松嶋×観光庁長官 サムライ対談

日仏一つ星シェフ松嶋啓介が、日本の観光を世界目線で考えるシリーズ第1弾

松嶋×観光庁長官 サムライ対談

料理修行のため、21歳で単身フランスに飛び出し、世界の舞台で挑戦を続けてきた松嶋啓介。10年の時を経て、ニースでオープンしたレストラン『KEISUKE MATSUSHIMA』と原宿の『レストラン アイ』で、それぞれミシュランの一つ星を獲得。結果も残してきた松嶋は、「外に出て気づいた日本の素晴らしさもあるし、逆に外に出て気づいた日本の問題がたくさんある」と語る。そんな彼をホストに迎えた全6回シリーズのトークイベント『世界目線で考える』が、タイムアウトカフェ&ダイナーにて開催。ゲストに観光庁長官の溝畑宏を迎え、2011年2月4日に記念すべき第1回が行われた。「3000万人集客実現のプロデューサー(改革の立て役者)、観光庁のチャレンジ」をテーマに掲げ、さらに4つのサブテーマにわけて展開されたトークショーの様子を公開する。

1.2010年の振り返り、そして2011年以降の取り組みについて
2.国際空港の戦略と地方へのアクセス
3.国レベルでの文化と観光の取り組み
4.日本ブランドによる戦略的な観光振興、観光資源開発について

2010年の振り返り、そして今年以降の取り組みについて

松嶋:私は日仏を往復していますが、まあ色々と観光に対して興味があるといいますか、自分自身がフランスのニースという、観光地としてもとても素晴らしいところに店を構えているんですが、フランス政府の取り組みの恩恵を一番受けている日本人だと思うんですね。本当にフランス観光局から色んなことをやっていただいていますし、そのおかげで日本人として、フランス料理の世界でも有名になれて来ていると思います。そういうことを普段から感じていますので、日本はどういう取り組みをしているのか、そして自分が受けてきたことを日本にも伝えていきたいなと思っています。

まず、2010年に、観光庁としてやってきたことを聞かせていただきたいと思います。

溝畑:私が観光庁長官に就任してから思ったのは、狭いカテゴリーで考えてるところがあると。観光ってよく考えたらすべての産業分野が関連するわけですよね。例えば映画もアニメもファッションもそうだし、食文化もそうです。最近では工場のライトアップ、川崎の工場のライトアップだって観光になります。それから変な言い方ですけど、ギャンブルだって観光なんです。およそ人が感動したり、喜んだり、癒やされたり、感性を刺激するものはすべて観光の資源なんですよね。

私が心がけたのは、この観光というものを日本の重要な成長産業として、国民の皆さんに意識してもらうことです。観光は、サービス産業の一端ではなくて、ほかの国、例えばフランス、イギリス、イタリアでも、また特にアジアのシンガポール、タイ、マレーシア、韓国では、一丁目一番地の重要産業にしているわけですね。で、その観光というのは、ひとつには世界に対して日本の国をアピールすることにもなるし、そのことが例えば日本の色々な産業の海外へのグローバル展開にもつながる。そして海外に来る(行く)ことによって経済も活性化にもされるし、国際交流で世界平和にもなる。

もうひとつのポイントとして、観光は、地域にひとつしかないものがブランド化されてビジネスになるものだから、全て、殆どの産業が関連してきて、そこには、その土地土地の市民県民も参加しないといけない。フランスやイタリアがなんであんなにホスピタリティがあるかというと、挨拶ひとつから違うわけですよね。空間が、文化が違う。文化を作るのは誰かといったらそこに住んでる人なんです。そういう意味で地域の人が皆参加するし、地域に根差したものが、それが観光の資源になる。それをみんなの力で掘り起こす。そのことは地域の経済も活性化するし、特に今人口が減っていて地方が疲弊している中、そんなに公共事業とかできない中で出来るだけ金をかけずに今あるものを活かすという意味で、観光はすごく大きな産業になる。

そういう意味で、今、内向きになっている日本人のマインドを、もう一度オールジャパンで元気にしよう。これをテーマに、誰を“顔”にしようかと思って、それで嵐を口説いて観光立国ナビゲーターになってもらったんです。スポーツをはじめ、ありとあらゆる人に、観光に参加してもらう。まずそこは観光と言うものの意識改革が必要です。

まずやったことは、私がとにかくテレビに出て、出て、出まくる。これを心がけました。とにかく観光を日本の成長産業、観光に国民が取り組むという意識改革をしていく。このオールジャパンでやっていく。ただ、これは今年だけじゃなくてずーっと持続せにゃいかんです。なぜならば他の国は20年30年やってきているんです。

2つ目に、2009年の世界から来た観光客の数、日本は679万で世界で33位、アジアで8位でした。シンガポール、韓国、タイ、マレーシアに負けているんです。日本よりも人口の少ない、小さな国に負けているわけです。ですから訪日外国人を増やす。これを、イギリスが集めている3000万人を目標にする。その根拠は、今、2009年アジア太平洋地区に来ている観光客が1億8000万人です。これが2020年には4億になると言われています。ということは1億8000万のうちの679万人が来ているこの競争を、4億になったときに2500万に持っていく。そのためにやっているのが海外でのプロモーションの強化。そして、主要国際空港、観光のIT化。例えばインターネットの無料LANが使えるようになります。そういう受け入れ態勢を強化していく。

3つ目に、日本の魅力ある観光のコンテンツを拡大していく。例えば医療観光、例えばスポーツ観光。日本ではスキー、そしてゴルフありとあらゆるスポーツができるんです。北は北海道、南は沖縄までいろんなスポーツができます。そして映画、アニメ、ファッション、食文化……そういう日本の売りになる文化、観光としてポテンシャルのあるものをブランド化していく。これを次の作業にしました。

そして4つ目は、休暇改革。ゴールデンウィーク、年末年始、お盆、全ての人が集中しているのを、出来る限り分散させていく。これらの4つをテーマにして、国を挙げて取り組む、としてきました。今まで特に観光庁だけでやってきたものを、例えば、祭り、文化などは文化庁とやっていこうと。例えば医療観光、これは厚生労働省と経済産業省と組んでやっていこうと。いろんな省庁と組んでやっていこうと。オールジャパン、国で取り組む。その結果、まずひとつわかりやすい例を言えば、訪日外国人679万人が、861万人になりました。目標の1000万に届かなかった原因は、リーマンショックとか尖閣諸島の問題がありました。でも、皆さんのおかげで30%以上あがった。ただ、目標から見るとまだまだそれは始まったばかり。

今日、ぜひご意見をいただきたいのは、どういうところが受け入れ態勢として足りないのか、そこは率直にお聞きしたいな、と思っています。私もヨーロッパとか海外、世界104カ国を旅行しているのですが、先々で日本のイメージをよく聞きます。そのイメージをどうやって、魅力をわからせていくか。こういうとこが、これは観光だけじゃなくすべての産業に共通することですね。鎖国をしてきた、これを世界のマーケットにどうやって売り込むか。営業が問われているんですよ、これから。そういう意味ではここを、理論だけではなく、より具体的に進めていくべきだと思っております。


松嶋:今、具体的に観光庁が取り組んでいるという内容を聞いたのですが、実際に2010年を振り返って、今おっしゃった活動をどういった形で実現していったのか。意識付けに関しては、自らテレビに出たり、宣伝していかれたかと思うんですが、それ以外のことで観光につながる何かを作り、進んだことがあったでしょうか。例えば、フランスのことを言うと、地方の都市がそれぞれ観光局を持っています。ニースだったら、ニースの観光局があって、その観光局の中で色々なことに取り組んでいるんですが、実際日本では、そういったところがあまり見えてきません。

溝畑:それはたぶん、関心を持たれてないというか、我々の情報発信も不充分なのかもしれません。実際のところ、福岡とか、いま空港から港湾から全てのところに、言語表示をはっきりし、なおかつガイドがしっかりついています。これはこの1、2年なかったことで、それ以外にも京都、広島、東京、最近では浦安、こういったところがまず、これから観光客を受けていかないといけない。

松嶋:そういうところは指導されているんですか?

溝畑:そうです。拠点を作ろうと。全国全ての地方に作るということを、あるとあらゆるところにやる前に、まず優秀事例を作ろうとしています。ホテルなんかもそうですね、プリンスホテルさん、東横インさんも中国語放送を入れられるようになりました。そういうことで我々が直接やるというよりも、民間の方が自主的にやっていかなければならない分野があるわけですね。

松嶋:それは意識付けをすることで自主的にやられているのか、サポートをされているのか……。

溝畑:そうですね、自主的に。サポートというか、これからの日本の経済、観光行政を考えた場合に、中国の方々を受け入れていくというのは極めて重要な課題です。ぜひ中国語放送をやってほしいとよびかけたところ、プリンスホテルさんなどは全館やられたわけですね。これは全てのホテル、旅館でやってほしいことですが、やはり金がかかりますよね。それを自発的にやってもらうにはまず、これをビジネスの重点課題にし、優先的にやっていかなくてはいけない。これは息の長い作業になりますが、積み重ねが大事です。これはひとつの例ですけども。受け入れ態勢ではこういうことが始まっていると言えます。

松嶋:今、実際4つのビジョンを聞いたんですが、2011年、この4つのビジョンに対して新しくどういった手を打っているんですか?

溝畑:まず861万から、早く1000万を超すこと。ということは中国からの観光客が今141万、これを200万にもっていかなくてはいけない。韓国からの観光客が243万なのを300万に持っていきたい。で、中国に関してはここのところ尖閣諸島(問題)以降へこんでおりました。観光というものは政治、外交、為替などの影響を受けます。

松嶋:大きいですね、フランスも戦争の時は、アメリカから来なかったですね。

溝畑:やはり、リスクマネージメントがすごく大事で、やはり中国に対してはきめ細かさがいるな、と思っています。中国の方っていうのは、こちらに来るにあたって、今までは東京、富士山、大阪というゴールデンルートがあったんです。だけど、やはりもっときめ細かく、地域、所得によってコンテンツで攻めていった方が良いというようなことがあるんですね。それから、中国からの観光客は、国際競争になる。韓国とシンガポールとタイと奪い合いで、ここに最近は台湾も参入しています。そういう中で、日本の魅力の伝え方に、まだまだ工夫が足りないと思っています。ここはむしろ改善しなくちゃいけないところですね。

松嶋:具体的なプロモーション強化と言うと、旅行代理店に対するセミナーをやったりとか旅行代理店を日本に招待したりとか……。

溝畑:そうです。今まででいうと、向こうで新聞広告であるとか、TVでコマーシャルを出すとかいうことが中心だったんですけど、それじゃなくてむしろ各年代によって読む雑誌も違うわけですよね、20代、30代、40代もっと細かく分けて、そういう掲載の仕方も変えていくとか。あと力を入れているのはメディアの招聘ですね。これは非常に効果があったなと思っています。中国の旅行会社であったり、観光の事を書いてくれるライターさんとか、そういう方を呼ぶわけですよね、そして書いてもらう。そういったメディア招聘事業に力を入れていこうとしています。

松嶋:僕も実際、フランスの店があるニースという町の観光局は、幸いヨーロッパのすべての都市を押さえていますので、必ず1週間に1組か2組は観光局の招待でジャーナリストが食事に来るんですね。で、それをひとつのネタにして観光につながるような記事を書いていただくんです。ニース市が早かったと思う行動が4年前にありまして、中国の上海、香港からジャーナリストを各20名、全部で40名、一気に招待したんですよね。それで、色々なところを案内して、うちのお店にも食事に来て、一昨年上海万博のときにフランスはニース市が、ニースのオペラを出していたんですよね。戦略的にそういうことをやっていて凄いな、と思っていますし、その結果国家首相がニースにやってきまして、ニースでサルコジさんとの対談があったんです。そのおかげと、その前から取り組んでたことによって、中国人がものすごく増えたというのを、ホテルの経営者からよく聞きます。そういう風に長期的にうまく、これからこの国にターゲットを絞って……何かを取り組んでいることってありますか?


溝畑:やはりこの3年、中国、香港、韓国、台湾、この4つの国はまず成長の余力があるということと、アクセス、時間の問題ですよね、3時間以内で来られる。実際、今7割の観光客がこの4カ国からなんですよね。この中でも韓国、中国には余力があります。また民間、自治体でも交流を重ねてきています。で、あとアジアの中で、今伸びが激しいのはタイ、マレーシア、ベトナム、インドですね。特に今年はインド、ベトナム、ロシア、こういうところに力を入れていこうと。もうひとつはアメリカですね。実はこれだけ交流があって、いままで毎年80万人以上の人が来ていたんですが、リーマンショック以降、経済の低下があって。それと、正直我々がアメリカに対して観光のプロモーションをやってなかったんです。2012年は、日本の桜がアメリカに行って100年になるんですね。これに的を絞って、アメリカ、特に在日米軍のOBの方々にうまく呼びかけて行こうと思っています。

松嶋:アメリカって聞いて驚きましたね。米軍の方、OBの方をもう一度呼ぼうというのはすごく良いことだと思います。僕が普通にフランスでお店をやっていて、日本が素晴らしいと思うことがあって。ニースというのは第3世代60歳から70歳の方が多く住む町なんですが、そういった方がうちのお店に来た時に、「あなたのお店に来たら昔の日本を思い出す」と言ってくださるんですが、日本の何が良かったんですか?と聞くと、「日本のおもてなしが素晴らしかった」と。「私は昔、日本でビジネスをして、成功して今この街に来ている」と。その時の日本の思い出が本当に良い印象だったようで、もし米軍の方たも日本の良い思い出があれば、そういったプロモーションをしたときに気持ちをくすぐられるでしょうし、そういった方たちが旅行にお金を落とす額が大きいですし、狙いがあるのはすごいと思います。

溝畑:あとはですね、2つありまして。これは反省しなくちゃいけないことなんですが、日本にはたくさん留学生が来ています。実はこの留学生をいい意味で活用して、日本のファンになってもらって、卒業された方とネットワークを作ってキープしていくと。こういったあたりはアメリカとか他の国に比べると非常に遅れています。

もうひとつはもう松嶋さんもお気づきだと思いますが、日本の場合は縦割りで、この分野での横の連携が出来ていませんでした。ここは一元化して、国のセールスはひとつなのでワンストップ化して事務所もひとつにしようと考えています。まずは、北京とバンコク、そして将来的にはパリも含めて、そういう我々の国際観光の拠点をひとつにまとめていこうと。海外の方からしたら、なぜ、きわめて非効率にバラバラにやってるのかと。こういうことを1個1個つぶしていかなきゃいけないなと思っています。

松嶋:仕事で外務省に出入りすることもあるんですが、昨年イスタンブールに行くことがあって、大使館の人と話した時に、「これだけポテンシャルのある国だからもうちょっと営業したらどうですか?」と聞くと「これは僕たちの管轄じゃありませんから」と言われました(苦笑)。またマルセイユの領事館に行きまして、これだけ貿易の活発な地域なんだから色々日本とやれるんじゃないかと提案させてもらったんです。フランスでは武道が大変盛んで柔道が強くて、これらをうまく使ったらどうかという話をしたら「そういうのはこちらではやっていません」と。軽く流されて、「私はやってないんで、あちらでいかがですか?」っていうこともなかったですね。

溝畑:すぐに結果が出るわけではないと思うんですけど、今度、前原大臣が外務大臣になったんですね。前原大臣は非常に観光に力を入れていて、外務省の経済対策のなかで観光立国を大きい柱にしたんです。早速大使館はすべて営業、たんに儀礼的な交流をしているんじゃなくて、営業!と。これはすぐに松嶋さんから合格点をもらえるとは思いませんが、深く反省してひとつにまとまってセールスしていこうと思っています。

松嶋:やはり観光の窓口として、出入りしやすい大使館を行政が作ってあげるのが大事だと思います。日本も経済的に豊かだったころはよかったかもしれませんが、もうそろそろおしりに火がついて、急いでいかないと大変なときだと。

溝畑:あとお聞きしたいのが、年末年始に各国、10カ国ぐらいの商社マンから、外国人は日本をどう思っているのか、と聞いて回ったんですが、共通しているのが「日本の魅力はある」と。「但しまず物価が高い、遠い」まずこのところが引っかかっているのと、「空港とか駅とか、そういうところではコミュニケーションはとれるけど、他のところでは英語が通じない、愛嬌がない、非常に怖い」と。「なので、ウォーミングアップで中国、韓国に行って、日本はそれから」だと。10カ国中8カ国からそういう意見がでたんです。これが普通の人の感想。それを聞いて、物価について正しいイメージを顧客の皆さんに伝える努力をしないといけないなと。そういったところをどう思われますか?

松嶋:日本人はブランディングって言葉がすごく好きだと思うんですが、どうも高いものだけがブランドというのが頭の中にあるんじゃにないかと。でも、自分たちのなかで価値を生むものがブランディングで、高いものでも安いものでも、それこそユニクロさんもまさしくそうだと思うんですけど、そういった気持ちを持って取り組んでいけば安いものでもブランディングできると思います。

また、そういったものを海外に発信していけば物価が高いってイメージは崩れていくと思いますし、海外から日本に行った知り合いからは、こんなにおいしくて安く食べられる国はほかにない、っていう声を一番聞きますね。実際にフランスに住んで5ユーロ、日本円で700円くらいですね、それで何を食べられるかと言ったら、サンドイッチ1個やっと食べられるんですよね、ニースですと。東京だと定食屋に入ればそこそこ食べられると思いますし、実際フランス人の声を聞いていると、とにかく安い、と。だからイメージだけが先行している。日本の経済が成長してきたっていういいイメージが逆に頭に残っていて、それで日本のイメージが悪くなっているんじゃないかと思います。日本の経済の成長が生んだひとつが食文化でもあると思うんで、僕は食を代表する人間としては、そういったものをうまく使って、日本はおいしくて安く食べられるし、安く泊まれるところもあると、そこをうまく発信していけば、打開は出来るかなと思っています。

溝畑:ヨーロッパの方は結構自分で調べてインターネットとかブログとかフェイスブックとか情報をとるようにしているので、比較的リピーターを通して伝わっていると思うんですね。やはりブランドと言うところで言うと四国の高松に小さい島があります。“直島”という島で、ここにアートの島をつくったんです。直島がうまかったのは、イメージを作るのにフランスをターゲットにしたんです。フランスの人にアピールしたらピラミッド効果でイタリアとかドイツも注目したんです。

松嶋:フランスの持っているヨーロッパへの情報発信力はとても強いと思います。アート以外でも、パリジャンにはすごくPR力がありますよ。


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テキスト 東谷彰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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