコクのあるスープに仕上がっている。具材には豚バラロールの薄切りチャーシュー、味玉、メンマ、三つ葉などがのる。女性でも気兼ねなく食べられる、安心の一杯に仕上がっている。まぐろの香味焼、味玉、チャーシューの入った、「三種入り」はおすすめ。
『ワンタンメン』も人気の神泉の無化調名店
神泉駅から徒歩5分ほど、無化調そして、あっさりの醤油ラーメンが味わえるのがこちら。水菜が乗ったスープは爽やかなのに奥行きがある満足行く味わい。お腹に余裕があれば密かな人気メニュー『ワンタンメン』をぜひ。
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