2012年12月20日 (木) 掲載
始発が走るまでどこかで腰を落ち着けたい、したたか飲んだ後にどこかで〆たい、徹夜明けでヘトヘトだけれど帰宅前にちょっとガスを抜きたい、とにかく朝から酒をかっくらいたい……。24時間営業の店を利用するには、人それぞれさまざまな理由がある。全国展開、24時間どこでも同じものを食べられるファミレスの便利さと安心感もいいが、ここでは、そうした画一的な利便性とはちょっと違った個性のある、都内で24時間営業している美味しい店を紹介する。
赤坂にある『ソルロンタン』専門店。牛骨や内蔵類をじっくり煮込んだ白濁スープのソルロンタンは、奥行きのあるやさしい味わいで、卓上に備えてある塩とコショウで味をととのえて食す。まずはスープをそのまま味わい、その後カクテキやキムチなどを加えて味の変化をつけるのがおすすめだ。最後にご飯を投入すれば、お腹の底から満足するはず。風邪のひきはじめや、飲み終わりの〆などに体をやさしく癒してくれる味だ。
もしも真夜中に無性に北京ダックを食べたくなったら、ここしかない。24時間営業でチープに食事ができる中国料理店として人気の店だが、六本木本店では、場所柄もあってか深夜や早朝でも北京ダックのオーダーが入る。注文してから20〜30分ほどかかるため、豊富に揃う小皿料理(210円〜)をつまみながらゆっくり紹興酒を飲みつつ待とう。本格的な北京ダックとは言い切れないものの、気軽に楽しめるという点ではおすすめ。
池袋西口の繁華街で八丈島料理と酒を楽しめる店。アシタバや生キクラゲ、トビウオ、ムロアジのくさやなど、八丈島特産の素材を使った料理が多く、八丈島直送の鮮魚の刺身のようなオーソドックスなものから、くさやをアンチョビに見立ててトッピングに使った『八丈ピザ』といった変わりだねまで、酒のあてには事欠かない。また、黄八丈や磯むすめなどの八丈島の焼酎、青ヶ島名産の青酎といった焼酎の品揃えも豊富。深夜または昼過ぎから酒を飲むことに罪悪感を感じるならば、アシタバの粉末を加えたヘルシーな『あしたばハイ』でミネラルを摂取しながら酔ってみるのもいいだろう。
24時間営業、マグロの解体ショーなどで知られる、築地に本店を構える『すしざんまい』だが、渋谷にも2店舗展開している。東急本店近くの店舗に比べると、渋谷駅すぐ向かいにある東口店は2フロアでゆとりがある。握り以外に『鮭のハラス焼』や『まぐろのユッケ』といった一品料理も豊富で、少しつまんだ後に握りを数貫だけ食べたいという時には重宝する。
鴬谷駅出てすぐという好立地の『信濃路』は、朝も早くからほろ酔いの客も目立つ、まるで飲める食堂とでも言うべきゲットー感漂う大衆酒場。『しらたき煮』や『どて焼』、『アジフライ』など定番おつまみが豊富に揃うメニューは500円以下が中心。ナポリタンを頼むと味噌汁がついてくるあたりが、レトロ感満載だ。腰を落ち着けてプチ宴会と決め込むのなら、奥の掘りごたつ席がおすすめ。
2014年5月に惜しまれつつも39年の歴史に幕を下ろした新宿の喫茶店、珈琲貴族エジンバラが復活。旧店舗と同じく、24時間、年中無休で営業を行う。席数は倍の126席に増え、全席に電源を完備。無料Wi-Fiもある。サイフォンでていねいに淹れた同店こだわりのコーヒーが忘れられない人は、あの味が再び味わえる喜びを噛み締めてほしい。
店内喫煙可
韓流好きの間では広く知られる韓国料理店。店内の壁は来店した韓流スターや日本の芸能人のサインが所狭しと貼られており、昼、夜、深夜、早朝と客足が絶えない。『カムジャタン』や『ブデチゲ』といった鍋料理から、『ケランチム』や『チヂミ』などの一品料理、焼き肉まで、圧倒的なメニュー数で、14品構成のコース(3,500円)などもあり、大人数での利用がおすすめ。
渋谷マークシティ脇にある、黄色いテントが目印の『山家』は、隣り合う本店と支店を合わせれば席数が300を越えるという居酒屋。焼鳥や、もつ焼きなどの炭火焼がメインだが、『ポテトサラダ』や『たこぶつ』といった定番おつまみもいろいろ。10時〜18時の間であれば生ビールをはじめ一部のドリンクが250円と泣ける価格設定で、料理の質にばらつきがあるものの、立地と24時間営業、昭和らしい雰囲気は魅力でもある。
渋谷、東急本店向かいにある24時間営業の蕎麦店。店内の石臼で製粉する十割蕎麦は、24時間営業のチープイートの店としては革命的なおいしさで、細麺と太麺のいずれかを選ぶことができる。テーブルに置かれるワカメが取り放題なのもうれしい。明け方、さんざん飲んだ後の〆に立ち寄ると、すでに出勤前の腹ごしらえに蕎麦をたぐる客と隣り合わせになると、なんとも切ない罪悪感を感じることもあるが、繁華街で常にかけこめる頼りになる店だ。
六本木交差点からほど近く、外苑東通り沿いにあるトルコ料理店。深夜でも早朝でも、陽気なトルコ人スタッフが気さくに話しかけてくるのが目印。飲み歩き途中に人気の『ビーフケバブ』をパクつくのもいいが、シロップがたっぷり染み込んだトルコの定番ひとくちパイ『バクラヴァ』で深夜の糖分補給するのもいい。トルコの朝ごはんの定番、トマトの入ったスクランブルエッグ『メネメン』もあり。
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