グローバル視点の京都ガイド登場

世界発売され、話題の京都ガイド エディターが語る制作裏話

グローバル視点の京都ガイド登場

タイムアウトの『Kyoto Shortlist(京都ショートリスト)』が発売された。タイムアウトのトラベルガイドは、世界の人気渡航先55都市を網羅し、シリーズトータルで毎年100万部以上を販売している、世界で非常に評価の高いガイドブックだ。今回、世界発売された『Kyoto Shortlist(京都ショートリスト)』は、トラベルガイドシリーズ内のポケットガイドシリーズ最新刊となる。日本に在住するローカルエキスパートによって取材、編集が行われ、そのグローバルな視点は、これまでなかった新しい切り口で、京都の魅力を伝えている。今回は取材を担当したエディター、ニコラス・コールディコットに彼の目から見た京都の魅力、そして、制作時の苦労話や感動したことなどについて語ってもらった。

TOT:タイムアウトロンドンと仕事をすることになったきっかけを教えてください。

ニック:2004年にトラベルガイド『Time Out Tokyo Guide』のコンサルタントエディターとして働いていて、そのまま2007年の『Time Out Tokyo Guide』と『Tokyo Shortlist(東京ショートリスト)』の第一号の編集も担当した。2008年に、ロンドンから、『Kyoto Shortlist(京都ショートリスト)』についても書いて欲しいと頼まれた時は、まさに憧れの仕事が来たという感じで、実際に、その通りだった。2009年の9月に出版された『Time Out’s World’s Greatest Cities』でも、京都に関する部分を担当しているよ。

TOT:9月に発売された『Kyoto Shortlist』を執筆するに当たり、どんなアングルから書こうとしたのですか?

ニック:多くのガイドブックは京都のことを、沢山の遺産に囲まれてモダンさを欠いた、時代から取り残された都市のように色付けしている。それはそれでロマンチックな考えだけど、自分にとって京都は全然違って見えたし、一般的なガイドブックが言っているよりもっともっと刺激的だった。京都は過去と現在がすばらしく調和していて、それがこの都市に興奮する由縁だよね。

それから、もう一点、みんなお寺に少し疲れているんじゃないかなと思ったんだ。京都の歴史的建造物を回ろうとしたって、京都には1600のお寺と400の神社がある。このことを思えば、ガイドブックにわかりやすさを期待するのは無茶なことだ。何を取り上げるかを考える際に、絶対見ておくべきところや見過ごされがちな”宝石”たちに焦点をあてるようにして、選択肢の多さに読み手が辟易しないようにすることになかなか苦労したよ。

一生に一度は京都へ行ってみたい、というくらい、京都に旅する人は遠くからわざわざ時間とお金をかけて来ているし、京都はどこへ行くにも、地図があったとしても、本当に見つけづらいから、僕がレビューしたところ全ては、そういった努力をしてでも行く価値がなくてはならないよね。

TOT:取材で京都のホテル、レストラント、バーを回った際に、大変だったことは何ですか?

ニック:どこでもそうなんだけど、京都は特に、入場を拒否されたり、普段と違うものが持ち込まれるのを嫌う場所が結構ある。でもそれは特に問題じゃない。僕が入れなければ、ガイドの読者も入れないから、そういう場所はレビューする必要がないだけだよね。実際、危険なのはその逆で、良いお付き合いをさせてもらっている方に案内してもらったりすると、普段では体験できないようなディープな京都を知ることができて素晴らしい。だけど、それは特別待遇されてしまっていて、誰にでも起きることではないから気をつけないといけないよね。だけど、オープンにされてないそういう場所のひとつに、際立っていたところがあった。フランス人のオーナーと日本人の奥様の経営している、素敵にリフォームされたタウンハウスに泊ったんだ。絵のような美しさで良心的な価格設定だったから、ガイドブックに取り入れようとした。ところが、オーナーは写真撮影も嫌がり、旅館の名前やアドレスも載せて欲しくないと言う。彼曰く、外国人受け入れはOKだけれども、できればしたくない、なぜなら外国人は「ここから一番近いバス停はどこ?」とか、面倒な質問ばかりするからだと。そういった理由で、残念ながらガイドには掲載できなかった場所もあった。

TOT:『Kyoto Shortlist』の読者にメッセージをお願いします。

ニック:京都は最高に美しくて、そして、不可解な街。このガイドブックの中にある雰囲気の一部に触れるだけで、たちまち京都の魅力にとりつかれてしまうと思うよ。

タイムアウト『Kyoto Shortlist(京都ショートリスト)』、オンライン版はこちら

テキスト TOT
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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