タイムアウト東京マガジン7号を手に入れる。日本でしかできない50のことを特集。
街の探索と発見を楽しむ。タイムアウト東京のガイドマップシリーズの入手はこちら。
タイムアウト東京が選んだ東京の最新情報をメールにてお届けします
“フレッシュで速い”メキシカンの新名所 “美味しい料理を素早く提供”を売りに、カリフォルニアテーストのメキシカンが新たに東京にオープンした。『フリホーレス』は全32席のバースタイルのレストラン。場所は日本在住の外国人駐在員に人気のある麻布十番の一ノ橋交差点から程近く、東京の中で最も国際色の強いエリアにある。
メキシカン好きの中には、この店の方向性に難色を示す人もいるだろう。メキシカンは既に色々な形態で存在する。安いメキシカンを提供するチェーンに、マリアッチやエレガントな内装で客を迎える本格的で比較的値段設定の高い店。“メキシカン”という肩書を持ちながらも、ライスにひき肉をのせただけの料理を提供するところもある。財布の紐が固くなりつつも食には今まで以上の関心が向く今、ハラペーニョの刺激や安全な牛肉が使われているかもわからないタコスのために高い金を払う人はあまり多くはないだろう。
「私は9年間に渡りアメリカでレストランビジネスに携わってきました。帰国後、日本にはカリフォルニアにあるようなフレッシュなメキシカンファストフードや、ブリトーを手軽に食べられる店がないことに気付きました。東京にそのような店をオープンしようと考えたのが、フリホーレスの原点です」と宮野は言う。
宮野は加える。「ここ数年、“フレッシュで速いメキシカン”を求める声をたくさん耳にしましたが、結局はクリスピークリームやコールドストーンクリーマリーのような甘味系のチェーン店が日本に進出するだけに留まっていました。私自身メキシカンが大好きなので、メキシカンを未だに食べたことがない人に私が知っている味を提供したい、また、提供することができれば必ず気に入ってもらえる、と思いました。多くの日本人はメキシカン=タコライスだと勘違いをしています。私は、本場のメキシカンにより近いものを再現したいと思ったのです」
アメリカのチポトーレレストランを真似たソフトタコスとブリトーだけを中心としたフリーホーレスのメニュー展開は、クイックランチや軽い夕食に最適だ。「メニューの数を少なく保つことで、確実な味を守ろうと考えました」と宮野。店が独自で作っているトッピングは全てメニューで確認できる。「私たちは毎日ガスグリルで一から料理を作ります。電子レンジは使わず、アドボーはスパイスから手作り。アンチョチリも厨房で炒って粉末まで仕上げています」
看板メニューのブリトーとタコスは、拘りのトルティーヤから作られる。宮野は店のトルティーヤに強く拘った。「ブリトー、タコス、チップス、これらの全てに使われているトルティーヤは、埼玉にある麺加工会社に特注をして毎日作ってもらっています。その会社の社長はシェフ経験のある方で、現在のトルティーヤのレシピに至るまで、その方と一緒に30回以上も試行錯誤を繰り返しました」と宮野は言う。風味が豊かでしっかりしている(食べている途中に崩れない)このトルティーヤはグリルで少々熱することでちょうど食べごろになるように作られている。
スモークされたアドボーマリネチキンかビーフのトルティーヤ、または、人気の高いカーニタスがいっぱいに詰まったトルティーヤ。もしカーニタス目的に行くのであれば、十分に煮込まれた夕方を見計らっていくのがいいだろう。しかし、一日で作られる量に限りがあるので、店に行くのが遅すぎると売り切れてしまっている可能性もある。
柔らかく煮込まれたブラックビーンズ(生豆を使用) か、それより香りが少なめのピントビーンズが優しく肉を包み、その肉と豆はシラントロライムライスで調和される。伝統的なメキシカンではより香りの強いライスが使われるが、フリーホーレスでは、使用しているインディカ米の甘みがシラントロライムと絶妙な味を作り出す。タコスとブリトーにはビーンズとワカモーレのみで作られるベジタリアン用のメニューもある。
フリホーレスはサルサにも工夫を凝らしている。多くのメキシカンレストランで使われている市販のトマトソースサルサと違い、この店ではトマト、コーン、アルボルチリを使った4種のサルサが楽しめる。手作りのワカモーレは揚げたてのトルティーヤチップスと一緒に食べてみて欲しい。
ソフトドリンクはアメリカ式でお代わり自由。ビールはネグラ・モデロやコロナといった代表的なメキシコビールから、有名な埼玉の地ビール、コエドビールの用意がある。気分によっては、店オリジナルのマルガリータを頼んでみるのもいいだろう。
ランチタイムは混雑を覚悟しなければならないので、時間がない場合はテイクアウトを勧める。もしメニュー上で食べたい料理が見つからなければ、是非店員にアドバイスを聞いてみて欲しいと宮野は言う。特に子供が同伴している場合は聞いてみるのがいいかもしれない。なお、様々なお客様に対応するため、フリホーレスには英語メニューがあり、英語対応のスタッフもいる。
「メキシカンを食べて育った人たちに懐かしいと思ってもらえる味を提供したい。そして、メキシカンを未だに食べたことがない人たちには、この素早く提供できる美味しいメキシカンを知ってもらいたい」という思いを持つ宮野は、2010年内に東京に二店舗目を計画している。
東京都港区麻布十番2-3-5
アクセス東京メトロ南北線、大江戸線『麻布十番』駅
03-6459-4095
Copyright © 2014 Time Out Tokyo
コメント