2010年12月10日 (金) 掲載
4年のブランクを経て、待望の復活を果たしたリトル・バーリーの来日も、いよいよ本日のUNIT公演が最後。タワーレコード渋谷店でのインストアライブと合わせても、あっと言う間に終わってしまう久しぶりの来日の名残を惜しむかのように、バンドは日本のファンにスペシャルな企画を残してくれた。フォトグラファー、Lee Vicent Grubb(リー・ヴィンセント・グラブ)によるLITTLE BARRIE写真展『King of the Stills』である。
リーはロンドンをベースに、アディダスやオークリーなどのコマーシャルフォト、GQやNYLONといった雑誌でのポートレート、ミュージシャンのアーティスト写真など、多方面で活躍するフォトグラファーだ。リトル・バーリーの新しいアーティスト写真を初めて見た時から気になっていた、このフォトグラファーの展示をどうしても見たい。その衝動を抑えられず、またしても一足先にオープニングパーティの準備まっただ中のポール・スミス スペース3階にあるギャラリーに駆け込んだ。
リーにとっては、日本で初めてとなる今回の個展。バンドと共に来日した彼は、ギャラリー到着とともに興奮を隠しもせずに、仕事用と思われる一眼レフカメラで動画を撮り始めた。展示されているのは、全部で16点。1点1点をまじまじと見つめながら、随分と長い間ロックバンドのフォトドキュメンタリーを見ていなかったと感じだ。本物の、と言った方が正しいかもしれない。モノクロ、カラーが混在し、真っ黒のハードなロック風のものもあれば、最近のローファイバンドのようなポップな色調の作品もある。いずれも写真の中にいるのは、街を歩いたり、笑ったりするバンドの自然な姿のみ。それにも関わらず、これらの写真のどれもから一貫してリトル・バーリー特有のブルージーなヴィンテージ・ロックが漂っていた。
リーに一番のお気に入りはどれかと聞くと、「全部お気に入りだよ。だけど、選ぶなら、バーリーが窓から乗り出している写真と、同じくバーリーの1ショットで全体がぼけているものかな。あれは、きっとみんな気に入ってくれると思うんだ」と微笑んだ。また、メンバーはモデルとして優秀だったかの問いには、「もちろん!あれを見てよ。彼らは本当に素晴らしいよ」とポール・スミスと一緒に撮った写真を指差した。
今回、ここで展示作品を細かく紹介することは控えることにする。ギャラリー内では、バンドの新作『King Of The Waves(キング・オブ・ザ・ウェーヴス)』がかけられているし、何よりも“生”の感覚を味わって欲しいからだ。会場となっているポール・スミス スペース店のスタッフにもバンドのファンが多いようで、「もちろん入場無料ですので、ふらっと気軽に見にきて欲しい」と言ってくれた。12月26日(日)までと開催期間が短いので、見逃すことがないよう、しっかりとスケジュールに入れて欲しい展示会である。
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