ペルソナ
2013年02月20日 (水) 掲載
古書の街神保町は、カレー激戦区としての顔も持つ。ブックハントを終えて一息つき、その日の戦利品を吟味しながらビールで喉を潤してから、うまいカレーで自分を労うのは至福の時だ。ここ数年、神保町や神田一帯のカレーを楽しむフェス「神田カレーグランプリ」が開催され、街をあげてのカレー熱が高まっている神保町。ここでは、そんなカレー人口の高い街で味わいたい定番を15軒紹介する。お気に入りのカレー探しのガイドとなれたら幸いだ。
大正13年創業の、神保町でも歴史のあるカレー専門店『共栄堂』は、スマトラカレーにこだわる店。昼時ともなれば、行列が絶えない人気店だ。一見すると濃厚そうな黒褐色のカレーは、口当たりがさらりと軽やか。一口含んだだけで、スパイスの香りが口中にぶわっと広がる。ポーク、ビーフ、チキンなど数種類のメニューが揃うが、中でもほろりと崩れる柔らかな『タンカレー』は絶品。辛さというよりは、スパイスの風味を味わいたい人には是非おすすめしたい店だ。
『共栄堂』の詳しい情報はこちら
ジャガイモが丸々2つ、鶏肉がごろっと入る看板メニューの『チキンカレー』は、日本の米に合うサラサラのルーが特徴。鶏ガラと牛スジ、そしてキャベツやタマネギ、ニンジン、生姜などの野菜を2時間ほど煮込んだスープは、動物系のコクに野菜の風味が合わさり、香辛料の邪魔をしない透明感のある仕上がりだ。さらにリンゴやマンゴーを使うことでほのかな甘みもプラスされている。とはいえ、一口食べれば、結構辛い。辛いのだが止まらない、クセになるカレーだ。
『インドカレー カーマ』の詳しい情報はこちら
インドカレーとタイカレーの両方を展開するカレー屋ばんび(旧店名メーヤウ)では、この2つを合わせたユニークな『カントリーカレー』がおすすめだ。香辛料がたっぷり効いたさらりとしたカレーには、具沢山の野菜が入っており、とくに味がよく染みたダイコンがたまらない。細かく刻んだバイマックルー(こぶみかんの葉)の香りもさわやかで、エスニック好きにはたまらない一皿。
『カレー屋ばんび』の詳しい情報はこちら
2012年度「神田カレーグランプリ」でグランプリを受賞した、インドカレー専門店『マンダラ』。コンクリート打ちっぱなしの店内にはサリーを使用したアート作品や曼荼羅が飾られ、シックな雰囲気だ。『サグチキン』や『キーマカレー』をはじめ、さまざまなカレーが並ぶが、中でも定番人気の『チキンバターマサラ』は、トマトの風味が前面に出た一品で、酸味と甘さのバランスがちょうどいい。まろやかな味わいのインドカレーを食べたくなったらおすすめの店だ。
『マンダラ』の詳しい情報はこちら
神保町で欧風カレーといえば思い出す名店のひとつ『ペルソナ』。30種以上のスパイスを使っているというカレーは辛さの段階を甘口から激辛までの6段階から選ぶことができるが、甘口と特辛を合わせた「甘特」がなんとも癖になるバランスでおすすめ。定番のビーフカレーも捨てがたいが、アサリやエビなどのシーフード系カレーをご飯の上のチーズトッピング抜きで頼むのも、さっぱり派にはおすすめできる。なお、ハーフサイズ(700円)での注文ができるのもうれしい。
『ペルソナ』の詳しい情報はこちら
どこか昭和な雰囲気がただよう店内に入ってカレーを注文すると、お通しのように丸のままのジャガイモとバターが運ばれてくる。メインのカリーは野菜を長時間煮込んで、12種のスパイスを加えた滋味溢れる味。「食後が壮快でクセになる」と評判が高いのは、爽やかな辛さと野菜のヘルシーさのせいだろう。ルーの大盛りや、辛さの調整(70倍まで)も可能。
『エチオピア』の詳しい情報はこちら
神保町でシンガポールの味を食べたくなったらここ。『マレー風チキンカレー』は、骨付きの鶏肉と柔らかいジャガイモが入っており、ココナッツミルクのやさしい甘みを感じるものの、ピリッとエッジの効いた辛さが特徴的。さらっとしているのにコクのある味わいだ。ライスとともに、シンガポールらしくプラタ(南インド発祥の丸くもちもちとしたクレープのようなもの)がつくのもうれしい。
『マカン』の詳しい情報はこちら
カレーの激戦区神保町において不動の地位を確立する元祖欧風カレー店。神田古書センタービル2階にあるこの店は、分かりにくい立地にも関わらず、昼は常にほぼ満席。メニュー全品(お子様カレーを除く)1,350円~と少々高い価格設定かと思われるかもしれない。だが、まろやかで深みのあるルーと、そのボリュームには満足するはず。食前にはジャガイモとバターが無料で付く。
『ボンディ』の詳しい情報はこちら
水からこだわったココナッツカレーを、お洒落なカフェ風の空間で味わえるのがここ。ナス、ピーマン、オクラ、キャベツ、トマトとたっぷりの野菜が入る『野菜カリー』から、変わり種な『トロすじとトマトのカリー』まで、日本人の口に合わせて作られたユニークなメニューが並ぶ。有料オプションで辛さの増量が可能なほか、25種類のトッピングが揃う。白を基調とした空間と木目調のインテリアの店内は、女性ひとりでも気軽に入れる雰囲気。
『チャントーヤココナッツカリー』の詳しい情報はこちら
昭和にタイムスリップしたような手動開閉式のエレベーターで4階に上がると、開放的な雰囲気の店内が広がる。フードメニューに力を入れているこのカフェでは、人気メニューの『チキンカレー』がおすすめ。20種類以上のスパイスでつくる本格派で、たっぷりの野菜と大ぶりの鶏肉が入るカレーはドロッとした独特のテクスチャーで、ご飯といっしょに噛み締めるうちに野菜の甘みが広がる。パパドを添えてくれるところもうれしい。
『cafe HINATA-YA』の詳しい情報はこちら
お酒を飲んだ後の〆に無性にカレーが食べたくなる人は少なくないだろう。スタンダードカクテルや各種スコッチなどが楽しめる、神保町のバー『J.Tipple Bar』では、そんな酒飲みのわがままを聞いてくれる『幻のカレー』が人気。スパイスの豊かな香りがふわっと鼻に抜け、程よい辛さが特徴で、骨付きの鶏肉がごろっと入っており腹持ちもよくておすすめだ。
三省堂書店の裏あたり、ミロンガの並びにある『チャボ』は、ホワイトカレーが名物。クリームシチューを思わせるとろりとしたやさしい食感の中にスパイスが香る、特徴のある味だ。中でも人気メニューの『煮豚のホワイトカレー』は、柔らかな煮豚がごろごろ入っており食べ応えがある。『ホワイト焼きカレー』は時間がかかるため、ランチタイムには提供していないが、ライスの上にたっぷりのホワイトカレーがかかっており、ドリアのようで妙に懐かしい味。
専用の壺を使って生米から炊き込む、現地のレシピで作るインド版炊き込みご飯の『ビリヤニ』が看板メニューのインド・ネパール料理店だが、カレーも20種類と豊富。9種類あるベジタリアンカレーのなかには、自家製のチーズが入った『シャヒパニールカレー』なども。チキンやマトンをメインにしたボリューミーなカレーも、トマトの酸味を活かした炒め物に近いタイプから、チリを用いたスパイシーなものまで本格派揃いだ。
台湾から直接輸入した茶葉を使った工夫茶や、ジャスミン茶ベースの種類豊富なフレーバーティーが人気のカフェでは、週末のみ提供している『チキンカレー』が隠れた人気メニュー。4日間煮込むという一品で、鶏肉がごろっと入っており食べ応えがあるだけでなく、不思議と中国茶と相性がいいのがユニークだ。
神保町エリアでは比較的老舗として知られる中国料理店でありながら、実はカレーが美味しい『新世界菜館』。さらりとしたルーは、どことなく蕎麦屋のカレーを思わせる懐かしい味わいで、付け合わせの紅ショウガが好アクセントだ。カロリーを気にしないのであれば、さくさくのパイコーが載った『排骨カレー』(1,200円)を是非。あっさり風味のカレーとサクサクのパイコーの組み合わせがたまらない。
Copyright © 2014 Time Out Tokyo
コメント (1) コメントする
神保町、定番カレーにインド、タイ系が入るなんて情けない。。。新世界菜館はありだけど…
コメント