用心棒
2013年06月03日 (月) 掲載
「ニンニクいれますか?」このコールを聞いただけで、胸が躍る……。
「二郎とは“ラーメン”ではなく、二郎という“食べ物”である」とも言われるように、これに魅せられた人は後を絶たない。それだけに、二郎は絶対無二の存在でもある。本記事タイトルにある“二郎インスパイア系”とは、二郎のまねごとではなく、二郎に魅せられた男たちのロマンを感じられる店のことを指している。
とはいえ、昨今ではこうした店が乱立しすぎた感も否めない。そこで、今回はラーメンハンターが厳選に厳選を重ねた、二郎の味を進化させ、クオリティの高さを誇る店舗を20軒紹介したい。
濃厚でいて後を引くベストバランスな一杯
駒場東大の東大技術研究センター並びにある千里眼では、濃厚度はトップクラスといってもいいほどのラーメンが特徴。分厚い豚に、食感よく火を通したモヤシ、極太の縮れ麺というパンチの効いた一杯は、濃厚で旨味たっぷりでいて、食べ進めるごとに後をひく絶妙な味わい。トッピングは、ニンニク、野菜、辛揚げ(天かすを2種の唐辛子で味付けしたもの)がある。
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二郎インスパイア系の雄
見た目は二郎のようでいて、マイルドかつクリーミーに仕上げた豚骨醤油味のスープは、二郎というよりは、家系に近い味わい。麺は浅草開花楼の極太麺で、顎をフル稼働させるほどの食べ応えがある極太さ。そこにモヤシ8割、キャベツ2割という野菜が載り、柔らかい豚が添えられる。本家の二郎にボリュームの点では若干負けるものの、営業時間が長いこともあり、使い勝手がいい。
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独自のハイクオリティ
宇田川町にある凛では、『しょうゆ』(800円)だけにとどまらず、『味噌』(800円)、『カレー』(900円)、『カレーチーズ』(1000円)、『ポン酢』(800円)など幅広い味が楽しめる。おすすめはカレーソースの上にチーズが載った『カレーチーズ』と、旭ポン酢を使ったさっぱり味の『ポン酢』。いずれもシャキシャキのモヤシ、コシのつよい太麺によく味が絡み、不思議なほど箸が進む。
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豊富なトッピングがうれしい
堀切系と呼ばれる「ラーメン大」のチェーン店で、2001年までは「ラーメン二郎蒲田店」として営業していた。メニューは二郎亜流の定番『らーめん小』(650円)、『つけ麺小』(750円)、『塩らーめん小』(650円)、『油そば』(850円)がある。追加の有料トッピングは、豚増し、玉ねぎ、味玉、生卵、メンマ、キクラゲ、節粉、ネギなど。
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腹が減ったら迷わずここへ
旧店名「昴神 角ふじ」時代から根強いファンを持つ、二郎亜流系のラーメンが楽しめるこの店では、店先の看板に「腹が減ったらうちにこい」と掲げているだけあり、二郎インスパイアの中でも圧倒的なボリュームを楽しめる。野菜の量はなんとデフォルトで400g。食べ残し厳禁。
『鶏とふじ』の詳しい情報はこちら
女性にもおすすめのマイルドな一杯
二郎を少しライトにしたスープは、臭みがなく、独自の旨みを感じる。麺は黄色の中太麺で、モヤシ、チャーシューの他に、鶏そぼろが載る。『醤油』や『鶏白湯』も美味しいが、おすすめは味噌。どろどろ系の味噌だが、くどすぎず、ニンニクとの相性も抜群。濃厚でとろみがあり、何度も口に運んでしまうスープには旨みがあり、マイルド。程よい量も嬉しい。
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絶品の油そば
非乳化系のスープで、二郎よりもやや軽めではあるが、しっかりと豚の味が出ているスープは美味。平打ちの縮れ麺、バラ肉の豚チャーシュー、直前に炒めるシャキシャキした食感を残したモヤシがアクセントとなっている。二郎亜流のなかでオリジナリティのある味だが、特にこの店の特徴が出ているのが『油そば』(800円)。しっかりと混ぜ込んで食べるこの一杯には、生玉子、ほぐした豚が載り、これが絶品。
『髭』の詳しい情報はこちら
和風テイストの一杯
二郎亜流系の店舗だが、目玉の『辰醤油らーめん』(700円)には、鰹節やタマネギ、煮玉子が載り、やや和風の味わいで、二郎インスパイアの中でもその独創性が際立っている。醤油スープの味はやや薄めだが、脂が多くてこってりしているのが特徴。二郎系というよりも、もはや「辰屋」オリジナルの一杯といった方がいいかもしれない。
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男っぽさ満点
駒沢大学と三軒茶屋の中間あたりにある蓮爾では、がっつり系の一杯が楽しめる。旧ラーメン二郎町田店の流れを汲んでおり、スープは二郎に近い乳化系の濃厚スープ。麺は平打ちの超極太麺で、スープとの相性も抜群。そして、特徴的なのはゴロッとボリューム満点の豚で、ボリューム感と店の佇まいともに男っぽい店だ。
『蓮爾 さんこま店』の詳しい情報はこちら
高クオリティの二郎亜流系
農大一校近くにあるこの店は、しっかりと肉の旨みを蓄え、食べ応えのある肩ロースの豚と、もっちりとコシのある平打ちの自家製麺が特徴だ。スープは豚骨のコラーゲンがすっかり乳化しており、まろやかで舌に絡みつく。ニンニクはコールではなく、トッピングとして卓上に置かれている。見た目はいわゆる二郎系だが、その中でも頭ひとつ抜け出る実力店と言える。
『らーめん陸』の詳しい情報はこちら
がっつり系まぜそば
東京駅直結のラーメンストリート内にあるこの店は、極太麺と濃厚スープを混ぜて食べる『まぜそば』(750円)がユニーク。フライドガーリック、チーズ、ニンニク、生卵、脂などの豊富なトッピングが特徴で、極太麺との食感の対比が面白く、そのボリューム感もまた満足度が高い。
『ジャンクガレッジ』の詳しい情報はこちら
あっさり、優しい二郎系インスパイア
電気街をちょっと外れたところに位置する影武者では、二郎らしい醤油辛いスープだが、比較的あっさりした優しい印象の味わいが特徴。厚切りのチャーシューは柔らかく、1枚ごとに70円で追加が可能。標準でも250gというボリューミーな一杯が楽しめる。
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香ばしいトッピング
豪徳寺にあるりらくしんは、濃厚甘めの醤油味スープに、平打ち麺(または太麺が選べる)、たっぷりのモヤシに抜群の柔らかさの豚が載る、二郎亜流系の一杯が楽しめる。特徴的なのは、フライドガーリックと揚げネギというトッピング。香ばしい風味が最良のアクセントとなっている。
『りらくしん』の詳しい情報はこちら
軽めなのに、満足できる
新橋の人気店、京鰹節つけ麺愛宕のセカンドブランドであるアタゴロウは、本店の限定メニューである二郎インスパイア系のラーメンに特化した店舗。密度のある太麺に、豚と鶏からとった濃厚で甘みのある醤油味スープがよく絡む。全体的に味、ボリュームも抑えめだが、軽めの二郎としての美味しさが堪能できる。
『アタゴロウ』の詳しい情報はこちら
トッピングにはステーキ
小岩にあるラーメン燈郎は、つけ麺で定評のある一燈の系列店で、二郎インスパイア系の一杯が楽しめる。特筆すべきは、トッピングとしてステーキ(300円)があること。シャキシャキの野菜、歯応えのある平打ち麺との相性も非常によく、人気があるのもうなずける一杯だ。
『ラーメン燈郎』の詳しい情報はこちら
がっつり濃厚+生卵
西新井大師のすぐ近く、環七沿いにあるラーメン富士丸では、醤油がガツンと効いた濃厚スープにモヤシとキャベツ、ニンニク、脂が載った食べ応え満点の一杯が楽しめる。サービスで生卵が供されるが、そのままトッピングする以外にも、すき焼きのように溶き卵に麺をくぐらせて食べたりと、オリジナリティのあるラーメンが人気を呼んでいる。
『ラーメン富士丸 西新井大師前』の詳しい情報はこちら
赤いやつを忘れずに
赤い看板からはみ出すインパクトのある店名が目印だ。基本メニューの『らーめん』(750円)を主軸に、麺の量とトッピングをチョイスするというスタンダードな二郎インスパイア系。また、名物の『赤いやつ』(100円)は、豚骨の旨味やコクをさらに倍増させるおすすめのトッピングだ。
『バリ男』の詳しい情報はこちら
安定感のある二郎亜流系の名店
2013年で開店から12年目に突入し、二郎亜流系の中でも根強いファンの多い名店だ。スープは脂っぽさを抑えているが、二郎で使われる専用醤油風の風味を効かせた塩辛さが特徴。麺は極太の縮れ麺。豚は程よい厚さ、大きさのものが3枚載り、野菜はモヤシのほかにタマネギが加わる。二郎系の中においては全体的に量は少なめだが、味は二郎らしさが前面に出ており、がっつりしすぎない一杯を求める人には最適。
『ぽっぽっ屋 本店』の詳しい情報はこちら
大井町の隠れた名店
レゲエが流れる陽気な雰囲気のこの店では、醤油味がキリっと効いた、背脂多めで乳化系のスープに、小麦粉の力を感じさせる黄色い極太麺がよく絡む一杯が楽しめる。モヤシ多めの野菜はシャキシャキ感が際立ち、チャーシューは二郎のものまではいかないものの、並の厚さが4枚載る。『小ラーメン』(650円)で麺250g、『大ラーメン』(750円)で麺375g。狭い店内がネックではあるが、レベルの高い二郎系の一杯が味わえる隠れた名店。
『ザ・ラーメン・スモールアックス 』の詳しい情報はこちら
豊富な味のレパートリー
大崎の二郎インスパイア系ラーメン店「The Outsider」の系列店というこの店では、定番の醤油(700円)のほか、塩、味噌、ポン酢、トマト、梅(各800円)、カレー(900円)といった味のレパートリーが豊富に揃うのが特徴。麺はごわっと歯ごたえのあるストレート麺で、そこにモヤシとキャベツがざっくりと載る。チャーシューは比較的普通のサイズで、スープは独特の甘辛い味が特徴だ。Sサイズも用意あり。
『ダッパーダンヌードル』の詳しい情報はこちら
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コメント (2) コメントする
>shintata様 カネシ醤油風の醤油という意味合いでしたが、言葉足らずで誤解を招くような表現だったと思われます。ご指摘ありがとうございます。 「二郎で使われている専用醤油風の醤油をきかせて」というように、修正させていただいております。 今後ともよろしくご笑覧いただければ幸甚です。
カネシ醤油って何か分かってて記事にしてるんですか? 適当なこと書かない方が良いですよ
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