フジロック2010 インタビュー6

レッドマーキーを盛り上げた親日派バンド、マイク・スノウ

フジロック2010 インタビュー6

マドンナ、カイリー・ミノーグ、ブリトニー・スピアーズなどの大物アーティストから、UTADA、BoA、クリスタルKなどのJ-POPアーティストにまで楽曲を提供、またプロデュースを手がけているBloodshy&Avant。そのメンバーであるクリスチャン・カールソンとポントゥス・ウィンベリに加え、アンドリュー・ワイアットが参加したバンドがマイク・スノウだ。肩の力が抜けたナチュラルなスタンスから生まれるダンスポップミュージックは、キャッチーで踊れる。フジロック2010のレッドマーキーでも、多くのオーディエンスをバウンスさせていた。実はかなりの日本通である彼ら、バンド名の由来は必聴だ。

初めての日本でのライブですが、日本のオーディエンスに対して、どういうイメージを持っていましたか?

クリスチャン:「日本のお客さんは礼儀正しくて静かだよ」と聞いていたけど、実際は、踊ったり騒いだりしてくれてすごく良かったよ。

これを見せようという趣旨は何かあったんですか?

クリスチャン:常に、ショーでは新しい要素を意識しているんだ。曲順などはある程度ゆるい縛りにしておいて、盛り上がり方に応じて違うシナリオに変えていく。つまり、毎回異なるショーが見られるってわけ。

ポントゥス:1975年にスキーのワールドカップで、僕らと同じスウェーデン人のステンマルクが大回転で優勝したんだ。その舞台が苗場。僕らは1975年生まれだし、今日のライブはステンマルクへのトリビュートも兼ねているんだよ(笑)。

苗場といえば、そのイメージなんですね(笑)。そんなスキー競技からは全く想像できない、真っ黒でタイトなジャケットで全員統一していましたが、暑くなかったですか?

アンドリュー:かっこいいだろ。暑さより見た目が重要だよ!

クリスチャンとポントゥスさんは、Bloodshy&Avantとして他アーティストへの楽曲提供やプロデュースワークも数多くこなしていますが、自分たちの曲との違いはありますか?

ポントゥス:この『Miike Snow』というアルバムは、あまり深いことを考えず、自然発生的に生まれたもの。それに対して、人に曲を書くというのはやはり職業的だよ。

クリスチャン:サービスであり、奉仕の精神もある。仕事としてきちんとやっているよ。自分たちのバンドはもっと感覚的だし、仕事という意識ではないよね。

曲はどうやって作っているんですか?誰かがデモを作るんですか?

アンドリュー:作り込んだデモを持ち込むことはないね。基本的には、3人が同じ部屋で一緒に作るよ。もちろん、ひとつのメロディとか、ピアノやギターの旋律など小さなアイデアは持って行くけどね。

3人一緒に、そして自然に生まれたということは、3人が普段遊んでいる場所や聴いている音楽は似ているんですか?

クリスチャン:確かに近い部分はあるね。もちろん全然違う趣味もあって、そういう個性が融合してマイク・スノウらしさが生まれているんじゃないかな。

バンド名、Miike SnowのMiikeは、通常よりiがひとつ多いですよね。ローマ字読みするとミイケになります。これは日本の映画監督である三池崇史さんからきているというのは本当ですか?

ポントゥス:そうだよ。『ビジターQ』や『殺し屋1』が好きなんだ。

アンドリュー:ここ数年、日本のホラーやサスペンスタッチの映画がハリウッドからも注目されているからね。

クリスチャン:イーライ・ロスやクエンティン・タランティーノも絶対に影響されているはずだよ。

かなり日本のカルチャーに精通していますね。他に好きな日本のカルチャーはありますか?

ポントゥス:ジブリ映画は欠かせないね。娘が『となりのトトロ』が大好きなんだ。あとは黒澤明の『乱』もいいよね。

アンドリュー:僕の最高のヒーローは総合格闘家の桜庭和志だよ。ホントに大好きなんだ。以前に桜庭を見に日本に来たことがあるんだ。サクッ!

他に、日本で行きたいところはありますか?

ポントゥス:川村記念美術館に行きたいね。あと温泉に行って、猿と一緒に入りたいよ。何かの映画でそういうシーンを見たことがあるんだ。

猿と一緒となると、結構な奥地まで行かないとダメかもしれませんね。次回の来日には、温泉にもゆっくりと浸かってください。


『Miike Snow』
発売中
レーベル:DOWNTOWN/HOSTESS
1980円(税込み)

テキスト 大草朋宏
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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