2015年03月04日 (水) 掲載
演劇、グルメ、ファッション、そして音楽。雑多なカルチャーが寄り添うように共存する街、下北沢では、レコードショップの名店も多い。カルチャーを愛する人々や地元住民によって支えられてきたこの街では、渋谷のレコード街のように時代の興隆に左右されることもなく、ほとんどのショップが息の長い営業を続けてきた。ここでは、戦前の欧米音楽から辺境音楽までを揃えるマニアックな一軒から、クラブDJ御用達の一軒まで、個性豊かなレコードショップの数々を紹介する。
まずは、下北沢の顔ともいえるこの一軒。行き交う人々の目を引くファンシーな看板に吸い込まれるように階段を上がると、広々とした店内に敷き詰められた大量のレコードと、ヴィンテージなサウンドシステムから流れる大音量のBGM、そして気さくな人柄の名物店主が迎えてくれる。ソウル、ファンク、レアグルーヴを中心に、ロックやジャズ、ニューウェイブ、ハウスなども揃える。良盤の薄利多売ともいえる店主のサービス精神には、有名DJやアーティストにもファンが多い。
都内でも有数のオールジャンルのアナログ新譜を扱うレコードショップ。ヒップホップ、ハウス、テクノ、ジャズ、ソウル、インディーポップなどジャンルを横断して注目作品をチェックできる。国内のインディアーティストの作品も自主制作盤を中心に取り揃えており、下北沢の情報交換のサロン的な役割も果たしている。
中古レコード、CDを中心に、SSWやレアグルーヴ、辺境モノなど、オーナーが面白いと感じた音楽をジャンルにとらわれずセレクトしている。新品や古本、雑貨の取り扱いもある。ゆったりとした空気の流れる店内で試聴ができるので、ついつい長居してしまいそうだ。時折、ミニライブや展覧会も行っている。
1995年から2007年まで下北沢の北口に店舗を構えていたBEST SOUND RECORDSが、7年ぶりに営業を再開。白を基調にしたカフェのような空間には、ロックやフォーク、ジャズを中心に、約3千枚のレコードを揃える。カリフォルニアから買い付けたレコードは、定番モノから希少盤までがリーズナブルな価格で並び、中でも、ロッククラシックやフォーク名盤などを安価に揃えられる1,000円均一コーナーは必見だ。
新品輸入、国内盤と中古輸入盤、音楽雑誌を主に取り扱う。主にブレイクビーツやレゲエ、ダブ、ベースミュージック、グライム、ヒップホップ、ドラムンベース、ハウス、ジャズ、ファンク、ロックなどを揃える。また、ブリストルとのコネクションをいかした入荷も多数。柔軟な耳でセレクトした幅広いスタイルの音楽を、流行にとらわれず紹介する。
1920〜60年代の33回転、45回転、78回転のレコードを中心とした、ヴィンテージミュージック専門店。戦前のジャズやカントリー、ワールドミュージックなどを扱う。狭い店内に大量に並んだアナログ盤から立ち上る、長い時を経た独特の香りには、タイムスリップしたかのような錯覚を覚える。それぞれの盤には丁寧な解説が付いているので、じっくりと試聴しながらお気に入りの1枚を発見しよう。
下北沢の老舗レコードショップといえばここ。店内に所狭しと並べられた中古レコード、CD、DVD、ビデオは、定番モノからキワモノまで、幅広い品揃えだ。特にレコードは、洋楽ロックやダンスミュージックに始まり、実験音楽、アイドル、落語、雅楽まで、掘り甲斐がある。
2013年4月20日にオープンしたWEEKEND RECORDSは、かつてニューヨークのブルックリンで人気を博した同名レコード屋を経営していた店主が、帰国後に日本全国を転々としたのちに下北沢に辿り着き、開店した。買い付けは現在もニューヨークやシカゴで行っており、DJシャドウやカット・ケミスト、ケニ-・ドープ、DJスピナなど超有名DJも訪れたという、ブルックリン時代の雰囲気をそのまま再現している。
曽我部恵一がオーナーを務めるカフェ兼レコードショップ。古い雑居ビルを4階まで上がるとずらっと並んだレコードに迎えられる。扱うジャンルはロックやアシッドフォーク、レアグルーヴから、ハウス、アンビエントまでと幅広い。1枚1枚に手書きのコメントが付き、試聴も可能なので普段レコードショップに訪れない人も気軽にジャケ買いができそうだ。店の看板メニューの生パスタは強いコシともちもちした食感でファンも多い。
下北沢の穴場レコード屋といえば、ソウルジャンクションレコードだ。現在は基本的に土曜日のみの店舗営業(不定期)のため、それ以外の日程で訪れたい場合は直接電話連絡を入れる必要がある。ソウルやジャズ、R&B、ヒップホップ、ロック、レゲエ、クラブミュージックなど、オールジャンルの中古レコードを取り扱う。UKソウルや、R&Bの歌物12インチ、レアグルーヴやソウルの7インチなども充実している。
Copyright © 2014 Time Out Tokyo
コメント