東京、ちゃんぽん10

三軒茶屋、六本木、銀座で知る長崎の魂

東京、ちゃんぽん10選

長崎県発祥のローカルフード、ちゃんぽんは、明治時代中期に長崎市の中華料理店、四海樓で誕生した。福建料理である「湯肉絲麺」をアレンジしたもので、豚骨と鶏がらをあわせたスープに、キャベツやもやし、豚肉、魚介類をラードで炒め、そこに太くてやわらかい、独特の食感が特徴の灰汁麺を使用してつくられる。長崎ではいたるところで食べられるちゃんぽんだが、東京で美味しいものを食べるとなると、なかなか難しい。もちろん長崎でも人気のリンガーハットも選択肢として挙げられるが、ここでは長崎県民も認める正統派から、独自のアレンジが光る個性派まで10軒を紹介する。ちなみに長崎ではちゃんぽんや皿うどんを食べるときに、ウスターソースをかけるのが一般的。長崎県民の中でも好みは分かれるが、カウンターにウスターソースが置かれた店では一度試してみてほしい。


新中野:長崎ちゃんぽん 皿うどん 球磨

新中野の球磨『チャンポン』(830円)は鶏がメインのスープで、濃いめながらすっきりとした味わい。麺は一般的なちゃんぽん麺のほか、角ばったしっかりした食感の太麺も選択可能。具材は野菜のほか、数種類の練りものとたっぷりのイカが存在感を放っている。バターガーリック味などのバリエーションがあり、新作も続々登場しているが、基本のちゃんぽんが美味しいからこそ、ほかのメニューも試してみたくなる。
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三軒茶屋:來來來

三軒茶屋にある來來來は、長崎出身者の常連客も多く、東京の長崎ちゃんぽんを語る上で欠くことのできない店だ。『ちゃんぽん』(900円)のスープは薄味で、一口目では少し物足りなく感じるかもしれないが、優しい味わいが食べるほどに染みわたる。キャベツ、もやし、玉葱、練りもの、海老、いか、豚肉など、具材もシンプルながらひとつひとつがしっかりと存在感を放っている。
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三軒茶屋:長崎

三軒茶屋からはもう一店、昭和48年創業の長崎も紹介しておきたい。L字カウンター9席のこじんまりとした店は、主人の気さくな人柄もあり、いつも客で絶えない。野菜の甘みがしっとりと染み出した優しい素朴な味わいの『長崎ちゃんぽん』(800円)は、仕事で疲れた日や冬の寒い夜などには格別に染みる。2回目からは『キムチ入りちゃんぽん』や『明太子入りちゃんぽん』などの変わり種にもチャレンジしてみてほしい。
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恵比寿:どんく

恵比寿の中華居酒屋、どんくは豊富なメニュー展開ながら、ちゃんぽんづくりに対する気合いは並々ならぬものがある。18時間かけてしっくり煮込んでつくられる豚骨ベースのスープはクリーミーで、インパクト大。麺ももちろん長崎から直接取り寄せたものを使用している。『餃子』、『エビ焼売』など一品メニューをつまみに一杯かたむけて、ちゃんぽんで〆というのが鉄板コースだ。写真:『長崎ちゃんぽん』(930円)
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六本木:長崎ちゃんぽん ふじ

六本木通りから芋洗い坂を少し下ったところにある長崎ちゃんぽんの専門店。『ちゃんぽん』は、大(1,500円)中(980円)小(820円)の3つのなかから選ぶことができるが、具材のボリュームがあるので、胃袋に自信のない女性は小を頼んだ方がよいかもしれない。スープは豚骨、鶏ガラを使用しているものの、くどさはなくすっきり。しっかりと炒められた野菜の存在感が際立っている。朝まで営業しているので、飲んだあとの〆としてもおすすめだ。
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虎ノ門:長崎飯店

虎ノ門の長崎飯店 虎ノ門店はランチタイムには多くのサラリーマン達で賑わう人気店。『チャンポン』(900円)は、長崎から取り寄せた唐灰汁麺を使用しており、本場の味に近いと評判。キャベツ、もやしなどの野菜のほか、牡蠣、いか、あさり、豚など非常に具沢山。スープはややあっさりめだが、炒めた野菜の香ばしさと魚介の旨味がしっかりと染み出したコクのあるスープに仕上がっている。ちゃんぽんから麺を除いた『麺なし』の注文も可能だ。
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銀座:吉宗

銀座の長崎料理専門店、銀座 吉宗ではランチタイムに数量限定で『長崎ちゃんぽん』(980円)を提供。スープはとろみを感じるほど濃厚だが、それだけではなく、素材の旨味がたっぷり出て飲み干したくなるほど。具材は季節により異なるが、海老や帆立、冬場は牡蠣など、魚介が贅沢に入っているのも嬉しい。店の看板メニューである大きな『茶碗蒸し』とのセット(1,800円)もおすすめだ。
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有楽町:桃園

有楽町交通会館の地下にある桃園の『ちゃんぽん』(800円)は、上にのせられた錦糸卵こそ、発祥の店である四海樓に倣っているものの、味はかなり個性的。麺は一般的なちゃんぽんに使用される、断面が丸くやわらかいものではなく、しっかりとした食感の四角い断面のもの使用。あっさりスープにのる具材も、ごま油が香り、キャベツ、もやし、にんじんなどのほかに、チャーシュー、鶏の唐揚げとユニークだ。
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神田:西海

神田にある西海は、界隈のサラリーマンに愛される長崎料理専門店。『ちゃんぽん』(800円)は、生姜の風味が効いたクリーミーでコクのあるスープと、もっちりとした麺がよくマッチした、完成度の高い正統派。具は食感を残したキャベツ、もやし、キクラゲ、海老、いか、細切れチャーシューなど豊富。単品でも良いが、13時から限定の『特別定食』(950円)なら、小ちゃんぽんに、角煮、水餃子、小鉢、ライスが付きお得だ。
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葛西:宝来軒

葛西の宝来軒は、長崎にある同名の人気店で修行を積んだ初代料理長により創業。駅から離れているにも関わらず、しばしばできる行列は美味しさの証と言える。『ちゃんぽん』(800円)は、インパクトのある豚骨ベースのスープが癖になる逸品。歯ごたえのある麺の上には、ラードで炒められた具材が山盛りにのりボリューム満点。『おろしにんにく』(100円)や『柚子こしょう』(100円)などの薬味をトッピングすれば、よりパンチの効いた味わいに。鍋を持参すればテイクアウトも可能だ。
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テキスト タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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