2013年12月20日 (金) 掲載
鹿や猪、野うさぎ、鴨、雉など、野生の鳥獣肉「ジビエ」の注目が高まっているのをご存知だろうか。ヨーロッパでは古くから親しまれている高級食材だが、日本でも近年、特に鹿肉は、増えすぎた野生の鹿を捕獲し、食材に利用する動きが広がっており、高たんぱく低脂肪のヘルシーな食材として人気が出始めている。東京で、店主が自ら狩猟をし、料理する店5軒を厳選。気楽な居酒屋から本格フランス料理まで個性的な店ばかりだが、いずれもクセや臭みのない、食べやすいジビエが味わえる。
目白駅からすぐ、目白のマダムに支持されるカジュアルなブラッスリー。ランチは前菜、メイン、ドリンクで1,500円、ディナーも前菜、スープ、メイン、デザート、コーヒーまたは紅茶のコースで3,800円とリーズナブルなのが魅力。ディナーコースのメインで選べる『鹿のロースト』(+500円)は、噛むごとに肉の旨味を味わえるローストビーフのような食感。ラズベリーの甘酸っぱいソースが効いて、あっさりと食べられる。厨房がにぎやかでカウンター席は少々落ち着かないが、店に入るときも出るときも、若いシェフ自ら店頭に出て挨拶してくれるので好感が持てる。
ブラッスリー ラ・ムジカ
アクセス:『目白』駅 徒歩1分
時間:11時30分〜14時00分(L.O.)、18時00分〜21時30分(L.O.)
高円寺の商店街から1本入った通りにある、隠れ家的なジビエ専門店。入口の扉の取っ手が鹿の足だったり、箸置きが弾丸だったりと、インテリアへのこだわりが伺える。カウンターのみで広くはないが、毎週狩猟に出かける店主がひとりで切り盛りしていて、気軽な雰囲気で居心地がいい。文字通り、猪、鹿、熊、野鳥の肉を、刺身や焼肉、鍋、ハムやソーセージなどバリエーション豊かなメニューが魅力。ニンニク醤油でいただく『鹿の刺身』(880円)は、さらっとした口当たりだが旨味はぎゅっとつまっていて、カツオのような食感。幅広く揃ったワインとともに色々な味を試しながら、店主の狩猟のエピソードを聞くのも楽しい。
ジビエ猪鹿鳥
アクセス:『高円寺』駅 徒歩10分
時間:18時00分〜24時00分
大井町の住宅地にあるカウンターのみの小料理屋。メニューはなく、釣りも狩猟もする店主が、その日の素材を使った日替わりのお任せコースを作ってくれて、食べて飲んで予算はだいたい5〜6000円。気さくな江戸っ子の店主が「俺のうちにきてもらった感じ」と言うように、女性ひとりでも立ち寄れるアットホームな雰囲気。刺身や焼き魚、牡蠣がごろごろ入った名物の茶碗蒸しなど、魚介の料理と、『鴨鍋』や『鹿肉カレー』といったジビエが一緒に楽しめるユニークな店だ。料理に合う日本酒も各種揃えているので、酒好きにもおすすめ。
猟師漁師の台所 勇才
アクセス:『大井町』駅 徒歩6分
時間:18時00分〜24時00分
志村三丁目の住宅地で異彩を放つ外観の居酒屋。店頭にも店内にも猪や鹿、狸など獣の剥製がいくつも飾られていてワイルド感たっぷり。新潟出身の店主は狩猟歴40年で、ここの料理はジビエというより「マタギ料理」と呼ぶほうがしっくりくる。鹿の刺身や猪の唐揚げなどもあるが、メインは猪鍋、熊鍋、鴨鍋などの鍋。『猪鍋』(1人前1,700円)は、豆腐、白菜、ねぎ、舞茸、えのき茸、春菊、しらたきに、ぶつ切りの猪肉がごろごろ入っていて、ボリューム十分。豚よりも脂が濃く、歯ごたえある肉質の猪肉と、濃厚な味噌味のピリ辛スープの相性が抜群。
酒蔵新潟
アクセス:『志村三丁目』駅 徒歩5分
時間:18時00分〜23時00分
渋谷・神南にある、こじんまりと落ち着いた空間のフレンチ&ワインバー。自らハンターでもあるシェフの狩猟仲間から本州鹿、蝦夷ヒグマ、南伊豆猪など、様々な獣肉を仕入れており、肉種に合わせて熟成させており、臭みもなく、上品な味わいに仕上がっている。メニューには食べることについての店のポリシーが綴られ、シェフはカウンターに並べられた獲物について丁寧に説明してくれる。熊、鹿、猪肉の『パテアンクルート』(3,000円)は、コンビーフのように柔らかい3種の肉が混じり合う食べごたえのある前菜。メインの熊のもも肉は、牛の赤身のステーキのように肉がしまっていて、クセがなく、味わい深い(6,000円)。
deco
アクセス:『渋谷』駅 徒歩10分
時間:11時30分〜14時30分、18時00分〜21時30分
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