東京、季節限定かき氷10

神保町、銀座、根津などでこの夏食べるべき氷

東京、季節限定かき氷10選

前回のかき氷特集では1年中食べられる店を紹介したが、かき氷の本番はやはり夏。暑さが厳しくなると軒先でかき氷を提供する店もよく目にするようになるが、今回紹介するのは、メインのメニューを凌ぐほどの人気をあつめる本格的なかき氷をつくる店だ。甘味処をはじめ、パン屋、イタリアンレストランなど、それぞれの店の特色をいかしたシロップはどれも魅力的。この季節「限定」と言われると余計に食べたくなるのが人の性だが、食べ過ぎにはくれぐれも注意してほしい。

神保町:avocafe+



2014年まで沖縄料理を提供していたなごかふぇが、近くのavocafeの姉妹店として再オープン。店は変わったが人気のかき氷は今も健在。沖縄のフルーツを使用したものなど、ほかではなかなか食べられないメニューも登場する。店名にもなっている上質なアボカドと、マンゴーのシロップを組み合わせた『アボカドマンゴー』(750円)は、この店ならではメニュー。アボカド本来のクリーミーな食感がいかされた名作だ。金時豆を黒糖で煮た沖縄式のかき氷『沖縄ぜんざい』(650円)が東京で食べられる貴重な店としても覚えておきたい。

提供時期:9月末頃まで

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赤坂:虎屋菓寮



宇治金時好きならば、虎屋の『宇治金時』(通常サイズ1,296円、小サイズ864円)を食べないわけにはいかない。抹茶蜜には宇治抹茶『京の調』を使用しており、徳島県の和三盆糖の優しい甘みで抹茶の香りが引き立つ。氷の底に敷き詰められた滑らかな舌触りのつぶ餡はさすがの美味しさ。シャリシャリとした食感の粗めの氷からも、流行に左右されない老舗の貫禄を感じさせられる。かなり量が多いので『練乳』(108円)を頼んで味の変化を楽しむのも良いだろう。

提供時期:9月30日まで

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銀座:三徳堂



銀座にある台湾のプーアル茶専門店、三徳堂は9月末頃までかき氷を提供しているが、その中の約1ヶ月間だけ提供される氷がある。『マンゴーかき氷』は、台湾直輸入のマンゴーを1個丸ごと使用したなんとも贅沢な氷。黒蜜仕立ての氷が大きくカットされた完熟のマンゴーのフレッシュな甘さを引き立てる。2,000円と高価で、提供期間も短く食べるためのハードルは高いが、毎年この時期を楽しみにしているファンも多い。9種類の豆を使用した『豆豆氷』や、愛玉子ゼリーとフルーツが入った『夏一跳かき氷』などほかのメニューも魅力的なので、食べ損ねてしまっても足を運んでみよう。

提供時期:9月末頃まで(『マンゴーかき氷』は7月15日頃まで)

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三軒茶屋:氷工房 石ばし



古い日本家屋に年季の入った大きなかき氷機、気さくな女将と、氷工房 石ばしはかき氷屋の手本のような店だ。もともと氷問屋であった同店では、子どもは300円でかき氷が食べられるとあって家族連れの常連客も多い。『いちご』や『ブルーハワイ』(各500円)など、昔ながらのシロップから手作りのものまで、バリエーション豊富。なかでも人気の『紅茶ミルク』(800円)は、店同様どこか懐かしい味わい。冬場に販売している焼き芋を煮詰めた『安納芋』(700円)もおすすめ。

提供時期:9月の彼岸頃まで

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笹塚:イタリアン×富士山天然氷 Sciroppo



笹塚にある輸入食品や雑貨も扱うイタリアンレストランper la vita 十号坂店は、2015年から昼間の時間帯にかき氷専門店として営業を開始。使用する氷は2015年から本格的に流通がはじまった富士山の天然氷の蔵元、不二のもの。シロップは『サングリア』(800円)や、『もものカルボナーラ』(800円)など、イタリアンの要素を取り入れたオリジナリティ溢れるメニューが揃っている。なかでも『カプレーゼ』は、トマトシロップに、バジル練乳を合わせた意欲作。さっぱりとした甘さなので、デザートとしても前菜感覚でも食べられる。

提供時期:未定(氷がなくなり次第終了)

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中野:Bar Zingaro



甘いものが得意でない人にも訪れてほしいのが、中野ブロードウェイにあるBar Zingaro。村上隆プロデュースによる同店のコーヒーは、ノルウェーのコーヒーブランドFuglenがサポートしており、そのコーヒーをかき氷にも採用。『エスプレッソ&コーヒーゼリー』(900円)は、苦味よりも酸味がたったさっぱりとしたエスプレッソシロップがかかり、夏にぴったりの爽やかな味わいだ。底にはコーヒーゼリーが敷かれ、氷との食感の差も楽しい。素材の持ち味をそのままいかしたフルーツのかき氷もおすすめ。

提供時期:9月頃まで

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荻窪:甘いっこ



荻窪の甘いっこでは苺とつぶ餡を組み合わせた『いちご金時』が人気だが、せっかくならば練乳、白玉を加えた豪華版『いちごミルク金時白玉』(1,080円)を頼もう。手作り感溢れる素朴なつぶ餡と濃いめの苺シロップの相性の良さには驚かされるが、どちらにも合う練乳が加わることでさらに一体感が生まれる。小ぶりな白玉は冷えても最後までもっちりと柔らかい。氷の量はたっぷりだが、広い皿に盛りつけられているので、崩れる心配がなく落ち着いて食べることができるだろう。

提供時期:10月10日頃まで

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根津:芋甚



根津の甘味処、芋甚では昔ながらの製法で作られる小倉アイスやあんみつが人気だが、夏のかき氷も下町の風情を感じる。先代考案の『氷牛乳』(480円)は、ほんのりレモン風味のさっぱりとした甘さの牛乳に氷を合わせた、いたってシンプルな一品だが、一度食べるとまた食べたくなる不思議な魅力がある。今時のかき氷と違い上の氷にはシロップはかかっていないので、少しずつ崩しながら下の牛乳に沈めて味わおう。とけた氷と牛乳をストローで啜れば、昔懐かしいミルクセーキの味を思い出させてくれる。

提供時期:9月末頃まで

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三ノ輪:むぎわらい



天然酵母のパンが食べられるカフェ、むぎわらいでは、松月氷室の氷で作る「酵素シロップ」のかき氷が食べられる。生の素材に麹を加え、発酵させることで酵素の量を増やしたシロップは優しい甘さ。熊本三角町の有機レモンを使用した『レモン』(800円)は、別添えのシロップのほか、氷の中にはレモンピールもたっぷり入り、レモンの酸味や苦みなどもしっかりと感じられる大人の味わい。甘さが足りない場合は、クセのない甘さのてんさい糖シロップで味を調整しよう。トッピングの自家製の『ミルクキャラメル』(+100円)は牛乳、豆乳が選べるのも嬉しい。

提供時期:9月末頃予定(かき氷の提供は14時~19時のみ)

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武蔵小山:はいむる珈琲店



2015年からかき氷の提供をはじめた武蔵小山のカフェ、はいむる珈琲店では、Sciroppo同様に不二の天然氷を使用。『キャラメルマキアート』(990円)は、氷の上にたっぷりの生クリームとキャラメルソースがかかっており、そこに店自慢のエスプレッソをまわしかけながら食べるメニュー。甘みを加えないエスプレッソシロップはコーヒー好きにはたまらない。自家製の苺シロップには、栃木県の大越いちご園の苺のみを使用しており、桃のような味わいの品種を使用した『桃薫いちご』(790円)は、薄いピンク色のシロップと柔らかな酸味が特徴的だ。

提供時期:未定(氷がなくなり次第終了)

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タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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