幻の手羽先(世界の山ちゃん)
2012年11月29日 (木) 掲載
B級グルメフェアやアンテナショップの隆盛とともに、近年再び注目を集める名古屋めし。手羽先で知られる『世界の山ちゃん』のチェーン展開は勿論のこと、最近では『コメダ珈琲』の東京進出も話題となった。代表的な名古屋グルメが出揃ってきたところで、タイムアウト東京編集部は名古屋めしを東京で日々伝導する名古屋めしエヴァンジェリスト氏と「東京で楽しめる名古屋めし」を食べ歩き、ピックアップした。
名古屋の中心街を訪ねると、碁盤の目のように張り巡らされた通りのコーナーごとに、デパートと大衆居酒屋、高級ブランド店と昔ながらの喫茶店が交差するように現れる、超フラットかつ雑多な構造に驚くのだが、これに倣って、ひつまぶしから台湾ラーメン、小倉トーストまで幅広く、出先ごとに名古屋めしとの邂逅を楽しんでほしい。
品川駅にある名古屋生まれの居酒屋『風来坊』は手羽先から揚げの元祖として知られる名店。パリっとした食感を出すため二度揚げされた手羽先は、胡椒が効いたスパイシーな味わいで一度食べだすと止まらない。他にも手羽に餃子の餡をつめた『手羽餃子』やどて煮、味噌かつ、天むすなど個性豊かな名古屋名物が楽しめる。
西武新宿駅から徒歩一分の所にある名古屋生まれの居酒屋。人気メニューである『幻の手羽先』は秘伝のたれとピリリとした胡椒が味の決め手となっており癖になる味。また、メニューは王道物の枝豆やほっけから、名古屋名物味噌カツ、どて煮など多種多様。価格もお手頃な為何人かでシェアするのもオススメ。
味噌カツで有名な名古屋の矢場とん、その分店が銀座にある。名物と言うことで『わらじとんかつ』を選ぶ方が多いのだが量が多いのとコストパフォーマンスを考えると名古屋の人間は『ロースとんかつ定食』を食べることが多い。肉はやや平べったく、衣は名古屋で食べたモノよりも厚くなく食べやすい。全体に同店のウリである味噌がかかっておりとてもご飯が進む。ただ、味噌と言ってもそこまでしつこく、コッテリとしていないので女性やお子さんにも食べやすいと思われる。恐らくそこも東京流にアレンジされているのかもしれない。
渋谷・神南1丁目にある名古屋コーチンにこだわった居酒屋。てごねのつくね、コーチンの炭火焼、名古屋名物手羽先、モツ鍋、名古屋コーチンのひつまぶしなど、鶏づくしの料理が楽しめる。飲み放題付きのコース料理も手頃な値段で、数種類用意されている。
名古屋に本店を構えるため、本場仕込みの“ひつまぶし”を提供できる、東京では数少ない店舗のひとつ。蒸さずに焼き上げるため、表面がパリッと香ばしく、たっぷりとしたボリュームも本場ならではだ。東京でひつまぶしを味わうなら、まずここは外せない。
東京で唯一となるあんかけスパゲティの専門店。『カレーハウスCoCo壱番屋』の別ラインでもある同店はカレーと同様に気軽に名古屋名物のあんかけスパゲティが食べられる店舗でもある。あんかけスパゲティの伝統的なスタイルである太麺をラードで炒め、数種の野菜と牛肉を煮込んだスタイルは名古屋にあるそれと変わりない。本気のあんかけスパゲティは名古屋人に合うように味付けも濃厚だが同店はサッパリとしていて気軽に楽しめるようになっている。具も色々なトッピングが可能で個性的なあんかけスパゲティを作ることが可能だ。
特筆すべきはコショウの量を選べるところだろうか。あんかけスパゲティはかなりの量のコショウが入っているので苦手とする人も多いのだが調整が可能なのでマイルドに食べたい人もガツンと食べたい人にも嬉しい。また、野菜を入れると水分が出て餡が薄まるので健康を気にせず肉や揚げ物を中心にトッピングして欲しい。
秋葉原より少し外れ、和泉小学校から1分ほどの路地にある、名古屋名物“煮込みうどん”の専門店。大正14年に名古屋で創業して以来、研究と改良を重ねて作り上げた、コシとコクのある味噌煮込みうどんを楽しむことができる。看板メニューは、葱、油揚げ、カマボコの入った『普通煮込み』(980円)。熱々の土鍋のような器をあければ、湯気の中はダークブラウンの味噌煮込みスープの世界。岡崎産八丁味噌と名古屋産白味噌を調合して作った濃厚なつゆと、100%国産小麦を使用した太麺の強力な歯ごたえを楽しみながら、葱や蒲鉾で味を中和する。つゆはかなり濃厚なので、一見の方はご注意を(逆に辛党の方はテーブルの一味、七味をブレンドするといい)。
東京で数少ない台湾ラーメンが食べれるお店。台湾ラーメンとはいわゆる激辛ラーメンの1つで鶏ガラスープの中華そばの上に豚ミンチ、ニンニク、鷹の爪、ニラなどを沢山載せ、それがスープに染みこみ独特の味わいを醸し出す名古屋の名物だ(台湾が発祥ではない)同店は名古屋でも大手の味仙の次に有名な『ゆきちゃんラーメン』ののれん分けと聞いて期待が高まる。店内は屋台のような趣でよく言えば味がある、『ゆきちゃんラーメン』と同様に、おでんも売りの1つのようで、こちらはセルフで食べることができる。ここでは、名古屋で食べるモノよりも若干辛さ抑えてマイルドにしてあるようだ、おそらくこれなら辛いモノがそこまで得意じゃなくても食べれるだろう。ただ同店では辛さやニンニクの量を5段階で調整可能なようで自分の好みに合わせてカスタマイズさせてくれるので、名古屋人にも美味しく食べれるだろう。
ドリンクに豆菓子がついたり、クリームソーダがブーツ型のグラスで出てきたり、関東ではなじみのない喫茶スタイル。温かいデニッシュと冷たいソフトクリームの取り合わせがユニークな看板メニューの『シロノワール』は是非一度食べてみてほしい。
淡路町駅、A3出口を出て神田川方面へ5分ほど、老舗そば店『かんだやぶそば』の向かいにある。店内に散りばめられた木彫りの装飾や、壁に飾られたステンドグラス、低いテーブルとソファなどの店構えが、古きよき時代を感じさせる喫茶店だ。小倉トースト、あんプレスは、バターをたっぷりと塗ったトーストで、つぶあんをサンド。カリっとした食感と、バターの塩分、つぶあんの甘さが絶妙なバランスで美味い。
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