2014年07月07日 (月) 掲載
プリンの話となると避けて通れないのが、たっぷりの卵でかために仕上げた「しっかりタイプ」とクリームのような「なめらかタイプ」、どちらが美味しいかという議論。コンビニのデザートコーナーを見れば「なめらか」が圧倒的優位に立っているように思えるが、昔懐かしい「しっかり」を推す声も多く聞かれる。しかし、美味しいプリンというのはどちらのファンも納得させるだけの力を持っているものだ。ここでは東京の個性豊かな15軒を紹介する。両方のタイプを置いている店も多いので食べ比べて見るのも楽しいだろう。
新鮮な卵を使用したプリンはナッツがかかることをのぞけば、驚くほどシンプル。カラメルソースも控えめな存在感。甘さもかなり控えめでさっぱりと食べられる。鶏の声が聞こえる。駅から徒歩30分という場所だが、わざわざ買いにいく価値はある。なめらかプリンもくどさは皆無。つるりとのどごしが良く、しっかり派にも受け入れられるはずだ。
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下北沢などに店舗をおく、卵の専門店、とよんちのたまごでは、千葉県房総の豊和養鶏場でとれた新鮮な卵を直送。卵を使った洋菓子などを販売している。卵型の器に入った『とよんちのなめらかプリン』(248円)は、なめらかではあるが、しっかりと濃い黄身の卵を使用しているためか、卵の味がしっかりと伝わる。
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奥沢駅と田園調布駅の中間地点に位置するこじんまりとしたプリン専門店。地名を冠した『奥沢ぷりん』400円は、通常の約2.5倍の濃さという牛乳、岩手県産のウイン卵を使用し、とろりした仕上がり。たっぷりのバニラビーンズも濃厚なミルクの味わいを引き立てている。別添えのソースは、キャラメルとカラメルの2種類から選べるのもユニークだ。卵たっぷりが好みならば、高知県しゅりの里放し飼い卵と使用した『しゅりの里ぷりん』(350円)をぜひ。
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子どもが安心して食べられるようにという願いを込めパティシエの子どもの名が付けられた『ゆうたんのおやつ』(248円)は、やさしい甘みのなめらかなプリンに無糖の生クリーム、苦めのカラメルソースが合わさり、かわいい名前とは裏腹に洗練されたメニュー。『ゆうたんー』とは異なるしっかりとしたプリンに、クリーム、スポンジをあわせたケーキ『クレーム・キャラメル』(432円)もプリン好きにはたまらない。
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中目黒のうれしいプリン屋さんマハカラでは、兵庫県『日本一こだわり卵』を使用。『うれしいプリン』(370円)は鮮やかなオレンジ色の黄身をたっぷり使用しており、プリンもオレンジががかった色。もちろん味も濃厚で黄身の旨みをぎゅっと濃縮したような贅沢な味わい。卵好きならば必ず押さえておきたい一品だ。
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卵をたっぷり使用したロールケーキで知られるシェ・かつ乃は、プリンも必食。『きみプリン』は、契約生産者から直送された新鮮な卵の黄身のみを使用しているので、黄身のこくが感じられる。カラメルは、うっすらと感じる程度で、あっさりとした印象。プリンは柔らかいが、なめらかというわけではなく、茶碗蒸しのようなふるふるとした食感。抜群の舌触りだ。
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表参道のコロンバンでは、店舗ビルの屋上で飼育する蜜蜂からとれる「原宿はちみつ」を使用した『原宿はちみつプリン』(1,029円)を限定で販売。はちみつを風味をいかし、卵を活かしたしんぷるなもの。カラメルの代わりに別添えされたはちみつをかけると、どこか和を感じさせる味わいに。黄身とはちみつが合わさり、かなり濃厚だ。
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キャトルの『うふプリン』は、卵の殻を利用した器に入り、なんとも可愛らしいルックス。黄身の濃厚な味わいが特徴の茨城県の奥久慈卵をたっぷり使用し、白身の量を調節することでしっかりでもとろとろでもない、絶妙な仕上がりになっている。黒糖を使用したカラメルソースも主張しすぎないが、アクセントとして効果的。まとめて買えば卵パックに入れてもらえるので、さらに雰囲気が出て手土産にもぴったりだ。
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レトルダムールの『白金プリン・ナチュール』(420円)に使用されるのは牛乳、生クリーム、卵、砂糖と厳選した4つの素材のみ。プリンは47%という群馬県東毛酪農の濃い生クリームを使用することで、脂肪分の比重により2層に分かれている。卵と生クリームの濃密な味わいのなめらかな上の層、牛乳のさっぱりとした味わいが爽やかな下の層、さらに上にのったたっぷりのクリームの3層が、食べすすめるごとに混ざりあい、贅沢な気分になれるだろう。
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広尾にあるConureはメニューを持たない予約専門の洋菓子店。人気のプリンのみ、予約が入らなくてもつくられている。ホールで焼かれるプリンはきめ細かく、しっかりタイプだがなめらかな食感。横にはカラメルのほか、甘さ控えめでしっかりホイップされた生クリームと、洋酒の効いたレーズンも添えられており、プリンとの相性も完璧。予約しなくても買えるとはいえ、売り切れの場合もあるので電話で確認してからの来店がおすすめだ。
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人形町のつくしは、1877年から続く老舗和菓子店。創業者による「西洋風茶碗蒸菓子」のレシピをもとに作られた『人形町風鈴』(2個 540円)は、2度濾したきめ細かい液をしようしており、密度の高いむっちりとした食感で、プリンなのだが「甘味」という言葉がふさわしい味わい。しっかりと苦いカラメルとのバランスもよく、小振りながら満足度が高い。
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テスタロッサカフェの看板商品『浅草シルクプリン』(380円)は、スチームコンべクションオーブンを利用し、温度を1℃単位で調節することで、商品名通り、シルクのようなぷるんとした食感を実現。北海道産の生クリーム、あとから茨城県産奥久慈卵を使用しており、はじめはミルクの風味が広がるが、あとから卵のこくが感じられる。浅草の風景を描いた瓶も可愛らしい。
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イタリアン出身のシェフが手掛けるバトンの『命プリン(みことぷりん)』(356円)は、北海道産の生クリーム、千葉県相模原の恵壽卵と素材にこだわった一品。生クリームの存在感が強いなめらかタイプのプリンで、バニラビーンズもたっぷりのリッチな味わい。さらりとしたカラメルはしっかりとした苦みながら、さらりとして控えめ。
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わざわざ遠くまでプリンを買いに行くのはちょっとという人は、近年店舗が急増中の成城石井がおすすめ。長年に渡り人気のプリンは昔ながらの王道しっかりタイプ。多くのコンビニがなめらかタイプ一色になろうとも、レシピを守り続けている。アルミのカップも昔懐かしい雰囲気で、たっぷり大きめのサイズながら、3個パックで719円という価格も魅力的だ。
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ホイップクリームとプリンの相性の良さは言うまでもないが、代官山のパンや洋菓子を販売するシェ・リュイの『クレーム キャラメル』(345円)はそのことを改めて感じさせてくれる。卵とミルクのバランスがとれたプリンは、なめらかながらしっかりとした食べ応え。こっくりと甘い、たっぷりのホイップクリームと一緒に頬張れば、甘いものが食べたいという欲求を満たしてくれることだろう。
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