映画『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』レビュー

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(C) 2014 BBP IMITATION, LLC
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『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』タイムアウトレビュー

実話に基づいた同作は、『イミテーション・ゲーム』は、数学者アラン・チューリングの悲劇的な人生を描いたドラマである。チューリングは、第2次世界大戦中にブレッチリーパークで、ナチスのエニグマ暗号を解読するために雇われ、1940年代の短い期間に暗号解読に成功し、イギリスに貢献した人物だ。

チューリングの戦時中の業績は、最高機密として隠されていたため、1950年代始めに、同性愛だということで有罪とされたときにも、何の助けにもならず、すでにもろかった精神は崩壊してしまった。そんなチューリングを演じた、ベネディクト・カンバーバッチは、変わり者の天才役を多くこなしている。今作では、ほかの出演作品よりも複雑で、難解な演技を披露していた。劇中で、「誰にも思いつかない人物が、誰にも思いつかないことをやってのけたりするんだよ」を繰り返し、テーマを詳細に説明するのだが、カンバーバッチはこのテーマの単純さを寄せ付けていなかった。彼の演じるチューリングは不器用で、決然としていて、時にはおかしいほどよそよそしい (これは、彼の演じたスティーブン・ホーキング、ジュリアン・アサンジ、シャーロック・ホームズにもたやすく流用できる表現であった)。

この映画は、チューリングの人生における3つの節目を教えてくれる。学生時代、戦時中の功績、そして1950年代初頭の晩年だ。1951年にチューリングの自宅に押し入った、怪しげな刑事ロニーに向かって、時折ナレーションでチューリングの人生が語られる(しかし、この刑事の好奇心により、わいせつ罪で告発されてしまう)。彼の話の3本柱である性、科学、そして自殺については寡黙で、混乱するような詳しい出来事に入り込むよりも、ただそれらにうなずいているだけのようであった。

その代わり、群像劇、チームワークのドラマとして心地よい、戦争中とブレッチリーパークでの月日を流し続ける。映画『ヘッドハンター』のモルテン・ティルドゥム監督と総指揮のグレアム・ムーアが描き出したのは、チューリングの同僚たちとの初期の対立や、つかの間の婚約者であった暗号解読者のジョーン・クラーク (キーラ・ナイトレイ)との友情だ。そして、最も感動的、啓発的で甘いシーンは、アレックス・ローサーが素晴らしい演技を披露した、同級生に恋をしている、精神的にもろく、どもりがちな学生時代のチューリングだろう。

今作が伝えようとすることを理解するのに、チューリングの推理力のようなものは何も必要ない。暗号における道徳、性、社会、ドイツなど様々な反復されるモチーフが、明瞭に説明されている。幸運なことに、それはカンバーバッチの嵐のような演技に集約されていた。エンディングロールの後も長い時間、彼の仕事を解読し続けることになるだろう。

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『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』

2015年3月13日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか 全国ロードショー

監督:モルテン・ティルドゥム
脚本:グレアム・ムーア 
原作:アンドリュー・ホッジス『Alan Turing : The Enigma』
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、マーク・ストロング
配給:ギャガ
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テキスト デイヴ・カルホン
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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