オダギリジョー 『ゆれる』 2006年
2011年05月10日 (火) 掲載
多くの主演俳優のように、役所広司もNHKのドラマで織田信長や宮本武蔵といった大役を演じることでその名を世に広めた。ヒット作となった『Shall We ダンス?』(1996年)から、『CURE』(1997年)といったサイコスリラー、『SAYURI』や『バベル』といったハリウッド映画まで、バラエティに富んだ出演作品が楽しめる。
『失楽園』(1997年)で不倫愛に溺れる男を演じて大衆の心を掴んだが、最もシーンを奪ったのは、『タンポポ』(1985年)でのエロティックなグルメ通の男役のセクシーさだろう。
三船敏郎と並び、黒澤明映画の主演に君臨する俳優といえば、仲代達矢だ。見た目の良さからいえば、仲代の方が上だろう。小林正樹監督の9時間半に及ぶ壮大な戦争映画『人間の條件』(1959年)に出演したほか、黒澤明の『天国と地獄』(1963年)、『影武者』(1980年)や『乱』(1985年)といった多くの作品に、主演として登場した。
『用心棒』(1961年)と『切腹』(1962年)での仲代のように、汚れた着物をセクシーに着こなせる役者は、今でも彼以外にはいないだろう。
“和製ジョニー・デップ”の称号が一番しっくりくるのが、オダギリジョーだ。『仮面ライダークウガ』の主役を演じた後、映画俳優に転身。『SHINOBI』や『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』といった大衆向け作品から、ややエッジの効いた『血と骨』や『サッド・ヴァケイション』に次々と出演。容姿の美しさも十分だ。
『プラトニック・セックス』(2001年)は分かりやすすぎるかもしれない。田中泯のゲイの恋人役を好演した『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年)では、かなりセクシーだった。『ゆれる』(2006年)でのオダギリの誘惑的な滑らかさは必見だ。
アジアで最も興行収入を得られる男優といっても過言ではないだろう。5カ国語を操る上に、あり得ないほどのハンサムさだ。台湾人の母と沖縄出身の父を両親に持つ金城は、日本の作品以外にも、香港や中国の映画に数多く出演している。
正直に言って、金城の出演した日本映画よりも、『レッドクリフ』(2008-9年)や『LOVERS』(2004年)を高く評価したい。その上で、1998年のテレビドラマ『神様、もう少しだけ』での金城は、未だに我々をロマンティックな気分でうっとりさせてくれる。
美輪明宏はキャリアのほとんどを女性として過ごしてきたので、このカテゴリーに入るかどうかは賛否両論あるだろう。テレビで見かける、黄色い頭髪と神秘さが漂う外見からは想像できないが、彼/彼女は、その昔は美形の代名詞だったのだ。美輪が長年親しくしていた、作家の三島由紀夫との関係の真相は、その謎をさらに妖艶なものにしてくれる。
美輪が主演を務めたのは1968年の深作欣二監督による『黒蜥蜴』と『黒薔薇の館』のみだ。前者は三島による戯曲をベースにしたもので、後者では美輪は魔性の女を演じた。両作とも作品の出来こそ悪いものの、ここではそこに言及する必要はないだろう。
Copyright © 2014 Time Out Tokyo
コメント