東京、オムライス15

浅草、銀座、中目黒などで味わう洋食の定番

Read this in English
東京、オムライス15選

卵料理ブームの昨今、とかくおしゃれなメニューに注目が集まりがちだが、日本に昔からあるオムライスもれっきとしたそのひとつ。卵の焼き加減はもちろんのこと、中のご飯の味付けや具材、そしてソースに至るまで、そのひとつひとつの組み合わせがオリジナリティとなって、全く違うオムライスが出来上がる。ほっと和むような昔懐かしいものから、驚きの匠の技、有名店の名物メニューまで、今東京都内で食べたい一皿を15軒を紹介する。


広尾 麻布食堂

閑静な住宅街の隠れた名店
雑誌のグルメ特集で、頻繁に名前が上がる有名店。この店はしっかり焼かれた卵でご飯を包みこんだ王道スタイル。『オムライス デミグラスソース』(945円)のご飯は、鶏肉や野菜をデミソースで炒めたもの。ソースは酸味が少なくやや甘みがあり、まろやかで上品な味わいだ。1000円以下ながら、高級店のような満足感を味わうことができる。オムライスのメニューは、他にケチャップソース・ホワイトソースの2種があり、各945円。
『麻布食堂』の詳しい情報はこちら


三越前 食工房 あらじん

トロトロ派におすすめの優しい味
店名が冠された『あらじんオムライス』(900円)は、タマネギや鶏肉、ハムなどが入ったケチャップ味のごはんにトロトロの卵がかけられている。周りにかけられたさらっとしたデミグラスソースは、本体の卵とは別に加えられた黄身とトロトロの白身が混ざり合うことで、絶妙な甘さのソースに生まれ変わる。それはまるでスープのような優しさ。ちょっと酸味の効いたケチャップライスと絡めて食べると、絶妙なハーモニーを奏でる。
『食工房 あらじん』の詳しい情報はこちら


東銀座 喫茶YOU

歌舞伎役者も虜になった名物オムライス
歌舞伎役者も通う喫茶YOUのオムライスは、独自の濃度に調整したホイップクリームを使っているという、バターの効いたオムレツが、シンプルなケチャップライスの上に乗ったスタイル。プルプルしたこのオムレツにスプーンを入れると、トロトロの半熟卵がお目見えする。ちょっと固めのケチャップライスを、溶けるような柔らかさの卵が口の中でまとめあげてくれる。『ランチ オムライスセット』は ドリンク付で1100円。
『喫茶YOU』の詳しい情報はこちら


仙川 ぱんぷきん

王道を極めた正統派にファン多し
仙川の西洋料理店、ぱんぷきんの『人気者の洋食屋さんのオムライス』(997円)は、薄く固めに焼かれた卵でケチャップライスをきれいに包んだ王道派。しっかり炒められたタマネギとマッシュルームが入ったご飯は、チキンの旨味がしっかり染み込んだ味わいで、控えめなケチャップ味が一層その旨味を引き立たせている。王道のオムライスを食べたい時に選びたい逸品だ。ソースはケチャップかデミグラスソースが選べる。
『ぱんぷきん』の詳しい情報はこちら


銀座 煉瓦亭

言わずと知れたオムライス発祥の店
110年以上の歴史ある煉瓦亭は、オムライス発祥の店としても名高い。『元祖オムライス』(1300円)は、広く知られているオムライスとは異なり、卵をあらかじめご飯や具材と混ぜて炒めてあるのだ。ミンチ、マッシュルーム、グリーンピースが入った「ライスオムレツ」とも言えるそれは、塩と胡椒だけで味付けされたシンプルなもので、卵の自然な甘みを引き立たてている。表面はやや固まっている状態だが、中の方は卵がトロトロだ。
『煉瓦亭』の詳しい情報はこちら


中目黒 キッチンパンチ

これぞニッポンの洋食、懐かしの味
中目黒駅の人気店の『オムライス(ケチャップ)』は、付け合せのキャベツの千切りと福神漬、味噌汁がセットで850円。ケチャップ味のチキンライスを丁寧に巻いた卵は丁度いい焼き加減で、ふんわりしつつも決してトロトロではなく、薄くもなく、まるで毛布でやさしく包んでいるかのよう。やや小ぶりに見えるが、卵に程良い厚みがあるので見た目以上に食べごたえがあり、味も量もすべてが丁度いいバランスで最後まで美味しい。
『キッチンパンチ』の詳しい情報はこちら


日本橋 たいめいけん

タンポポオムライスを生んだ名店
伊丹十三の映画『タンポポ」』で一躍有名となった店の代名詞的存在『タンポポオムライス(伊丹十三風)』(1850円)は、オムレツの真ん中に切り込みを入れてゆっくり開くと、ふわふわの半熟卵がまるで花開くかのように広がる。タンポポの花びらのように繊細かつキラキラと輝くような黄色で、目で見ても楽しめる逸品だ。しっかり味のついた、やや固めのケチャップライスを包み込む卵はとろけるような食感で、やさしい甘み。
『たいめいけん』の詳しい情報はこちら


四谷三丁目 キッチンたか

シェフの技が光る、焼き炒め料理専門店
わずか6席の洋食店、キッチンたかの人気メニューのオムライスは、ケチャップをかけた定番の『オムライス』(820円)に、チーズソースがかかった『白いソースのオムライス』(920円)、デミグラスソースをかけた『黒いソースオムライス』(920円)の全部で3種類。注文を受けてからシェフが一品一品丁寧に調理していく。カウンター越しに鮮やかに宙を舞いながら作られる自分の料理を眺めるのも、おいしさの秘訣だ。
『キッチンたか』の詳しい情報はこちら


浅草 グリルグランド

3代続く浅草の洋食店の味
昭和16年の創業以来、親子で受け継がれ3代続く浅草の洋食店、グリルグランドの看板メニュー『特製オムライス』(1700円)には、丹念に裏漉ししながら2週間コトコトと煮込んで作る秘伝のデミグラスソースがかかる。ビーフと野菜の旨みがたっぷりで、コクのある濃厚な味わいがなめらかな半熟卵に絶妙に合わさり、奥深い味わいを完成させている。料理にはサラダと漬物、食事の最後には紅茶かコーヒーがセットに。
『グリルグランド』の詳しい情報はこちら


赤坂 コート・ド・ルージュ

究極食材を使った絶品オムライス
『マキシム・ド・パリ』が手掛けるこのカフェ&ワインバーでは『極上オム・ルージュ』(1400円)を頼みたい。リアルオーガニック卵を使用したフワフワのオムレツの上にはトリュフがのり、芳醇な香りが楽しめる。合わせるソースは3種類。生クリームを加えたシャンパンソースとフレッシュトマトのソース、フォンドボーベースのソースがそれぞれの容器に入れて提供され、自分の好みで味を完成させていく。
『コート・ド・ルージュ』の詳しい情報はこちら


神保町 ビヤホール ランチョン

美味しい食事とハイカラな時間を楽しむ
100年以上続く神田のビアホール『ランチョン』の人気No.1の『オムライス』(850円)は、薄焼き卵を美しく巻いた昔ながらのスタイル。白ワインにバター、パルメザンチーズを隠し味に使いふっくらと仕上げたライスが、どこか懐かしい味わいだ。ビアホールといえども、食事メニューも豊富に揃っており、レストラン感覚での利用も可能。マイスターが注ぐ自慢のビール(620円~)とともに味わおう。
『ビヤホール ランチョン』の詳しい情報はこちら


恵比寿 チャモロ

驚きの豪華牛タンオムライス
恵比寿の人気店チャモロで、客の半数以上が注文するという『やわらか牛タンオムライス』(1500円)は、一目見たら忘れられないインパクト。手のひらほどの分厚く大きな牛タンが、ふわふわの半熟卵の上に乗せられている姿は感動ものだ。牛タンはスプーンで切れるほど柔らかく煮込んであり、デミグラスソースとペッパーライスとの相性も最高。アイデア料理の枠を超え、牛タンにオムライスがこんなに合うのかという驚きで満たしてくれる。
『チャモロ』の詳しい情報はこちら


本所吾妻 レストラン吾妻

各界の著名人も通う洋食の名店
レストラン吾妻で食べられる「ふわとろ系」の元祖ともいわれる『オムライス』(ランチ時 2500円)は、シェフが目の前でごはんの上に半熟状態のオムレツをのせた後、そっと割ることでオムレツが割れ、手品のように半熟卵がふわりとライスを覆う様子は圧巻。カウンター席で体験してほしい。価格はオムライスにしては高めだが、使用素材はすべてが極上品。量産されていない天日干しの米を使用する等、付け合わせまで手間隙かけた絶品揃い。
『レストラン吾妻』の詳しい情報はこちら


上野広小路 黒船亭

ジョン・レノン夫妻も訪れた洋食店
ジョン・レノン夫妻も足を運んでいたという黒船亭は、フレンチに精髄したシェフが作る洋食メニューに定評があり、デミグラスソースやシチューなど、ひとつひとつにこだわりが感じられる。根強いファンを持つという『オムライス』(1360円)は、美しい卵に包まれた正統派。チキンライスには玉ねぎや人参、マッシュルーム、鶏肉と共に、存在感ある大きな海老がゴロゴロと入っており、贅沢な気分にしてくれる。
『黒船亭』の詳しい情報はこちら


茅場町 新川 津々井

絵画のように美しいオムライス
「日本の洋食」を掲げる洋食店、新川 津々井。看板メニューの『トロトロオムライス(ハム)』(1350円)は、調理の段階で卵とごはんが混ぜ合わせてある一風変わったオムライスだ。ふわふわとした絶妙の混ぜ具合で、独特の食感が楽しめる。オムライスの上下には真っ赤なトマトソースとオレンジ色の生クリーム入りトマトソースが添えてあるので、2種類のソースを混ぜ合わせて自分の思い描く味を作ってみよう。
『新川 津々井』の詳しい情報はこちら

テキスト 河辺さや香
テキスト 美濃羽佐智子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

この記事へのつぶやき

コメント

Copyright © 2014 Time Out Tokyo