2014年06月26日 (木) 掲載
タイムアウト東京編集部と、焼肉を日々研究する肉マスターによる焼肉特集第2弾。今回は、赤身肉と同等、むしろそれ以上に愛好する者も多いホルモンの世界を紹介する。ミノ、タン塩、レバーなど部位も豊富だが、塩、タレ、辛味噌など味付けもさまざま。大衆居酒屋の趣がある庶民的な名店からデート向きの店まで、ホルモンを食べるならおすすめしたい、都内にある10軒を厳選した。
フォアグラの食感、『フォアればー』を堪能
(卸)調布食肉センターは、調布駅から15分ほど歩いた辺りにある地域に根ざした焼肉屋。『フォアればー』は、企業秘密の独自製法で調理した冷製のレバーに、ごま油と塩で味付けしたネギをたっぷりと乗せた逸品、ねっとりとした食感はその名の通りフォアグラのようだ。焼き物はカルビ+ミックスホルモンの『食肉センターおまかせ盛り(2人、1200円)』は、単品で注文するより60円安い。『白センマイ』は黒い皮を丁寧にはがしてあり、舌触りの良い食感が楽しめる。『トンコロホルモン』は網の端でじっくりと焦げ目がつくまで焼くと、パリパリとした食感と内側の柔らかい食感がやみつきになる。
定番メニューも充実のホルモン店
東西線木場駅周辺に2店舗を構える人気店、激旨ホルモン魂。客の活気で絶えない店内では、『丸チョウ』や『ミノ』などのお馴染みのものから、『シビレ』、『ウルテ』、『ギアラ』などの珍しいものまで、常時30種以上のホルモンを食べる事ができる。とにかく種類豊富だが、まずは定番の『ホルモン』を食べてみよう。肉厚でぼってりと大きなホルモンを七輪の上にのせると、猛々しく香ばしい煙を上げ、その存在感は増すばかり。口に入れると、思っている程しつこい脂っぽさは無く、むしろプリプリとみずみずしい食感で、後からほんのりとした甘味と旨味が感じられる。『カルビ』や『ハラミ』、『冷麺』や『クッパ』などのメニューも充実。人気店なので予約して訪れたい。
希少な顔部位『面脂焼』がおすすめ
三河島の住宅街でひっそりと営業する山田屋は、各種ホルモンが売りの老舗焼肉屋。『牛塩もつ煮込み』は丁寧に下処理がなされていながらも、ホルモンの野趣を感じられ、自ずと焼きのホルモンにも期待が高まる。『牛レバ焼』は弱めの火でじっくりと焦げない程度に焼けば、パサつくことなく甘みを引き出すことが出来る。『サガリ焼き(豚ハラミ)』は盛りのビジュアルが圧巻、筋繊維が太く堅い部位だが、じっくりと火を通して焼くことで、噛みしめる度にうま味が引き出される。また『面脂焼』は首の部位である豚トロよりも顔に近い部位で、他の店ではなかなかお目にかかれない逸品だ。焦げ目がつくほどしっかり焼くと、柔らかい肉の食感と脂のうま味が同時に楽しめる。
塩へのこだわりで人気
荻窪の炭火焼肉 やま元は、塩にこだわった焼肉店。『ホルモン』も塩と味噌が用意されているが、だんぜん塩が良い。肉の旨味を引き出すために、使用するのはクリスマス島の海塩。人気の『塩しま腸』(590円)は、皮側はぱりっとするまで焼き、脂はさっと炙る程度でたべよう。レモンを絞れば、脂の甘みが引き立ち、さっぱりといくらでも食べたくなる味わいに。塩で食べれば、種類豊富なホルモンの新たな魅力が分かるだろう。肉に合うワインも13種類用意されているので、酒好きにもおすすめの一軒だ。
小豆島オリーブ牛はじめ、素材に妥協なし
新大久保のコリアンタウンのはずれにある、ホルモン船 ホールちゃんは、完全予約制で1日4組限定のコースのみの人気店。予約を受けた分だけ仕入れる素材は、オリーブを飼料に使用した小豆島オリーブ牛ををはじめ、肉から野菜に至るまで一切の妥協なし。メニューは毎回変わるが、ごま油の効いた『ハラミのたたき』など、前菜から絶品メニューが目白押し。肉はすべて店員が焼いてくれ、ベストなタイミングで食べさせてくれる。基本的に各部位一切れずつだが、種類も豊富でカットも大きく、ボリュームも申し分ない。7,500円となかなかの値段だが、一度は訪れる価値のある店だ。
雰囲気も味も良好、二子玉川の名店
二子玉川の高島屋裏に広がる飲み屋街にある蔵月は、落ち着いた雰囲気でデートにも使えるホルモン屋だ。『山盛りオニオンスライス(100円)』は、先付けに箸休めに大活躍する何度でもおかわりしたい逸品。『レバテキ焼き』は自分で作るレバテキ。レバーを炭火で炙って、ごま油と塩、ネギのたれをかけて完成する。焼肉は自分で調理する料理であることを改めて認識する。2人前の『牛ホルモン9種盛り』はいろいろな部位を楽しめるリーズナブルな盛り合わせ。ホルモンだけでは物足りなかったら『肉3種盛り』で赤身を追加しよう。飯もの、麺ものも充実。ホルモンのコクが楽しめる『名物!たっぷりホルモンカレー!』でガッツリ〆よう。
ホルモンのハンバーグで一杯
恵比寿渋谷橋交差点すぐの路地にあるホルモンキングは、ホルモンをつまみにちょっと一杯やるのにぴったりの店。充実した一品料理の中では『ミノネギバカユッケ』は、湯がいたミノをオリーブオイルとニンニク塩で味付けし、レモンを搾ったイタリアンな味付けで1品目に持ってこい。『関東風牛すじ煮込み』は濃厚な味付けでビールが進む。焼き物では『コリコリ』『ハラミすじ』あたりがつまみにぴったりだ。『ホルモンバーグ』はその名の通りぶつ切りにしたホルモンや軟骨をを練り込んだハンバーグ。七輪で最後の仕上げを行い焦げ目がつけば食べ頃。あふれる肉汁を堪能しよう。〆は白ごはんに『激うま!テールスープ』をぶっかっけて食べるのがおすすめ。
丁寧に処理された『ホルモン6種盛』
蔵前にあるホルモン寺は、外観こそ居酒屋のようだが、木目を基調とした店内は、清潔感があり女性でも入りやすい。迷ったらまず頼みたいのが、その日のおすすめの部位6種類が1切れずつ盛られた『ホルモン6種盛』(495円※写真は2人前)。1切れとはいえ、丁寧に処理され、しっかりと部位ごとの魅力が味わえる。気に入った部位があれば、追加でオーダーという風に使えるので、何を頼んだら良いか分からないという人にもおすすめ。そのほか、ぴりっと濃いめの味噌だれがくせになる『辛シマチョウ』(685円)も人気だ。
大衆居酒屋のような雰囲気で人気
広島に本店を構えるぶちでは、大衆居酒屋のような雰囲気を演出した空間で気軽に焼肉を楽しむことができる。一頭仕入れのため、豊富な部位が食べられるこの店の売りはなんと言っても色々な部位を一度に楽しめる「盛り」。『ホルモン刺し盛り』(890円)は、さっと湯通しした新鮮な国産牛を、酸味の効いたさっぱりとしたタレと卵をからめて食べる一品。『ホルモン盛り込み』(1,050円)は、約180gのボリュームで、じっくり各部位を味わいたいという人には向かないが、大勢でわいわい食べるにはぴったりのメニューだ。
カウンター8席、大人のホルモン割烹
千駄木にある一富士は、カウンターのみ8席、ホルモン割烹を掲げる個性豊かなお店だ。基本は6,000~8,000円のおまかせを注文し、腹具合やお好みに合わせて追加で1品料理を頼むと良い。『牛の胃盛り合わせ』は、ミノ、ハチノス、ヤン、センマイ、ギアラをそれぞれの味付けで調理した定番の逸品(おまかせのため内容が変わることがある)。ホルモンにはそれほど季節感はないが、合わせる食材から四季を感じることが出来る。串焼きにしたレバーの上に別調理したニラ炒めを乗せた『レバニラ』は、言葉の概念が変わるほどの美味さがある。『テール焼き』はうま味の固まりであるテールを串に刺して焼いた物。奥からにじみ出る味を噛みしめよう。
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