くいしんぼうがぶ:がぶ丼
2012年12月10日 (月) 掲載
牛丼、親子丼、かつ丼、中華丼、鉄火丼…。丼物といえば、誰もが味わったことのある定番メニューのひとつ。どんぶりにご飯を盛りつけ、それぞれの具をのせるだけ。レストランだけでなく、出前、食卓など、様々な場所で出会うポピュラーなメニューだ。手早く料理しさらっとかきこむ、そんな大衆的なイメージが強い丼物だが、厳選された素材を使用した、こだわりの丼物が存在する。老舗の歴史ある一皿から、フレンチの丼や漁師飯、各店が試行錯誤を重ねた至高の一皿、ここでは10店の特撰丼を紹介する。
武蔵小山・くいしんぼう がぶの名物メニューが、知る人ぞ知るがぶ丼。レア気味のステーキをスライスし、肉を1枚1枚、咲いている花のように並べたもの。味付けは少し甘さがあるしょう油ベースのタレ、そして粗引きこしょうと塩。脂肪の少ないオージービーフの旨みと歯ごたえを楽しめる一皿となっている。ご飯はそこまで多くはないが、ハーフサイズもあるので、不安な方はそちらを。ランチセットは味噌汁と小鉢がついている。
フレンチを代表する“丼もの”といえば、ソテーしたフォアグラをライスの上にのせるフォアグラ丼だ。2012年10月にオープンした Bistro Hirondelle(ビストロ イロンデル)のフォアグラ丼は、西洋わさびで和えた鴨の胸肉と九条ねぎなどを熱々のご飯の上に、さらにフォアグラのソテーを乗せ、鴨のフォンベースの焦がしバターソースと赤ワインの代わりに醤油を使った牛のソースをかけた、ご飯がすすむ一皿。ランチのフォアグラ丼には、そばの実入りの鴨団子スープが付く。
かつては新橋に店をかまえていた焼鳥屋、山猿。当時の名物が、焼鳥が山盛りになった『新橋丼』だ。その後、同店は麻布十番へと移転、新名物『麻布十丼』が生まれた。ジューシーでほんのりと炭が香る焼き鳥、手羽先、つくね、もも、ねぎまなどがたっぷりと乗っており、ベースは新橋丼だ。さらに、いくら、山芋、鶏卵を加えたものが、麻布十丼となる。まず甘辛いタレがかかった焼き鳥丼を味わったら、出汁をかけてるのを忘れずに。さっぱりとしているが、鳥のうまさが際立つ。ボリュームたっぷりなので、2~3人で一皿注文すれば十分だろう。
離島の味をイベント会場などで提供してきた離島キッチンが、初の固定店舗を浅草EKIMISEの7階にオープンした。ここで味わえるのが、離島キッチン人気ナンバーワンを誇る定番メニュー、島根県隠岐郡海士町(あまちょう)の名物、寒シマメ漬け丼だ。シマメとは隠岐の方言でスルメイカのこと。新鮮なスルメイカの刺身と肝醤油を和えた隠岐島の漁師めし、寒シマメ漬け丼は、その鮮度ならではの食感、そしてまったく臭みがないため、深みのあるイカの味わいを楽しむことができる。
洋食の老舗、津つ井の名物が、61年の歴史をもつビフテキ丼。和牛ロースをグリルしたビーフステーキは、一口が噛むと上品な和牛の旨みが口の中に広がる。秘伝のタレがしみ込んだご飯と合わせて口の中へ。バターを合わせると濃厚な味わいとなる。ランチセットには、味噌汁、香の物がついてくる。
海鮮ひつまぶしで知られる虎杖(いたどり)による同店では、一風変わった、うに丼を味わうことができる。同店の濃厚うに丼は、ご飯の上にたっぷりとしたうに、その上にイクラを乗せている。そしてその周りに、うにを混ぜ込んだ生クリームのソースがたっぷり。ご飯、生クリーム、イクラ、そしてうにを混ぜて口へと運ぶと、上品だが濃厚な味わいが口の中に広がる。技ありの一皿。
銀座、そして大森に店を構える鶏料理・焼き鳥の店、葡萄屋の名物がジャン丼。ご飯の上には、甜麺醤がきいた自家製のとりみそ、小松菜のナムル、香ばしいもも肉の蒲焼きがのっている。これを好きなように組み合わせれば、ジューシーな鶏肉と甘辛さによる旨味を楽しむことができる。ランチセットは、みそ汁、香の物、フルーツが付いている。
うなぎ 丸富の丼ものは、やはり、うな丼。だが、こちらのうなぎは皮をパリッと焼き上げた関西風。うなぎの身は厚いが柔らかく、タレは濃く甘めだ。なんといってもちょうど良い固さのご飯が美味い。持ち帰りを求める客も多く、常にうなぎを焼き続けているので、あっという間に目の前にどんぶりが出される。この値段、この早さでこの満足感はなかなかない。並が1800円、Wが3350円、それぞれプラス50円で大盛りが用意されている。
筑紫樓の名物といえば、世界屈指の高級食材、ふかひれを使用したメニュー。そんな名物がたっぷりと入っているのが、ふかひれ入り煮込みかけごはんだ。ふかひれの歯ごたえと、特徴的なとろみのある餡、そしてご飯の組み合わせは、この店でしか味わえない一品。
赤坂にある穴子が名物の小さな日本料理店、會水庵。やはり味わうなら穴子丼がおすすめ。香ばしい焼き穴子と、ふんわりと仕上げたたまごに、甘いタレがよく合う。
Copyright © 2014 Time Out Tokyo
コメント