ランドセル:バッグの新トレンド

日本の小学校から目抜き通りへ、ランドセルを連れ出したセレブ女優

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ランドセル:バッグの新トレンド

ニューヨークでランドセル姿をスナップされた女優のズーイー・デシャネル Photo by: Splash/Aflo

セレブたちの背中を彩る最新のトレンドの発祥となったのは、ファッションショーのステージではなく日本の小学校だ。そう、どこにでもあるランドセルが、今や小学校を卒業した人々にとっての憧れのアイテムなのだ。ランドセルは本来、重い教科書を持ち運ぶために子どもたちが背負う実用品だが、今ではどうやらファッション通にとってのマストアイテムとなっているらしい。だが一体どうやって、この典型的な日本のアクセサリーは学校からファッションブログへの道を辿ったのだろうか。

実用的なナップザックは、19世紀中頃には日本に存在していた。兵士たちが、オランダ語で「ランセル」という輸入もののリュックサックを使い始めたのである。その後、数十年の年月とカタカナ語としての定着を経て、同バッグは日本の都市や田舎の子どもたちが学校用品を持ち運ぶのに使われるようになった。教育システムや公立学校から義務付けられていたわけではないものの、生徒たちはランドセルの使用を奨励され、その伝統が現在まで続いているというわけだ。

この角形のバックパックは3万円から12万円とかなり高額ではあるものの、それにはしっかりとした理由がある。それは非常に頑丈であるというだけでなく、小学校6年間通しての使用が前提になっているのだ。たいていの場合、祖父母はこの必需品に喜んで財布を出す。これは子どもたちの教育課程の最初の一区間を通じて使えるように作られているのだ。このがっしりとしたバッグは約3kgの本、書類、雑貨などを持ち運べるだけの頑丈さを持っている(日本の小さな子どもたちが重さのバランスを取ろうとしてよたよたしているのを、見かけたことがあるのではないだろうか)。比較的安価なものなら頑丈で防水機能付きの人工皮革製、さらにいくらか積めば、皇室御用達といったような手作りの高級本革製のものが手に入る。

一般的にランドセルを販売しているのは、デパートやチェーンの大型スーパー、専門店などで、特に新年度が始まる前の春先に多く販売される。伝統的に女子は赤、男子は黒のランドセルを持つ。この古典的な色分けは今でも存在するが、ランドセルは今や虹色の世界となっており、女子はピンクやスカイブルー、男子はネイビーや茶色を選ぶ傾向にある。数十年前には、赤と黒以外を選ぶのは不適切だと思われていた。だが時代は変わり、子供たちのランドセルはユニークなデザインや柄のついたカバーなどで彩られるようになった。

女優、歌手であるズーイー・デシャネルがニューヨークで真っ赤なランドセルを背負っている姿を目撃されるよりずっと前、少女たちはフリルのついたスカートとランドセルを絶妙に組み合わせて、原宿の通りを歩いていた。自然な流れとして、日本の流行はすぐに海を渡ることになり、ランドセルは今や『Pinterest』や『Instagram』の世界で定番となった。旅行者の間でもランドセルは人気で、セレブやモデルたちは定番の赤や黒を好む傾向にあるが、子どもたち(あるいは親たち?)はこぞって明るい色やコントラストのある縫い取り、名前の刺繍やきらきらのアップリケ、波形仕上げの縁、ラインストーン、キャラクター物やツートーンのモデルなどに熱を上げている。『ナイキ』や『プーマ』といったブランドはオリジナルのスポーツバージョンを生産しており、『バービー』は、容易に想像がつくだろうが、彼女自身のホットピンクコレクションを持っている(『eBay』にて各10万円前後で購入可能)。

小さな小学生が背負うにはがっしりとして見えることが多いランドセルだが、トレンドセッターの大人が背負うと明らかにちっぽけに見えると言わざるをえない。だが、ズーイーにはこれくらいでちょうどいいのかも……。


同記事の原文はタイムアウト東京マガジン6号でも読むことが可能だ。外国人向けのランドセル購入ガイドも掲載されているので参考にしてほしい。

By Vivian Morelli
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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