2014年09月08日 (月) 掲載
立石という場所をご存知だろうか。葛飾区にある風情溢れる下町なのだが、ここは知る人ぞ知る飲ん兵衛の聖地なのである。モツ焼きを中心に、寿司、おでん、餃子、焼き肉などが驚きの旨さと価格で味わえるこの地では、3軒はしごして1人5,000円以内ということも稀ではない。立石は、どの店に入っても昼間から素性のわからないおじさんたちで賑わっている。この記事では、昼から飲む人、夕方から飲む人、食休みスポットや、〆にふさわしい店など、立石を楽しみ尽くすことのできるヴェニューを14件紹介。酒飲みを自称するあなたなら、絶対に立石の虜になってしまうこと間違い無しだ。
立石を楽しむなら、昼すぎから飲み始めるのが○。休日に昼から飲むのも良いが、平日忙しく働く人々を横目にビールを煽るのが最高だ。しかし、立石で昼から飲むことはそう珍しいことではない。どの店も、昼から満員である。
立石といえば……
立石の代表的な老舗もつ焼き店。メニューはもつ焼き、ナマ、煮込み、お新香のみで、1皿200円で楽しむことができる。初心者は注文するのが少々難しいので、まず店員にどの部位があるかを聞くと良いだろう。ナマは1度ボイルしたモツを冷やしたもの。とても新鮮だ。また、モツのみで勝負している煮込みが絶品なので、注文すべき。酔った客、騒ぐ客は入店を断られることがあるので注意。平日の昼から常連客が列をつくるので、30分程度並ぶことを覚悟しよう。
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宇ち多゛の次はここ!
宇ち多゛入り口の斜め向いにある、老舗の立ち食い寿司店。握りが110円から注文でき、どのネタも新鮮かつ肉厚で、脂が乗っているものばかり。味も値段も驚きのパフォーマンスだ。特に貝類が絶品なのでぜひ試してほしい。ついつい食べ過ぎてしまうが、他にも行きたい店があるのでほどほどにしておくのが○。かなりの人気店なので、週末ともなれば行列ができてしまう。ネタが切れない早めの時間帯に訪れよう。
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トマトのおでんが絶品
二毛作は、隣接するかまぼことおでん種の専門店、丸忠蒲鉾と同系列の小さな酒場。同店のおでん種のなかでも人気の一品が『おでんのトマト』だ。湯むきしたトマトを丸のままクリアーで雑味のない出汁でやさしく煮含め、仕上げにドライバジルを散らしたものだが、これが溜まらない。トマトを崩しながら食べると、トマトの酸味が出汁と混ざり合い、そこにバジルの香気が加わって、おでんというよりも上質なスープを飲んでいるかのように錯覚してしまう。
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そろそろさすがにお腹いっぱい、そして酔いも回ってきただろう。しかし、立石にはまだまだ行きたい店がある。立石でひと休みする、または、腹ごなしするのに最適なスポットを紹介しよう。立石は、酔っぱらっていると入店不可の店も多いので、1度酔いを覚ますのは必須である。
立石好きなら崇めるべき奇石
腹ごなしの散歩にぴったりなスポット。立石の地名の由来ともなった石だ。この石は、古墳時代後期に古墳石室の石材として用いるために運び込まれたもの。江戸時代には、地下の状況がうかがい知れない大変に不思議な奇石として人々に崇められた。この石の根元を掘り下げようとした者もいたがいくら掘っても根元は現れず、しかも関係者の間で疫病が発生したため、立石稲荷神社として祀ることとなったらしい。飲ん兵衛ならば、立石様に手を合わせよう。
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昔ながらの純喫茶
あなたが酒を飲んだ後コーヒーを飲みたくなるタイプの人なら、ここでひと休みしたい。近くにはチェーンの喫茶店も多いが、せっかく立石に来たのだから地元の純喫茶でレトロな雰囲気を味わおう。店内には植物が溢れ、南国らしい内装。店先には、年期の入った食品サンプルが飾られ、店内も大きな電話ボックスをはじめ、昭和の香りが色濃く残されている。また、コーヒー1杯380円からと、価格も魅力的。地元の常連客に混じり気ままに過ごしたい。
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立石でスイーツを買うならここ!
昼から1人で酒を楽しんで家族に罪悪感が込み上げてきたなら、カンパニュラでスイーツを買って帰ろう。看板商品の『こんがりシュー』(200円)は、シュー生地に砂糖をかけ焼き上げられるので、かりかりとした食感が楽しめる。中にたっぷりと入ったクリームは、自家製のカスタードクリームと生クリームが合わさり、程よい甘さで、生地とのコンビネーションも抜群だ。甘いシュークリームやプリンで家族のご機嫌を取ろう。
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腹ごなしが済んだら、次の酒場に向おう。立石にはまだまだ行くべき飲み屋がたくさんある。また、昼間一生懸命働いて、夜から立石で労をねぎらいたい人にも最適な店だ。立石に来たならば絶対にモツ焼きを食べるのは必須。宇ち多゛が閉まっていた、あるいは満員で入れなかった場合に行くべきモツ焼き屋を中心に、立石の代表的な店を集めた。
うなぎの串焼も美味しいモツ焼き屋
栄寿司の隣、宇ち多゛の斜め向いに位置するミツワ。ここでは、モツ焼きを1串100円で楽しむことができる。おすすめは『アブラ(頭身)』。ほかの店より脂っこくないが、噛み締めると肉汁がほとばしる、最高の逸品。また、『モツ生』(320円)は、頭身、大腸、胃袋、舌を楽しめる。また、ミツワでぜひ味わってほしいのが、『うなぎ串焼』(400円)。とても肉厚なうなぎで、ふっくらしつつ弾力感に溢れている。
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立石の関所。大衆モツ焼き屋
初心者には少々敷居の高い宇ち多゛と比べて、地元民に愛される大衆酒場という雰囲気なのが、江戸っ子。ここに来たらまず、ハイボールを頼んでみよう。ここのハイボールはウイスキー割りでなく酎ハイなのだが、これがとてもモツ焼きに合う。そしてモツを頼むとき、テッポウは欠かせない。唐辛子やニンニクのスパイシーなたれがよくしみ込んでいてとても美味。威勢の良い女性店員たちとの掛け合いを楽しみながら江戸っ子気分を味わおう。
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鳥の半身揚げに齧り付く
立石でお腹いっぱい鳥を食べるならここ。ただし、酔った客は入店できないので注意。夕方から飲み始める場合は、1軒目に訪れたい。鳥房に来たらまず頼むのは、鳥の半身揚げ。価格は時価で、大体600円〜700円ほど。熱々で柔らかいので、軟骨や間接も食べることができる。ジューシーで、軟骨部分はカリカリ。女性店員が豪快に半身揚げをほぐしてくれるさまは見物だ。騒いだり席を詰めなかったりすると威勢の良い女性店員たちにどやされてしまうので注意。
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もうお腹いっぱいで酔いも回ってきたころだろう。立石を心置きなく楽しめただろうか。これから、立石の〆にふさわしい店を何件か紹介する。蕎麦、餃子、粥、焼き肉、イタリアンなどバラエティに富んだセレクトをしたので、必ず〆に相応しい店が見つかるだろう。
早い時間の〆にぴったり。立石の有名そば店
蕎麦と日本酒で立石飲みを〆るのはいかがだろうか。玄庵は立石にある手打ち蕎麦屋。そば粉には、甘みの強い『常陸秋そば』と、強い粘りが特徴的な『奈川在来種』などを使用。おすすめは『十割そば』(980円)。しなやかなコシのある麺は弾力があり、噛み締めるほど蕎麦の香りや甘みが口に広がっていく。甘さ控えめできりっとした仕上がりのつゆ、とろみがあり香りの良い蕎麦湯まで、ひとつひとつに丁寧な仕事ぶりが伺える。
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立石で餃子といえばここ
京成立石駅近くにある中華料理店。看板メニューの手作り餃子は『焼き餃子』(5個、350円)、『水餃子(10個)』(400円)、『焼ニラ餃子』(5個、400円)の三種類。噛むと驚くほどの肉汁がほとばしる『焼き餃子』も美味しいが、オススメはモチモチの皮の中からうまみが溢れる『水餃子』だ。やみつきになる人が続出しているパクチーのトッピングは水餃子との相性抜群。焼き餃子はコショウを付けて、水餃子はラー油と黒酢をかけて食べよう。
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創作イタリアンでおしゃれに〆る
いつも大勢の客でにぎわっているABURIは、創作イタリアンの店。ここにきていきなりイタリアンかよ!と思うかもしれないが、カジュアルに楽しめる立石のオープンバルだ。愛犬と一緒にワインを楽しむ客も多い。ここでは素材の旨味を堪能できる、炙りにこだわった創作イタリアンが人気。立石の中では、唯一女性向けの店かもしれない。濃厚な『レアレア地鶏レバー』や『プロシュート』『チーズ盛り合わせ』などをワインとともに楽しもう。
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粥が美味しいラーメン屋
けんけんは昔ながらのラーメン屋。ラーメンはどこか懐かしさを感じるシンプルなものでとても美味しいのだが、けんけんに来たらぜひ粥も頼んでほしい。熱々の粥はホタテのダシがしっかりと効いている。少々ジャンクにも感じられるこの優しいホタテ味が飲みの〆にはぴったりなのだ。お腹に余裕があれば、たくさんのトッピングを付けて食べよう。また、まだまだビールが飲みたい人は、おつまみに『ガッチャン』を頼んでほしい。
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ガッツリ焼き肉で〆る
立石の焼き肉屋といえば牛坊。和牛A5クラスの希少部位を100g990円〜1,100円程度で味わうことができる。キャベツが山盛りで出てくる『牛坊サラダ』と一緒に焼き肉を楽しもう。『本日の上牛坊カルビ』(900円)は、なかなかの厚み。噛み締めると脂があふれ出す。どの肉も新鮮で柔らかだ。驚きの価格で絶品の和牛希少部位を味わえるので、焼き肉好きはぜひ訪れてほしい。また、水曜日以外は朝までやっているので、終電を逃した人も朝まで肉を焼こう。
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