2010年12月02日 (木) 掲載
「気になる店だけど、メニューはどうなってるの?」誰もが抱く関心に、タイムアウト東京の人気ヴェニューで答えていく新シリーズ。第1回は、2010年10月に東京初出店を果たした、京都・祇園の行列のできる甘味処『ぎおん徳屋 ユナイテッドアローズ 原宿本店 ウィメンズ館』を取り上げる。おしながきには、イラストでメニューが描かれているのみ。素材も工程も吟味して作られた絶品5品の姿形を、店舗に行く前に見てしまおう。
京都から届く、搗きたての生餅を、各テーブルの上に用意されたコンロと網でこんがりと焼き、ぜんざい(又はしるこ)、きなこ、甘しょうゆ、海苔、山海煮(しその実の佃煮)の5種類の味で楽しめる贅沢な一品。まずは、お盆の中央、金粉とともに提供されるぜんざいに餅を浮かべる。熱々の餅がじゅっと音を立てながら沈み、甘みを吸っていく。ぜんざいは非常にさっぱりしている。続いて、香りが高い甘しょうゆ。それだけで味わうのも良いが、甘しょうゆをからませた餅を海苔でまいたり、塩味の効いた山海煮をつけて食べるのもオススメだ。きなこで味わう際は、一緒に用意される湯に餅をくぐらせるとからみやすい。餅が8個もあるので、さまざまな味わい方を試せるのがとても楽しい。軽めの食事にもなるボリュームだ。
初めて見るスタイルのわらびもち。氷の上に花弁のように並べられ、箸ですくうと、どこまでも伸びる弾力がある。上質な本わらび粉と和三盆糖を丹念に練り上げ、作り置きは一切せず、オーダーが入ってから練るというこだわり。黒みつをつけなくても、それだけでほんのり甘い新触感のわらびもちは、徳屋に来たら、必ず味わってほしい一品だ。
朱色のお椀の蓋をあけると、抹茶、和三盆、黒糖の3種類で仕上げられた色とりどりの寒天が目を楽しませる。8ミリ角ほどの小さめにカットされた寒天は、歯ごたえを残しながらも柔らかい。まずは寒天の味を楽しみ、それからお好みであんこ、栗、はったい粉の入った香ばしい白玉を合わせて食べるのがオススメだ。
冬でも人気のかき氷は、高さ15センチほどにこんもりと盛られ、下は堅め、上はふわふわとした2種類の食感が楽しめる。下の部分にはお濃い茶で作ったシロップがたっぷりと含ませてあり少し甘めだが、別椀で提供される甘さが一切ない抹茶をかけて食べると、苦味の利いた大人の味になる。また、氷を食べすすむと、中からあんこと、はったい粉入りの白玉がのぞき、それがまた嬉しい。どんなに美味しくても、急いで食べれば頭が痛くなるかもしれないので、注意が必要だ。
原宿限定のメニュー『あいすくりん』は自家製で、『徳屋の黒みつ』と『京抹茶と和三盆』の2種類を提供。どちらもかなり濃厚な舌触りにまず驚く。レシピの秘密は、普通のアイスクリームよりも各材料を多く使っているというシンプルなもの。『徳屋の黒みつ』は、黒みつがねっとりとしたクリームになったような食感。一方の『京抹茶と和三盆』は苦すぎず甘過ぎない 、さっぱりとした抹茶味だ。ひらひらと揺れる金箔と薄緑のコントラストも美しく、黒みつの甘さをたっぷりと味わった後の清涼剤に最高の一品である。
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