2010年12月16日 (木) 掲載
クリスマスをロマンチックに過ごしたいなら、この映画。なにしろ、この1本で、様々なタイプの恋愛が“体験”できる。クリスマスを前にしたロンドンを舞台に、秘書に一目惚れしてしまった首相や、言葉の通じないメイドに恋する作家、女の子をモノにするためわざわざアメリカへ旅立つ若者など、9つの恋愛が同時進行。それぞれが時には絡み合い、ロマンティックな人間模様を織りなしていく。クリスマスに向けた、ラブストーリーの詰め合わせ。
日本のアニメーションが生んだ最高のクリスマスストーリー。公園で暮らすホームレスの3人、元競輪選手のギンちゃん、オカマのハナちゃん、そして家出娘のミユキは、クリスマスイブに捨て子を見つけ、母親を捜すために東京中を駆け回る。行く先々で巻き起こる様々な事件と、少しずつ明らかになる3人の過去。ストーリーテリングの巧みさに加えて、東京の様々な表情を描き出す緻密な作画も素晴らしい。監督は2010年に惜しくも亡くなった俊英、今敏。
ウェブ:www.sonypictures.jp/archive/movie/worldcinema/tgf/
誰でも知っているクリスマスソング『赤鼻のトナカイ』をもとにして、1964年にアメリカで製作された人形アニメ。今でもクリスマスにはTVで放映される人気作だ。歌の歌詞どおり、鼻が赤いことで笑いものになっていたルドルフを主人公にした物語だが、サンタの国で暮らす妖精やトナカイたちのデザインが、とにかくカワイイ。実はそのパペットを作ったのは、日本人スタッフだったとか。子供たちと一緒に『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と2本立てで楽しみたい。
サンタクロースの死体がゴロゴロと横たわっているところから映画は始まる。実は彼らはサンタ姿の盗賊団で、狙いはカジノだった。それがどうしてこんなことに……。刑務所で死んだ仲間になりすまして出所した男、宿命の女、二転三転するストーリー。クリスマスのサスペンスといえば『ダイハード』が有名だが、本作も聖夜に手に汗握る物語としてたっぷり楽しめる。監督は骨太な作風のジョン・フランケンハイマー。物語の鍵を握るシャーリーズ・セロンが美しい。
SFブームにわく1978年に、『特撮を一切使わないSF映画』として東宝が制作した問題作。世界中でUFOの目撃が相次ぐなか、UFOを見た人間はなぜか血が青くなってしまう。各国政府は青い血の人間を警戒するようになり、クリスマスイブに恐ろしい陰謀が……。脚本は『北の国から』の倉本聰で、監督は鬼才・岡本喜八。クリスマスらしからぬヘヴィで異色のSF映画だが、根強いファンも多い。ちなみに、『新世紀エヴァンゲリオン』のシトの血が青いのはこの映画からきている。
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