東京、ベストラーメン 2014

洋風ラーメン、無化調、台湾まぜそばなど、2014年を彩った麺20選

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東京、ベストラーメン 2014

麺屋はなび 新宿店

クールジャパン機構が一風堂の欧州進出に約7億円の出資を発表した一方、『ミシュランガイド東京2015』では安価で質の高いメニューを提供するビブグルマン・カテゴリに和食が加わり、20店近くのラーメン店を紹介。もはやラーメン店は昭和のテレビドラマ『ふぞろいの林檎たち』や『親子ゲーム』の世界にあった不良青年が愚痴をこぼしながら丼を洗う場所ではなく、国際舞台を股にかけ、ビリオネアの栄華すら夢見ることができる「外食、サービス産業の最前線」となった。もちろん、今も昔もラーメンは気軽に楽しめるソウルフードであることに変わりはないが。2013年に続き、タイムアウト編集部とラーメンハンターは東京のベストラーメン20店を選出した。新店、リニューアル店から老舗まで、ぜひ堪能してほしい。


麹町:ソラノイロ salt&maushroom


洋風『ベジソバ』人気店の2号店
麹町の人気ラーメン店の2号店。カフェのような明るい雰囲気の店内は、女性客が多く、メニューも野菜を多く使用したものなど健康的なものが目立つ。メインで提供するのは、『塩煮干ソバ』、『キノコベジソバ』、『ソラの肉ソバ』の3種だが、まずは、『キノコベジソバ』を試してみてほしい。名前の通りきのこをふんだんに使用しており、スープは豚ベースに生クリーム、マッシュルーム、玉ねぎ、じゃがいものグラッセをピューレ状にしたものが入り、洋風な仕上がり。マッシュルームの芳醇な香りがたまらない。コシのある平打ち麺は渡辺製麺に特注したもので、こちらにも椎茸パウダーが練り込まれている。具材もルッコラや、焼き豆腐、パプリカなど個性的で、〆には炙ったチーズがのったライスに残ったスープをかけ、リゾットとして味わうことができる。

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巣鴨:蔦


巣鴨の無化調王者
巣鴨駅南口、サミットストア沿いの道からやや奥に入った場所にあるラーメン店。和テイストの無化調ラーメンを提供している。そばつゆのような風味が味わえるスープは、鶏出汁と魚介出汁をブレンドした香りの強い醤油ダレ。麺は細めのストレート自家製麺となっている。メニューは、黒トリュフのスープを贅沢に使った『醤油そば』、ローストトマトがチャーシューの旨味を引き立てる『ローストトマト塩そば』など、醤油、塩を中心に意欲的なトッピングが楽しめる。『ミシュランガイド東京2015』に掲載されて以降、かなりの行列店となっているのでご注意を。

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池尻大橋:八雲


絶品ワンタン麺を池尻大橋で
田園都市線・池尻大橋駅、山手通り沿いの池尻大橋の立体交差近くに位置する(店舗は2階なので看板を目印に)、オープンより10年以上経つ実力店。店主は支那そばの老舗店舗『たんたん亭』出身。動物系スープに昆布、干しエビ、サバなどの魚介系を織り交ぜた、澄みわたるスープは、濃口醤油の黒出汁、やや甘めの白出汁、ミックスの3種類から選べる。そして、『八雲』の魅力は何といっても、絶品のワンタンに尽きる。そのプリッとした食感のワンタンと黄金スープ、歯切れよい麺からなる至福の一杯は、都内随一のワンタン麺といっても過言ではない。おすすめは、エビと肉のワンタンが半分ずつ堪能できる、黒だし特製ワンタン麺(950円)。ハチミツで香ばしく仕上げられたというこだわりのチャーシューの食感もプリプリしている。何度食べても飽きの来ない、隙がない一杯。昼時は10名ほど並んでいるが、夕方は狙い目。

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西早稲田:やまぐち


鶏エキス凝縮の『鶏そば』
2013年1月にオープンした、早稲田通り沿いにあるラーメン店。木調の看板が目印だ。メニューは鶏ベースのスープに昆布や鰹の出汁を合わせた『追い鰹中華そば』(750円〜)と、鶏ガラや丸鶏をふんだんに使った『鶏そば』(750円〜)。『追い鰹中華そば』は鰹の香りが強い醤油ベースのスープが特徴で、『鶏そば』は鶏のエキスが詰まったスープの香りと油が特徴であっさりとした外見とは裏腹にコクと深みのある一杯に仕上がっている。

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東小金井:くじら食堂


夜だけ楽しめるモチモチ麺
東小金井駅すぐの場所にある夜だけ営業のラーメン店。平たいモチモチの麺に、甘さがありながらすっきりとした醤油味のスープがよく合う醤油ラーメンと、透明感のある魚介の風味の効いたスープと塩ラーメンのほか、季節ごとの限定ラーメンの提供もあり。深夜25時まで営業しているのも魅力的だ。

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新宿:はなび【2014年オープン】


名古屋名物、台湾まぜそばを新宿で
名古屋のローカルフード、台湾まぜそばの元祖である『麺屋はなび』が東新宿に進出。 看板メニューの『元祖!台湾まぜそば』(780円)は、コシのある温かい太麺の上に、唐辛子で味付けされた挽肉、ねぎ、にら、のり、にんにく、魚粉、卵黄がのっており、それらを豪快に混ぜ合わせて食べる逸品。 スパイシーな挽肉と生ニンニクのパンチ、魚粉の風味がねっとりと絡み合ったこってり濃厚で複雑な味わいは、中毒性大。 麺を食べ終わったあとに丼に残るタレは、『追い飯』(無料)を投入して完食するのがはなび流。 台湾まぜそば以外にも『台湾ラーメン』(730円)や『塩ラーメン』(730円)など、汁そばも提供している。 繁盛点なので多少並ぶことは覚悟しよう。

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仙川:しば田


正統派醤油ラーメンを提供する注目株
吉祥寺の音麺酒家 楽々で修行を積んだ店主が出店したラーメン店。『中華そば』(750円)は、鴨ガラと数種類の魚介素材を加えた芳醇なスープに、生醤油、再仕込み醤油などを使用したタレを合わせたラーメン。具も、チャーシュー、メンマ、カイワレ、ネギと、いたってシンプルで、麺は歯切れの良い細麺。これぞ正統派醤油ラーメンといった味わいで、あっさりとしていて飽きることが無い。

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東大前:織恩


石垣島の素材を詰め込んだ一杯
東京メトロ南北線東大前駅から徒歩3分、黄色い立て看板が目印の店。自家製麺のクオリティは非常に高く、まぜそばやつけそば、中華そばなどのメニュー展開をしている。看板メニューは『石垣の塩まぜそば』(810円)。店主が第二の故郷として愛しているという石垣島の塩を使った塩ダレとモチモチの極太麺の組み合わせが抜群で、さらに具材の石垣産のアオサ、メンマ、魚粉、青海苔、チャーシュー、ネギが絶品の味わいを彩る。別皿で提供される、食べるラー油は程よい辛味で、食べている途中にいれるとよいアクセントに。トッピングの生玉子も相性は抜群。石垣島の素材の味をたっぷり詰め込んだ一杯になっている。

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学芸大学:びぎ屋


高レベルな醤油ラーメン
学芸大学駅東口から商店街を進んだ先、醤油ラーメンのレベルの高さが評判のラーメン屋。看板メニューの『醤油らーめん』(700円)は、大山鶏と御殿場地鶏をベースに、日高と羅臼の昆布の風味を加えたスープに、2種類の醤油を加えてまろやかな甘さを作り出している。全粉入りの歯切れのよい中細麺も、のどごしのよい食感を与えてくれる。チャーシュー、メンマも、それぞれ2種類のものを使うなど、こだわりがつまったラーメンを提供している。

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町田:進化


塩のブレンドにこだわった名店
町田駅から徒歩20分ほど、通りからやや奥まった場所に構える、町田汁場 しおらーめん進化は、その目立たない立地とは裏腹に、TRY認定ラーメン大賞の「名店塩部門1位」に輝いた名店。 初めてこの店を訪れたならば、まずは看板メニューである『しおらーめん』(700円)を頼もう。山水地鶏の丸鶏と甲州地鶏のガラ、長崎県産のアゴ、6種類の塩をブレンドしたタレを合わせたまろやかで奥深い味わいのスープと、のど越しの良い国産小麦の中細ストレート麺が絶妙に絡む、完成度の高い逸品だ。そのほか、『煮干塩』(700円)や『白醤油つけめん』(850円)なども提供している。

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蓮根:元


細ストレート麺が絡むハイレベルな逸品
蓮根駅東口を出て目の前の路地の先にあるラーメン店。カウンター9席のみのこじんまりとした店だが、業界では名の知れた有名店。この店の看板メニュー『塩らあめん』(750円)は、黄金色に輝くまろやかな旨味の鶏スープに、ほんのり魚介の風味と、三河屋製麺製の細ストレート麺が絡むハイレベルな逸品。スープの上には鶏油が浮かび、あっさりしていながらコクのある仕上がりになっている。具はトロトロとした香ばしいチャーシューと鶏つみれ、ねぎ、姫筍が特徴的に盛られている。 塩が有名だが『醤油らあめん』(750円)も絶品。ほかにも『塩つけめん』(800円)、『醤油つけめん』(800円)や、限定麺も実に多彩。

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船堀:大島


本格的な札幌味噌ラーメン
船堀にある人気ラーメン店。店主は味噌ラーメンの名店として知られるすみれで12年にわたり修行を積んでおり、本格的な札幌味噌ラーメンが楽しめる。本家同様ラードの膜で覆われたスープは、湯気は上がらないが熱々。にんにくが効きパンチの効いた濃厚な味わいながら、野菜や味噌の甘みを感じさせ、おろししょうがも良いアクセントになっている。スープが濃いと感じる人のために、うすめるスープも用意されている。麺は中太の縮れ麺で麺に負けない存在感。食べる余裕があれば、スープとの相性抜群なライスもぜひ頼んでほしい。

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中野:無鉄砲


自分好みの味つけを探求できる豚骨名店
新青梅街道沿いにあるラーメン店。赤提灯と大きな暖簾が目印だ。良質な国内産豚骨と水のみで作った、コラーゲンたっぷりの超濃厚豚骨スープの『とんこつラーメン』(750円)が人気だ。麺の固さ、スープの濃さ、ネギの多さなどの要望を聞いてもらえ、無料の「追いスープ」は、魚スープとあっさり豚骨スープのいずれかを注文できる。卓上には辛子高菜、にんにくしょうゆ、紅生姜、すりごま等があるので自分好みの味を探求するのも楽しい。

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亀有:道


大勝軒創始者も認めた行列つけ麺店
JR亀有駅から徒歩3分、商店街の一角にある『道』は、都内でも屈指の人気つけ麺店で、連日行列が絶えない。だが、ここには並んででも食べたい唯一無二の一杯がある。おくにおすすめしたいのは『つけ麺』(750円)。つけ汁は濃厚な魚介豚骨ではあるが、ほんのりとした甘みも残っており、雑味がないマイルドな味わい。ほかには類をみない、独創的で、極められたた味といえる。麺はモチモチの歯ごたえの太麺で、冷水でしっかりとしめて提供される。具材は別皿で提供され、薬味ネギ、チャーシュー、味玉、つくね、そして日替わりで提供される「本日の薬味」が添えられる。麺は追加料金で、+400gまで増量可能。その他のメニューには、具材なしの『素つけ麺』(500円)、『特製つけ麺』(950円)、デザートの『自家製ブリュレ』(200円)などがある。また、土産の販売もしている。大勝軒の創始者・山岸一雄も認めた一杯をぜひ堪能してほしい。

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浅草橋:ろく月


無化調豚骨で話題、浅草橋の新顔
JR総武線浅草橋駅より徒歩5分。2013年9月オープンの注目の店舗。豚骨では珍しい無化調のラーメン。スープは豚骨の臭みがまったくない、コクと旨みだけを残し、濃厚でありながらあっさりとした味わい。『特製ラーメン』(880円)にはアスパラ、オクラ、ヤングコーンなどヘルシーな具材が加わり、クリーミーなスープとの相性も抜群。最後まで飲み干せてしまうほど、それぞれの素材が際立っている。そのほかにも限定メニューの『まぜそば』、『濃厚味噌豚骨』など、工夫を凝らしたメニューが揃う。

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新代田:らーめん二郎 新新代田店【2014年リニューアル】


新代田の二郎系注目株
京王井の頭線新代田駅から徒歩2分。2014年の5月に店主が交代し、「新」新代田店としてリニューアル。『小豚ラーメン』(800円)は麺の量400gに豚の塊がゴロゴロ投下される。全体的にリニューアル前とは大きく変わり、より「二郎」らしい盛り&ヘビーな味になったが、うどんかほうとうかと思うような極太麺は二郎界隈の中でも一、二を争うほどの太さ。生卵(50円)をトッピングして、すき焼き風にするのもおすすめ。

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大崎:六厘舎【2014年オープン】


人気つけ麺専門店が再出店
行列が絶えない人気つけ麺専門店六厘舎が、本店のある大崎に新たに店舗をオープン。あまりの行列に近隣への配慮で週1日のみの営業となっていた本店を休業し、事実上の移転先となっている。『つけめん』のスープは濃厚な豚骨と魚介のダブルスープ。現在ではつけ麺の主流ともいえるこのスタイルを確立した店としても知られており、どろっとしたスープは国産小麦を使用した極太の麺によく絡む。魚の風味が増すトッピングの魚粉は、以前は海苔にのせられていたが、卓上に小分けのパックで置かれることになった。見た目は少し味気ない気がするものの、量を調整できるという点ではありがたい。〆のスープ割で最後の一滴まで楽しんでほしい。

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大井町:麺壱 吉兆


白河ラーメンを楽しめる老舗店
大井町駅から徒歩5分ほどの場所にある中華そば店。福島県白河市のご当地ラーメンである白河ラーメン系の味を楽しむことができる。メインの『中華そば』(670円)は、昔懐かしい醤油ラーメン。鶏の出汁がしっかりと効いてコクと甘みのあるまろやかなスープと少し縮れた青竹平打ち麺は、ほっとする味。スープは脂が浮いた濃い味だが、後味がすっきりしているので最後まで楽しめる。『中華そば』に魚介系の出汁を加えた、『支那そば』(720円)も人気。

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市ヶ谷:庄の


創作麺が好評、市ヶ谷の行列店
市ヶ谷駅より徒歩4分。外堀通りから少し路地に入ったところに位置する、行列の絶えない人気店。豚骨魚介系のラーメンをベースに、その季節ごとに限定メニューを提供する、意欲とセンスの溢れるラーメン店だ。

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東十条:燦燦斗


東十条の無化調名店
東十条駅北口を出て、左手側にある坂道を下る途中にあるラーメン店。魚介系豚骨醤油に自家製太麺が特徴の無化調ラーメンを提供している。定番は『らーめん』(650円)。濃厚ながらもクセの無いスープにコシのある自家製ストレート麺、その上に厚みのあるチャーシューと味玉、シナチク、ネギ、カイワレをトッピングした一品。ボリュームもあり、食べ応えは充分だ。

上に厚みのあるチャーシューと味玉、シナチク、ネギ、カイワレをトッピングした一品。ボリュームもあり、食べ応えは充分だ。

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テキスト メンチャック
タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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