映画へ行こう11/13公開作品

『クレイジーズ』『ハーブ&ドロシー』『K−POP』ほか

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映画へ行こう11/13公開作品

2009年末、日本で猛威をふるった新型インフルエンザの記憶も新しく、この時期公開することに意味のある作品が届いた。『バイオハザード』や『アイ・アム・レジェンド』、『28日後…』などのタイトルで知られる、日本でも人気の“感染パニック映画”だ。この種の映画で問われるのは「ほんとうに怖いのはいったい何か」。感染した人間を襲うアンデッドが怖いのか、パニックによって理性を失った人間が怖いのか、それともスクリーンの中だけのこと、と笑っている現代人が無関心さが怖いのか。

ストーリーの冒頭、ある小さな町に1機の軍用機が墜落する。そして搭載していた細菌兵器からウィルスが流出、川の水が汚染されてしまう。水を飲んだ人々は次々と凶暴化し、誰かれ見境なく人を襲いはじめる。平和だった小さな町は瞬く間にパニックに陥っていった。軍は事件を秘密裏に処理するため、住民を隔離。保安官のデヴィッドは感染者とみなされ隔離された妻を救出し、同僚のラッセルと脱出を計画するが、ウィルスが発症するまでの潜伏期間は48時間。ふたりは感染しているのか、いないのか。その頃、軍は町全体の焼却を計画していた。

この映画は、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に発表した『ザ・クレイジーズ』を、『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』のブレック・アイズナー監督がリメイクしたもの。この後いくつものリメイク依頼が来ている注目の監督だ。今作では“感染者も正常者もすべて証拠隠滅”と軍が町全体を包囲する様など、壮大なスケールで描かれ、見応えも十分に仕上がっている。

近年、こうしたホラー映画の名作リメイクが続いている。ジョン・カーペンター監督の出世作『ハロウィン』を、ミュージシャンで映画監督でもあるロブ・ゾンビが原作に敬意を払いながらも、映像や音楽などにこだわりオリジナリティ溢れるテイストでリメイク、2010年6月には続編も公開された。さらに同6月、ウェス・クレイブンの代表作で、夢の中から人々を襲う殺人鬼フレディーの『エルム街の悪夢』もリメイク、公開された。こちらはニルヴァーナ、グリーン・デイのミュージック・クリップを手掛けるサミュエル・ベイヤーがメガホンを取った。原作とリメイクを見比べて、それぞれの楽しみ方をみつけてみるのも良さそうだ。

クレイジーズ

公開:2010年11月13日(土)
監督:ブレック・アイズナー
製作総指揮・オリジナル脚本:ジョージ・A・ロメロ
キャスト:ティモシー・オリファント、ラダ・ミッチェル、ジョー・アンダーソン、ダニエル・パナベイカーほか 公式サイト:crazies.jp/


ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人

図書館司書として働く妻のドロシーの給料で生活しながら、郵便局員である夫のハーブの給料を、すべてアート作品購入にあて、30年間でおよそ2000点もの作品をコレクションした夫妻。1DKのアパートに溢れかえった、ふたりのコレクションは、そのほとんどが、ワシントンのナショナル・ギャラリーに寄贈されることとなる。ハーブとドロシー、彼らが交流を持つアーティストなどを丁寧に取材した佐々木芽生監督初となる長編映画、全米で最優秀ドキュメンタリー賞、観客賞など多数受賞し、評価されている。

タイムアウトのクロスレビューはこちら

公開:2010年11月13日(土)
監督、プロデューサー:佐々木芽生
キャスト:ハーブヴォーゲル、ドロシー・ヴォーゲル、クリストとジャンヌ=クロード、リチャード・タトル、チャック・クロースほか
ウェブ:www.herbanddorothy.com/jp/


劇場版 3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪ 母大暴走!

(c)ママレード / シンエイ動画・メディアファクトリー・テレビ朝日・ADK 2010

父、母、みかん、ユズヒコのタチバナ家4人に起こる、日常の「あるある~」な出来事をほのぼのと描いた人気コミック『あたしンち』。新聞紙上で16年に亘って連載され、10月に発売された最新刊ではシリーズ累計1000万部を記録したベスト&ロングセラーが、まさかの3Dでスクリーンに登場する。映画版では、母が雷に打たれて超能力者に。ラッキーとばかりに超能力で家事をササっと済ませるも、それだけでは飽きたらず、ついに『エスパーママン』に変身。街の人々を助ける超ビミョーなヒーローが大暴走する。

公開:2010年11月13日(土)
監督:高橋渉
配給:東映
公式サイト:3d-atashi.jp/


燃える闘魂アントニオ猪木50年の軌跡

(c)2010テレビ朝日

『アントニオ猪木デビュー50周年記念DVD-BOX』の発売を記念して、数々の名勝負やインタビュー、秘蔵映像たっぷりで構成される劇場公開版だ。1960年9月30日、台東区体育館。この日、のちに日本を代表する伝説のプロレスラー、アントニオ猪木が誕生した。あれから50年、今も、熱く胸に宿る“燃える闘魂 アントニオ猪木”の数々の激闘がスクリーンに蘇る。“闘魂”の原点から伝説の男になるまでの軌跡を焼き付けよう。

公開:2010年11月13日(土)
キャスト:アントニオ猪木ほか


K-POP DREAM CONCERT-History '07-'09

(c)韓国演芸制作者協会

1995年のスタートから、毎年約7万人の観客動員数を誇る、韓国最大級の音楽イベント『ドリーム・コンサート』。プロジェクト第1弾は、本邦初公開の映像を含む、2007年から2009年までの厳選された貴重なライブ映像を収録。日本でいまだ不動の人気を誇る東方神起をはじめ、人気急上昇中の超新星、少女時代やKARAといった女性グループも出演。今が旬の豪華アーティスト陣のパフォーマンスを、臨場感溢れる大型スクリーンで楽しむ。

公開:2010年11月13日(土)
キャスト:東方神起、SUPER JUNIOR、SS501、少女時代、KARA、超新星ほか
ウェブ:dreamconcert.brokore.com/

テキスト 粕谷みさを
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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