Josh Klinghoffer (2nd from left) with Dot Hacker band members
2015年02月11日 (水) 掲載
ジョシュ・クリングホッファー(Josh Klinghoffer)の1日は忙しいなんてものではないだろう。2009年よりレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)の常勤ギタリストであるだけでなく、2008年にクリント・ウォルシュ(Clint Walsh)、ジョナサン・ヒシュケ(Jonathan Hischke)、エリック・ガードナー(Eric Gardner)を従え結成されたDot Hackerのフロントマンをも兼務している。その他のメンバーも、Gnarls Barkley、The Shins、Tom Morello、Beck and Broken Bellsなど数多くのバンドで演奏しており、実はDot Hackerのメンバー全員がものすごく多忙だ。それでも彼らは2012年にデビューアルバム『Inhibition』、去年の『How’s Your Process』(『How’s Your Process? (Work)』と『How’s Your Process? (Play)』の2枚組)と、2枚のアルバムを発表し、さらにツアーにも乗り出した。そして今月、ついに東京で2公演を予定している。そんなジョシュに、バンドの両立や、最新アルバムの曲、およびジャケットに用いられたキラキラのカタツムリが乳首の周りを這うビジュアルについて話を聞いた。
ギタリストからフロントマンに移ってみて、居心地の悪さや違和感はありましたか?
ジョシュ:小さい頃から自分の居場所を知っていたかどうかはよくわからないけれど、ギターを始めて以来ずっとキャッチボールをしていたような感じだよ。
Dot Hackerでの活動は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのギタリストとしての役割に影響はありましたか?
ジョシュ:僕はシンガー兼作詞家として負っている責任感が好きだよ。今までの状況にいた時よりも、アンソニーのことをもっと理解できることにもつながる(といいな)と思う。今、僕は彼と同じような責任感を負っていると思うからね。いろんな人と仕事をしたり、ものを作ったりした経験がたくさんあればあるほど、自分の周りの人のことをよりよく理解できるようになると思うんだ。だから僕は、今2つのまったく異なるバンドで経験が積めてラッキーだと思っているよ。
ジョシュもほかのメンバーも様々な活動をしていますが、何かが起きてこのままではいられなくなったときはどうしますか?
ジョシュ:どうもしないよ。今後もこの2つのバンド活動を脅かしたり、選択を迫ってきたりする人はいないと思うからね。
Dot Hackerは実験的ロックバンドと呼ばれていますが、自身では何曲かをポップと呼んでいたり、アルバム内の曲もほかの音楽に影響を受けたようなものもありますよね。Dot Hackerの音楽をひとつのジャンルで表したい人もいるようです。
ジョシュ:ひとつのジャンルに絞るってどういうこと?なんか一晩中議論できそうな話題だね。もしある人が僕たちの音楽に影響を受けなかったとしたら、その人はもう2度とその音楽を聞く必要はないってことだと思うよ。僕は「反ジャンル主義者」なのかも。だってそんなのうんざりするよ。
乳首の周りを這う宝石をまとったカタツムリの画のジャケットが印象的ですね。
2枚組の『Work』と『Play』についてですが、まず全曲作ってからそれぞれを2枚に振り分け、それから更なるアレンジを加えているから、2枚ともそれぞれ違ったものになっていますね。
ジョシュ:2枚組にするかどうか決定される前に、全曲のレコーディングが終わっていたんだ。最初は45分間くらいの曲数を選ぶつもりだったんだけど、どれも捨てがたくて。土壇場でジョナサンが2枚組にするアイディアを提案してきたんだ。どの曲をどっちに振り分けるかについて、どれだけ話し合ったか思い出せないくらい議論を交わしたよ。『Play』が1枚目だっけ?もうそれすら分からないんだけど、1枚目はアルバムの核になるような曲を集めているよ。多才で円満な子どものような1枚。2枚目はというと、誰も理解できないけれども心に響いてきて最後には認めちゃうようなことを言い出す、少し特異な子どものようなもの。意味分かる?まあとりあえず聞いてみて。
今回Dot Hackerとして東京に来るのは初めてですが、以前にレッド・ホット・チリ・ペッパーズとしても来日していますよね。
ジョシュ:東京大好きだよ。何回かの来日でたくさんの素敵な経験をしたよ。今回の来日が7月じゃなくてほっとしてる。できる限りたくさんの人に会いたいなって思ってるよ。
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