レッドブル・ミュージック・アカデミーでしかできない10のこと

カッティングエッジな音楽イベントが日本初上陸

レッドブル・ミュージック・アカデミーでしかできない10のこと


in association with RED BULL MUSIC ACADEMY JAPAN

『レッドブル・ミュージック・アカデミー』(以下RBMA)とは、若手で才能溢れるアーティストたちを支援する世界的な音楽学校。1998年から世界各国で毎年行われ、参加した卒業生はFlying LotusやNina Kravizなど、音楽シーンで活躍中だ。そして今年はついに待望の日本初上陸となった。音楽学校の開校に合わせて、2014年10月12日(日)から11月14日(金)までの約1ヶ月間、音楽、アート、カルチャーが融合したコンサート、イベント、トークショーの数々を都内各所で約1ヶ月間に渡って開催する。その中でも他の国のRBMAでは体験できない日本ならではのカッティングエッジなイベントを10件ピックアップした。


1. 電子音楽の祭典に集う。

エレクトロミュージックの祭典『EMAF TOKYO(イーマフ トーキョー)』こと『Electronic Music of Art Festival Tokyo』が2年目の開催を迎える。1日目の1階メインステージには、UKのベテラン・プロデューサーでありエイフェックス・ツインの仲間でもあるLuke Vibert、デジタル実験主義者Holly Herndon、R&S代表選手Lone、新作を発表したばかりの期待のsubmerseらが出演。2日目には、Hemlockの頭首Untold、ブレインフィーダーの貴公子Matthewdavid、アカデミーの講師を務めたこともあるAddison Grooveらが登場する。2FのKATA及びLIQUID LOFTでは、国内を代表するエレクトロニック・レーベルflauが1日目に、様々なジャンルを横断する魅力あるサウンドを展開するkilk recordsが2日目に、それぞれプログラムを展開。電子音楽界のスターが国内外から集まる祝祭は、今年も要注目だ。

『Red Bull Music Academy Presents EMAF TOKYO 2014』の詳しい情報はこちら



2. ベースミュージックに身を委ねる。

ダブステップ・シーンの黎明期から数々のクラシックをリリースし、各国のプロアを沸かし続けるオリジネーターDigital MystikzのMala。そしてMalaと盟友でありシーンの最深部まで到達した稀有な日本アーティストGOTH-TRAD。彼らによるサブベースのコントロールによって空間が歪む一夜となるだろう。今回RBMAと協力するのは、18年続く国内最長のベース・ミュージック・パーティ『Drum& Bass Sessions』。代官山Unitでの長年の経験から裏打ちされたフロア環境は、都内有数の低音の効いた音響空間である。重低音で瞑想しよう。

『DBS - A Red Bull Music Academy Special with MALA』の詳しい情報はこちら



3. レコードディガーの底力を知る。

アルバムをリリースする前に、DJプレイのスキルで名を馳せるDJは稀有である。独自の感覚で「ディグ」したレコードをフロアの反応を察しながら繋ぐ。その代表的なDJとして、UKからはベース・ミュージックをテクノと融合するBen UFOと、日本人にしてベルリンの名門クラブBerghainでのプレイ経験を持つDJ NOBUが選ばれ、バック・トゥ・バックで共演する。青山蜂、青山Oath、青山Tunnelの隣接する3箇所で同時開催され、当日は目利きの「ハードディガー」たちが集う濃厚な一夜となる。

『Red Bull Music Academy presents 6852: Stratovolcanic Vinyl』の詳しい情報はこちら



4. サウンドシステム・カルチャーの真髄に触れる。

イギリス、ニュージーランド、日本のサウンドシステム・カルチャーを熟知したアーティストが集う一夜。ロンドンからはルーツレゲエの伝道師DJのJah Shakaと、初来日となるニュージーランドの7人組ジャム系バンドFat Freddy’s Drop。国内からは、世界的なサウンドクラッシュ『World Crash1999 in New York』で優勝したMighty CrownのメンバーCojieと、今回の現場である代官山Unitにも度々出演するJah-Light Sound System。Buraka Som SistemaのBrankoも出演する。大音量でしか知覚できないダブの魅力を体感しよう。

『Red Bull Music Academy presents The Roots Commandment: Tokyo In Dub』の詳しい情報はこちら



5. カラオケ生中継をのぞく。

日本発の文化「カラオケ」をフィーチャーしたユニークな企画。関西の若手新気鋭トラックメイカーSeiho、tofubeatsや、20年以上のキャリアを持ち卓越したムード作りの達人DJ Moodmanは見逃せない。なかでもtofubeatsは、芸能人をヴォーカルとして招いたポップソングをリリースした直後なのでカラオケプレイには適任だろう。カラオケ館 新宿店の7つの部屋からオンライン生中継も行われるので、普段は観ることのできないアーティストの一面をのぞいてみよう。

『Red Bull Music Academy presents Lost In Karaoke』の詳しい情報はこちら



6. ノイズの波にのまれる。

対極的なテーマを取り扱った2本立てのイベント。前半のテーマは「嘆きの音(Wails)」。灰野敬二による不失者、そしてMelt-Banana、暴力温泉芸者、Masonnaといったジャパノイズのレジェンドたちによる逼迫したライヴが行われる。後半は「ささやき(Whispers)」をテーマに、客が寝袋を準備。アンビエント音楽の先駆者Robert Richがかの有名な『スリープ・コンサート』を遂行するとともに、灰野敬二による弦楽器HURDY GURDYの演奏で眠りに誘う。会場は実験音楽のイベントが多数行われる六本木SuperDeluxe。地下にあるフロアは都市の雑音が入らないので寝心地が良いはず。極限の緊張と弛緩を楽しもう。

『Red Bull Music Academy presents Wails to Whispers』の詳しい情報はこちら



7. 和のビートを再確認する。

先鋭的なアーティストが多数を占めるラインナップの中で、日本の伝統的な楽器の演奏を取り入れたイベントも行われる。この『The Garden Beyond』は「静と動・光への道」をテーマに、日本のヒップホップ黎明期より活動するターンテーブリストのDJ KRUSHが、太鼓、尺八、鳳笙、篳篥の演奏者とこの日限りの貴重なセッションが予定される。普段はイベントの行われることのない東京国立博物館の法隆寺宝物館を背景にした、歴史の重みを感じさせる幽玄で崇高なライヴに耳を傾けて欲しい。

『Red Bull Music Academy presents The Garden Beyond』の詳しい情報はこちら



8. 奇才同士の邂逅に立ち会う。

即興をテーマに、本年度のRed Bull Music Academy参加者が演奏するという特殊なイベント。参加者の指揮を執るのは海外でも活躍する実験音楽家2名。77台のドラムとのコラボレーションイベントである『77BOADRUM』をNYで企画したBOREDOMSのリーダーEYヨと、合奏をテーマした協働アートプロジェクト『アンサンブルズ』での活動によって得られた経験を発揮する大友良英。普段は社交ダンスの場として営業する会場、ホール新世紀では、なにが飛び出るかわからない、この場限りのセッションが行われる。

『Red Bull Music Academy presents Chaos Conductor』の詳しい情報はこちら



9. ゲーム音楽の功績を振り返る。

数々のテレビゲームを輸出した国でもある日本。普段はなかなか表に出ない音楽制作者にスポットライトを当てた、RBMAによるドキュメンタリー・シリーズ『Diggin'In The Carts』の公開を記念した一夜となる。ゲームミュージックはチップチューンなど音楽シーンにさまざまな想像力を提供した。当日は、天井が4階まで吹き抜けになっていて開放感のある渋谷Wombのメインフロアを舞台に、日本ならではの独自の解釈が施されたゲームミュージックに驚嘆できるはずだ。

『Red Bull Music Academy presents 1UP:Cart Diggers Live』の詳しい情報はこちら



10. プログラミングから生まれるアートの秘密を知る。

最新のテクノロジーと融合したパブリックレクチャーが企画される。プログラマーでありアーティストの真鍋大度は、プロジェクションマッピング(立体物に映像を投影する技術)を使いこなし、J-PopグループPerfumeのステージ・ショー・デザイン、Nosaj ThingのPVなどで世界的に注目を浴びる。また顔面の筋肉を使い音を鳴らすプログラムを開発するなど、人体をハッキングするというテーマが彼の中で繰り返し行われる。まだ詳細は未定だがプログラミングを用いた一筋縄ではいかない企画が待っているだろう。

『Red Bull Music Academy presents A Conversation With Daito Manabe』の詳しい情報はこちら



テキスト 高岡謙太郎
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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