2012年12月19日 (水) 掲載
カニエと仲間が送り出す期待を裏切らない最高のトラック。Yeはラッピング(下着)を外すことをラップすれば、ジム・ジョーンズは夜明けまでパーティを続けると歌い、ビッグ・ショーンは相変わらず無口だ。ヒット・ボーイの魂を踊らすキレのいいビートと、自信家のチャーミングさは、自然にリズムに乗ってしまう。まさしくホリデイの贈り物のような一曲。
歌詞をきくのが面倒な人のために解説すると、聖歌を歌い、ツリーを飾り付け、恋人と過ごすことがスティーヴィーにとってのクリスマスだそうだ。だが一度はじっくりと歌詞を聞いてみてほしい。モータウンの詩のリズムとハーモニカのソロは、クリスマスクラッカーそのものだからだ。
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2009年にリリースされたボブ・ディランのクリスマス向けのチャリティーアルバム、「クリスマス・イン・ザ・ハート」は、不可解なことが多かった。だが「イット・マスト・ビー・サンタ」の曲とビデオだけでも、楽しくて立派な大義だったと思えるだろう。騒々しいアコーディオンと掛け合いは、トレードマークの怒鳴り声で歌う上機嫌な歌詞をさらに楽しいものに仕上げてくれた。
『Must Be Santa』含むアルバムをamazon.co.jpで見る
1953年のクリスマスのクラシック喜劇から数十年にわたって「セーブル」の意味が議論されてきた(黒テンの毛皮のコートのことだ)、アーサーのスイートなサンタへのセレナーデ。
『Santa Baby』含むアルバムをamazon.co.jpで見る
ソリが鳴らすベルの音が歌詞より多いが、インディーロックバンドのロウは1999年に前代未聞のことをやってのけた。クールなクリスマスソングを作ったのだ。ジャスト・ライク・クリスマスは、ローファイの、切ない近代のクリスマス讃歌だ。
『Just Like Christmas』含むアルバムをamazon.co.jpで見る
ベスト・コーストとウェーヴスの波乗りたちがコラボした、パワーディレイの素晴らしさが一目瞭然の一曲。ジョン・ルイスみたいに、プレゼントをもらうのも嬉しいが、あげるのも心からの楽しみだが、クリスマスの朝までは我慢すること。そうすればブリキ缶のチョコレート・ボンボンもさらに甘く感じられるはず。サニーとシェールがジャンジャン奏でるフォークポップにチャネリングして、この曲は愛らしい恋人っぽい魅力がたっぷりだ
古き良きマッカートニー。レノンの見事な政治発言(一日中ベッドに寝てる日もあっただろうが)をするのに対して、マッカートニーはチャーミングかつナイーヴなポップ作品をつくるマスターだった。クリスマスソングとしてはインパクトが小さいが、しつこく頭にこびりつくこともない。
『Wonderful Christmas Time』含むアルバムをamazon.co.jpで見る
ビング・クロスビーの42回目のクリスマス特番と、デヴィット・ボウイの古き良きアメリカンTVはもはや伝説だ。デヴィットがビングを執事と勘違いし、ビングがボウイの音楽のセンスをからかった後、二人は「ピース・オン・アース/リトル・ドラマー・ボーイ」のメドレーを一緒に歌う。結果は……もちろん驚異的だ。
『The Little Drummer Boy / Peace on Earth』含むアルバムをamazon.co.jpで見る
1960年代のガレージ・ロッカー、ザ・ソニックスはプレゼントがもらえなくて爆発させたエネルギッシュなお祭り騒ぎ。12月25日には子どもに戻ってしまうすべての大人におすすめだ。
『Don’t Believe in Christmas』含むアルバムをamazon.co.jpで見る
大学を出たての、独立心旺盛の女の子が理想と現実に打ちのめされるありさまをテーマにしたピアノバラード。プライドが高すぎるせいで家族に泣きつくこともできず、クリスマスは一人で部屋のナンキンムシを数えて過ごすはめに。「フェアリー・テイル・オブ・ニューヨーク」と同じく、カリフォルニアのシンセバラード歌手からの痛烈なクリスマスソングだ。
『Cold White Christmas』含むアルバムをamazon.co.jpで見る
原文へ(Time Out London)
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