アスティエ・ド・ヴィラットと節子・クロソフスカ・ド・ローラ展

アスティエ・ド・ヴィラット（ASTIER de VILLATTE）社は、フランスに数世紀続く旧家の末裔にあたるデザイナーが、パリのボザール（パリ国立美術高等学校）で出会ったアーティスト仲間とともに始めたブランド。 19世紀以前の手法を用いて職人が残す「跡」を大切にして作られる陶器が中心。その細部にまでこだわりをもった彼らにしか生み出すことのできない作品は、フランスだけでなく、世界中のセレクトショップで販売され、多くの人々から絶大な支持を得ている。

そんな彼らと20世紀最後の現代具象絵画の巨匠バルテュスの妻であり、芸術家、随筆家としても活躍する節子・クロソフスカ・ド・ローラ伯爵夫人がコラボレーションした作品が、H.P.DECOで発表されるのだ。25種類の陶器からなる『セツコ・コレクション』は持ち手が三つ編みになった水差し、幾何学的な模様で装飾されたバスケット、猫のインセンス・バーナーなど、女性らしく、アーティスティックな作品ばかり。そのほか、シャレーの壁面に施された幾何学模様が原点となった『グラン・シャレ・コレクション』や菩提樹が爽やかに香り立つキャンドル『グラン・シャレ』、ジョン・デリアンとの共作である『ブルーコーラル・コレクション』、ナタリー・レテによる活版印刷のノートなどが勢揃いする。アスティエ・ド・ヴィラットの世界観を堪能できる、貴重な機会となりそうだ。