東京、書皮で選ぶ書店10

上野、千駄木、新宿、吉祥寺などで見つける、個性派ブックカバー

東京、書皮で選ぶ書店10選

書店で本を購入した際に付けてくれる無料のブックカバー。「書皮」とも呼ばれるこのブックカバーは、日頃何気なく使っているが、中には書店の強いこだわりが表されたユニークなデザインのものがあることを御存知だろうか。たかが書皮、されど書皮。ここでは、都内で手に入る、つい人に見せたくなってしまうような個性派書皮10選を紹介する。


あゆみブックス

宮城と都内を中心に店舗を展開するチェーン書店。シンプルだが個性的なショップロゴとブックカバーのデザインは、原研哉の主宰する原デザイン研究所によるものだ。永井一正が描く動物をモチーフとした線画は、ファンタジックでどこかシュール。独特の世界観に、思わず引きこまれてしまう。
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タロー書房

「精神の散歩道」をテーマに掲げる書店。店名のロゴは岡本太郎が制作したもので、レジ奥にはその原画が飾られている。2010年に現地へ移転オープンし、九州新幹線つばめなど、数多くの鉄道デザインで知られるインダストリアルデザイナー、水戸岡鋭治が店内デザインを手がけた。抽象的なイメージが並ぶブックカバーも、リニューアルに伴い水戸岡が制作したもの。岡本太郎による店名ロゴもあしらわれており、いわば2人の巨匠のコラボレーション・デザインとなっている。
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明正堂書店

2012年に創業100年を迎えた上野の老舗書店。第9回書皮大賞を受賞したブックカバーのデザインは、イラストレーター氏原忠夫の作。受賞当時は、氏原自らが紙および印刷の色まで指定しており、色違いで夏、冬、2つのバージョンがあったという。指定紙の生産中止などの理由により、使用していた紙は変更されたが、四季のイラストと上野の五重塔が描かれたデザインは、今も変わらず愛され続けている。
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ブックスルーエ

吉祥寺のサンロード内に構える同書店のブックカバーは、吉祥寺に馴染み深いイラストレーター、キン・シオタニのイラストが特徴。文庫、一般書でデザインが異なっており、それぞれ年に2回カラーを変える。厚みのあるクラフト紙の手触りも心地良い。第18回書皮大賞を受賞。
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BIBLIOPHILIC&bookunion新宿

ディスクユニオン系列の書店、ブックユニオンでは、2013年初夏よりブックカバーをリニューアル。6月28日にリニューアルオープンした下北沢店を皮切りにお目見えするのは、宇野亜喜良描き下ろしのイラスト入りカバーだ。他店舗では、前デザインのカバーがなくなり次第、順次入れ替わっていく予定。なお、御茶ノ水の『JazzTOKYO BOOKS』のみ、和田誠による3匹のジャズ猫が描かれた前カバーを引き続き使用していくとのこと。
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往来堂書店

千駄木の『往来堂書店』では、毎年夏と冬に、同店に縁のあるショップオーナーや編集者がおすすめの1冊をセレクトする恒例イベント『D坂文庫』を開催。通常の書皮は毛筆で書かれた店名がデザインされたものだが、D坂文庫の本を購入すればもれなく、同店のオリジナルグッズなどを手がけた絵本作家・イラストレーターのミロコマチコによる特製ブックカバーを手に入れることができる。デザインは毎回リニューアルし、ミロコファンと書皮好きのコレクション心をくすぐり続けている。
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青山学院大学購買会

青山学院大学内にある購買会では、一般の人でも定価の1割引で本の購入が可能。正門付近を描いた線画が印刷されたオリジナル書皮は、一時使用されなくなっていたが、現在は復活している。
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三省堂書店 神保町本店

国内外に多くの店舗を構える三省堂書店だが、神保町エリアマップがデザインされた書皮がもらえるのは神保町本店のみ。古書店や飲食店など、かなり詳細な情報が載っているので重宝する。このブックカバーのみ、文庫サイズはないので注意してほしい。
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岩森書店

不思議なキャクターが並ぶこの書皮は、荻窪駅前にある古書店のもの。絵本作家のスズキコージによるデザインで、独特のタッチが魅力だ。地元客が中心のこじんまりとした店だが、本への強い愛とこだわりが書皮に感じられる。第21回書皮大賞を受賞。
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改造社書店 銀座店

関東から信州、東海に多くの店舗を展開する書店。もともとは、1919年(大正8年)に創業し、社会主義的な評論を数多く出版した出版社であったが、現在は一般書籍の販売を行っている。波のような模様がデザインされた書皮は、インパクト大。グレーがかった色味も、書皮の中では珍しい。出版社時代を思わせるような、店名ロゴのレトロな雰囲気も面白い。
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By タイムアウト東京編集部
By 松崎雅子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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