2011年04月29日 (金) 掲載
桜の季節が終わりに近づくと、咲き始めるのが藤の花だ。4月から5月にかけ、甘い香りを放ちながら長い花房を垂れ下げる。日本人には古くから愛されている花で、特別天然記念物に指定されている埼玉県春日部市の『牛島の藤』は、樹齢1200年余りとされている。都内近郊にも、銘木に選ばれる見事な藤の木が植えられた神社や公園があるので、桜に見劣りしない花見を楽しんでほしい。
2011年4月29日更新
梅の名所として知られているが、4月下旬から15棚、およそ100株の藤が一斉に花を咲かせる藤の名所でもある。境内にある藤の木は、350年前の神社創建時に植えられたと伝えられており、江戸時代から『亀戸の五尺藤』、『亀戸の藤浪』として親しまれている。2011年4月21日(木)から2011年5月5日(木・祝)までは藤まつりが開催されており、日没から深夜まで藤棚がライトアップされる。
達磨市で有名な拝島大師のとなりにある拝島公園には、東京都の指定天然記念物に選定されている『拝島の藤』がある。地元では『千歳の藤』とも呼ばれており、樹齢は800年以上とされている。広さは約300平方メートルにもなるので、見応えある藤棚だ。花の見ごろはゴールデンウィーク前後。
世田谷区大蔵にある個人宅に植えられた、樹齢およそ80年の藤の木。昭和59年に世田谷区によって発案され、区民の投票によって選ばれた『せたがや百景』や、世田谷区の『銘木百選』にも選定されている。持ち主の好意により庭は一般にも公開されているが、大きな声を出さないなど、見学の際は配慮してほしい。
住所:東京都世田谷区大蔵1-9-3
秋の銀杏並木が有名な明治神宮外苑だが、この季節は小さな藤棚を見逃さないでほしい。明治神宮聖徳記念絵画館からJR信濃町駅へ向かう途中に、自動販売機が並んでいる場所があり、その頭上に紫色の花をつける藤棚がある。ベンチに座ってしばし甘い香りを楽しみたい。
鎌倉の鶴岡八幡宮の春は、桜や春ぼたんなどが咲いて賑やかだが、白い藤が咲くスポットもある。境内へと続く三の鳥居をくぐり、本殿近くの太鼓橋を渡ると、右手に源氏池がある。白藤の棚は、源氏池に浮く島に建てられた旗上弁天堂脇にあり、朱塗りの社に白色の花が美しく栄える。多くの参拝者がカメラをむけているので、ぜひ一緒に足を止めてほしい。花の見ごろは5月上旬。
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