2011年03月02日 (水) 掲載
他の大きな首都がそうであるように、東京という場所も無数の国内ミュージシャンたちのテーマとして歌われてきた。だが東京は、外国のソングライターたちをも惹き付ける独自の魅力を持っている。この記事を書きながら、性欲をかき立てる存在としての東京、不可解でミステリアスな場所としての東京、世界の終末的な悪夢を描く舞台としての東京、そして、未来的イメージを歌に吹き込む浅はかなツールとしての東京、が見えてきた。世界最大規模の音楽市場でもある東京なら、当然、ドル箱としての可能性だって秘めている。歌詞の“ニュージャージー”を“トーキョー”に代えて歌えば、“円”が転がり込んでくるのだ。例えば、このボン・ジョヴィの『Tokyo Road』を聴いてみてほしい。
アーティスト:ボン・ジョヴィ
アルバム:7800° Fahrenheit
タイムアウト東京レビュー:この歌詞を聞くだけでは、ボン・ジョヴィがどこの場所(あるいは誰)について歌っているのか分かりにくい。彼は兵士かもしれないし兵士じゃないかもしれないが(歌詞に、“戦場に送られ、自由のために戦う”とある)、そういうことはあまり関係ない。なぜって、歌い出しは戦場でも、我らがボン・ジョヴィは、さっさとバーで“ウィスキーを一気飲みし、コーラを飲んでる”から。彼らの他の曲とそっくりだ。思うに、『Tokyo Road』(しかも、その道は一体どこにあるのか?)は、実際には、ニュージャージー ターンパイク州道にある、トラックドライバーたちの休憩所だったのかもしれない。
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