2010年11月17日 (水) 掲載
「読み方がわからない」「場所はどこ?」と話題になっていたライブハウス『WWW』が、渋谷スペイン坂上のランドマーク、シネマライズビルの地階にオープンする。読み方は“ダブリュダブリュダブリュー”、プロデュース担当はSPACE SHOWER TVだ。外観や地階へ降りる階段といった内装はほぼ映画館時代のまま使われており、一歩入れば、そこは誰でも一つや二つ思い出があるシネマライズ。だがバー・スペースを横切り、旧劇場への重い扉を開けると、元映画館の利点を生かして生まれたユニークなライブハウスが見えた。
フロアのキャパシティはオールスタンディングで400名。天井が高いため、感覚的には同規模のライブハウスよりもずっと広い。フロアは後方半分が階段状になっており、映画館の椅子があった場所をそのまま使用したことが伺える。これならば、たくさんの人がフロアのどこからでもステージをよく見ることができ、自分の前に高身長の人が来ても邪魔に思うことはないだろう。また、この形状はステージからも観客の顔をよく見ることができ、目の錯覚か観客がぐっとステージに迫ってくるようにも感じた。前方だけが盛り上がりがちな通常のライブとは違う、アーティストと観客全体との密なコミュニケーションが起こりそうだ。サウンド面では、ステージ周りに英国と同じ電圧240Vを採用し、通常100Vの日本では味わえないダイナミックなサウンドの実現を可能にしているという。ライブが行われていないのが残念であったが、こちらにも期待。一刻も早くバンドのライブを見たくなった。
「ジャンルにとらわれず、旬のアーティストをフィーチャーしていきたい」と、運営・制作マネージャーの中村眞一郎は語る。ステージには新品のピアノが置かれており、ピアノを軸にしたイベントシリーズ『Touch My Piano』の計画も進行中とのことだ。他にもBoris、熊谷和徳、Organic Groove、School of Seven Bellsなど、話題のアーティストやイベントの日程が発表済みだ。WWWは11月19日(金)、オープニングアクトに神聖かまってちゃんを迎え、いよいよオープンする。この公演のチケットは売り切れてしまったが、そこは音楽番組放送のプロのこと。生中継やライブストリーミングを使って、リアルタイムで配信される予定だ。かつて、ミニシアター系映画というブームを作った聖地で、再び新しいカルチャーが興ることに期待したい。
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