映画へ行こう 9/25公開作品

『おにいちゃんのハナビ』『TSUNAMI -ツナミ-』ほか

映画へ行こう 9/25公開作品

2005年10月、新潟県中越地震からの1年後を見つめたドキュメンタリー番組が放映された。番組は復興途中の新潟を舞台とし、400年の伝統と世界一の花火を誇る小千谷市片貝町の片貝まつりを軸に作られていた。その中のあるエピソードに心を打たれた国本雅広監督が映画を企画。成人を迎える兄が亡き妹のために、1年をかけて準備をし、地元の祭りで花火を上げるというストーリーだ。主人公で、半年の入院生活を終えた華(ハナ)を待っていたのは、兄・太郎の“引きこもり”だった。自分の部屋に閉じこもりきりの息子に為す術がない両親をよそ目に、華は半ば強引に兄を連れ出そうとする。社会復帰のためにとアルバイトを見つけ、そして次に、片貝まつりの成人会に入部させようとする。そうした華の努力が少しずつ実り、以前の優しい太郎に戻っていくが、今度は華の白血病が再発。毎日見舞いに行くうちに、太郎は、華にとって花火がしあわせの象徴であることを知り、自らある行動を起こす。

この映画にはいくつもの感動がある。主人公である兄妹の深い絆もさることながら、一年に一度、雪国の小さな町に暮らす人々の花火に託す想いの数々。企業のスポンサーが上げるのではなく、この祭りの花火の1発1発は、町民が子供の誕生や成人、還暦などを祝して打ち上げる。映画にも様々な事情で花火を上げる家族のエピソードが描かれ、その数の分だけ夜空に美しい大輪の花が咲く。

また映画の中に出てくる成人会とは、地元の中学校を卒業するときに結成する花火を上げるグループで、成人(20歳)、33歳、42歳、還暦(60歳)と、人生のうち4回の花火をこのグループで上げるという、一生を通じてつきあっていく絆も描かれている。

おにいちゃんのハナビ

公開:2010年9月25日(土)
監督:国本雅広
キャスト:高良健吾、谷村美月、宮崎美子、大杉漣、佐藤隆太ほか
配給:ゴー・シネマ
ウェブ:hanabi-ani.jp/

TSUNAMI -ツナミ-

毎年、多くの行楽客が楽しむビーチ。ひとりの地質学者が異変を感知していたが、メガ津波が発生。家族や恋人との団らんの時間は一瞬にして恐怖に陥れられる。韓国実力派のソル・ギョングとハ・ジウォン共演のディザスタームービー。

日本公開:2010年9月25日(土)
監督・脚本:ソル・ギョング、ハ・ジウォンほか
配給:CJ Entertainment Japan、パラマウント ピクチャーズ ジャパン
ウェブ:www.mega-tsunami.jp/

メッセージ そして、愛が残る

『時空を超えて』のギヨーム・ミュッソのベストセラー小説を映画化。彼の妻に『ハート・ロッカー』のエヴァンジェリン・リリー、ミステリアスな医師をベテランのジョン・マルコヴィッチが熱演する。

日本公開:2010年9月25日(土)
監督:ジル・ブルドス
配給:日活
キャスト:ロマン・デュリス、ジョン・マルコヴィッチ、エヴァンジェリン・リリーほか
配給:松竹
ウェブ:www.message-movie.com/

十三人の刺客

時代劇の名作『十三人の刺客』を三池崇史監督がメガホンを取り、江戸幕府史上最悪の暴君を暗殺するため、13人の刺客たちが命を懸けた一世一代の戦いを挑む。

公開:2010年9月25日(土)
監督:三池崇史
キャスト:役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太、高岡蒼甫、内野聖陽、岸部一徳、松方弘樹、吹石一恵、谷村美月、斎藤工、阿部進之介、光石研、松本幸四郎、稲垣吾郎、市村正親ほか
配給:東宝
ウェブ:13assassins.jp/

テキスト 粕谷みさを
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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