ビッフィ・クライロが語る

「上半身裸はバンドの伝統になりつつある。ツアーで学んだんだ」

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ビッフィ・クライロが語る

2010年3月1日、5作目『オンリー・レヴォリューションズ』によって、格段に注目度を上げたビッフィ・クライロが、UNITにてライブを行った。2月24日には、NMEアワーズにて『ザ・キャプテン』がベストビデオに選ばれるという、うれしいニュースがあったばかりだ。『ザット・ゴールデン・ルール』で幕を開けたライブでは、『マウンテンズ』などニューアルバムの話題曲から、お決まりの『57』までを披露。メンバーはもちろん、オーディエンスも汗まみれになる、熱いライブになった。翌日、ジェームズ(B、Vo)とベン(Dr、Vo)のジョンストン兄弟がタイムアウト東京のインタビューに答えてくれた。残念ながら同席できなかったサイモン・ニール(Vo、G)も最後には合流し、写真撮影に応じてくれた。

昨日は、ものすごいライブを見せてもらいました。

ジェームズ:本当に楽しかったよ。東京で単独のライブをやるのは2回目だったんだけど、前回の3倍くらいの人が来てくれたと思う。みんなが楽しそうに盛り上がってくれたし、ライブハウスもよかった。ファンタスティックだったよ。

ベン:僕は、ホームタウンから遠く離れた場所で、僕たちとはまったく違うバックグランドやライフスタイルをもった人たちと、特別なつながりをもてたことが最高だと思ったよ。

ライブはものすごい音量でしたけど、オーディエンスの歓声や拍手は聞こえていましたか?

ベン:いつでも聞こえているよ。オーディエンスの声はステージに向かって飛んでくるから、聞くのは簡単なんだ。

では、オーディエンスの反応から、今回のライブの中で演奏してよかったと思った曲はありますか?

ジェームズ:日本で『オンリー・レヴォリューションズ』の曲をプレイするのは初めてだったから、みんなが全曲を気に入ってくれているとうれしいんだけど……。『メニー・オブ・ホラー』で、サイモンが最初のコードを少し弾いたとき、みんながすぐに反応して、叫んでくれたよね。オーディエンスと特別なつながり方ができた曲だったと思う。

ベン:イギリスやアメリカでは、静かな曲になると話をするチャンスだと思って、みんなが話し始めてしまうんだよね。「聴かないなら、なんで来たんだ!」と腹が立つときもある。だけど、日本ではみんなが歌はもちろん、僕たちが話すことすべてを聴いてくれる。僕たちにとって、それはとても謙虚な姿勢だね。そんな日本のファンを見て、僕たちも謙虚になりたいと思うし、他の国もそうなるといいと思うよ。

エモーショナルでハードなライブをするバンドから、謙虚という言葉が聞けるとは思っていませんでした。そういえば、会場に女性のファンが多かったことにも驚きました。そこには何か秘訣があるのでしょうか?

ジェームズ:(シャツをめくってみせる)

(笑)

ジェームズ:(笑)初めのころは若い男の客が多かったんだけど、今は女の子が増えてるね。理由はわからないけど、僕たちはとてもうれしい。かわいい女の子がたくさん来てくれたら、男も彼女たちに付いて来てくれると思うからね。

女性への人気と関係があるかはわかりませんけど、ライブではいつも上半身裸にパンツ姿ですね。あれはバンドの伝統なんですか?

ジェームズ:イエス。伝統になりつつあるね。以前のツアー中に、毎回ライブでものすごく汗をかくことと、家に汗まみれで汚れた洋服を持って帰るのが嫌だということに気づいたんだ。だったら、ステージに上がる前にシャツを脱いでしまった方が効率がいいってこともね。

ベン:ライブで2回着たら、もうその洋服は着られなくなってしまうんだよ。

それは臭いのせいですか?

ジェームズ:(笑)それもちょっとあるね。

ベン:(笑)臭いもあるけど、激しく動きすぎてシャツが伸びてしまうんだよ。

撮影 Ryota Mori

ずっと気になっていた疑問が解明できて、すっきりしました。では、話を進めましょう。タイムアウト東京は、東京の観光やおでかけに関する情報を発信しています。2人が東京でやらずにはいられないお勧めを教えてください。

ジェームズ:僕は東急ハンズだね。お金と時間がたっぷりないと辛い場所だ。違う階に行く度に、「イエ~ス!!」って感じになる。すべての物が魅力的で、丸々1日を過ごせる場所だと思うよ。特に小さいフィギュアが売っているフロアが好きなんだ。車とか小さい人間とかゴルフコースとか、見るのに虫メガネが必要なものだよ。早く行って、店ごと買いたいよ。

ベン:僕はカラオケだな。日本のカラオケはまったく違うよ。自分専用の部屋をもらえて、タンバリンやカスタネットまで用意されているし、マイクがたくさんある。それに曲のセレクションもすごいね。『リヴィング・イズ・ア・プロブレム・ビコーズ・エヴリシング・ダイズ』も入っていたんだ。スコットランドのカラオケでビッフィー・クライロなんて歌えないから、最高だったよ!

逆に、みなさんが住んでいるグラスゴーでお勧めの場所はありますか?

ジェームズ:グラスゴーにはアートギャラリーや美術館がたくさんあるよ。そうした文化がとても盛んで、アイデアもたくさん出てる。中でもケルヴィングローブ・アート・アンド・ギャラリーには、スコットランドだけでなく、世界中から集められた素晴らしい作品があって、公園も建物自体もすごくきれいなんだ。間違いなく、1日を過ごせる場所だね。

ベン:サイモンの出身地、エアだね。そこは有名な詩人のロバート・バーンズが生まれた場所で、彼は新年に歌われる曲(※)を作った人だよ。とても美しくて古い田舎の景色、例えば芝や丘が続いているんだ。いい具合に陽が差し込んだら、世界で一番美しい場所になると思うよ。

(※)スコットランド民謡の『オールド・ラング・サイン』のこと。日本では『蛍の光』として知られている。

最後の質問です。ニューアルバムが出てから、注目度がぐっと上がったと思います。今後の予定を教えてください。

ジェームズ:この後は、このままアメリカに行ってツアーをする。僕たちは、今すごくいい時間を過ごすことができていて、自分たちがすごくラッキーだということをわかってる。だから、前に進み続けて行きたいと思っているんだ。

ベン:アメリカの沿岸部はほとんど廻ったんだけど、今回は内陸の都市にもたくさん行くんだ。ラッキーなことに、全米ツアーを経験済みのマンチェスター・オーケストラと一緒にツアーができるので、バンドにとっていい経験になればいいと思うし、アメリカの心臓と言われる場所を見てみたいと思っているよ。

ジェームズ:夏はフェスだね。できれば日本にもまた来たいな。

期待していますよ。昨日はステージが狭そうだったので、次はもっと大きな所で見られるといいなと思っています。

ジェームズ:もちろん!僕たちもそうしたいよ!

『オンリー・レヴォリューションズ』Biffy Clyro
発売日:2009年12月23日
レーベル:14TH FLOOR / HOSTESS

オフィシャルサイト:www.biffyclyro.com/
レーベルサイト:hostess.co.jp/biffyclyro/

テキスト/撮影 道辻麻依
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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