ヤコブ・キルケゴール 《無響室》 2007年 100×60 cm ラムダ・プリント、ディボンド加工
2014年12月26日 (金) 掲載
年末の慌ただしさから解放され、新年はゆっくりと過ごしたいもの。暖かな室内で文化的な年明けを満喫するなら美術館や博物館がおすすめ。ここでは、新春らしい特別企画や、親子で楽しめる展覧会など、正月を満喫できる展覧会を紹介。東京で年始を過ごす参考にしてほしい。
年末年始も休まず営業
リー・ミンウェイ《メンディング・プロジェクト》2009年ー ミクストメディア インタラクティブインスタレーション サイズ可変 個人蔵 Photo: Anita Kan
2015年1月5日(月)~4月24日(金)まで修繕工事のために休館が決まっている森美術館だが、年末年始は例年通り休まず営業する。2015年1月4日(日)までは「関係性の美学」を考察するリレーショナルアートの作家リー・ミンウェイによる世界初の大規模個展『リー・ミンウェイとその関係展』と、森美術館が開館当初から続ける、世界各国の才能豊かなアーティストを応援するプロジェクトの第22弾『MAMプロジェクト022:ヤコブ・キルケゴール』を開催。
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年末年始も休まず営業
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』ストーリーボード(1993)@2014 Tim Burton
六本木ヒルズ森タワー52階展望台と同じフロアに位置する森アーツセンターギャラリーでは、2015年1月4日(日)まで『ティム・バートンの世界』を開催中。世界中でカルトな人気を誇る映画監督の芸術活動を、深く掘り下げた内容だ。映画完成後にバートン自身からキャストやクルーへと贈られる、非常に貴重な特別発注の書籍も見逃せない。森美術館と同様に、2015年1月5日(月)~4月24日(金)まで修繕工事のための休館。
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休館:2014年12月28日(日)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
Photo: Bernard Bisson/ JDD / SIPA, 2011, Paris, Courtesy: Home Movie Factory Association
木場公園内にある東京都現代美術館は、2015年1月2日(金)、3日(土)の2日間を正月特別開館とし、常設展示室の『MOT コレクション特別企画「コンタクツ」』が無料で観覧できる。MOTコレクションのほか、ビョークのミュージックビデオや、映画『エターナル・サンシャイン』で知られる気鋭の映画監督の作品世界を堪能できる『ミシェル・ゴンドリーの世界一周』、野村萬斎を総合アドバイザーに迎え、伝統から現代にわたる多様な身体表現をマルチメディアによって再構成した『東京アートミーティング(第5回) 新たな系譜学をもとめて ー 跳躍/痕跡/身体』を2015年1月4日(日)まで開催。
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休館:2014年12月28日(日)~2014年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
高松次郎《光と影》1970年 個人蔵 撮影:木奥恵三 ⓒ The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
竹橋にある東京国立近代美術館では、『高松次郎ミステリーズ』と『奈良原一高 王国』を開催。高松は赤瀬川原平や中西夏之とのハイレッド・センターとしての活動でも知られるが、ほかにも絵画や彫刻、壁画、写真、インスタレーションなど様々なスタイルの作品を数多く制作した世界的なアーティスト。写真家の奈良原は、東松照明や細江英公とともに戦後の新世代を代表する作家であると同時に、現在でも新たな表現で写真史を牽引し続けている。そんな奈良原の出世作『王国』と、同時期に活躍した高松次郎の作品をあわせて観覧できる展覧会となっている。どちらも2015年3月1日(日)まで。
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休館:2014年12月28日(日)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
蔟(まぶし=カイコが繭を作るときの足場となる道具)に作られた光る繭(展示協力:農業生物資源研究所)
上野公園内にある国立科学博物館では、美しい光の世界を紹介する『ヒカリ展 光のふしぎ、未知の輝きに迫る!』を2015年2月22日(日)まで開催。「宇宙と光」「地球と光」「人と光」をキーワードに、多くの人を魅了してやまないオーロラのリアルタイム中継をはじめ、ルビーやオパール、蛍石などの光る石「蛍光鉱物」の日本最大級規模の展示、光る花「トレニア」の世界初公開など、様々な「光」が展示される。そのほか、光るシルクから作られた衣裳や、ガリレオ・ガリレイなど光の研究者の貴重な資料も目にすることができる。
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休館:2014年12月29日(月)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
白釉山羊手焙 仁阿弥道八 江戸時代 19世紀 正伝永源院
東京ミッドタウン内にあるサントリー美術館では、江戸時代の京都、清水五条坂を拠点に活躍した京焼の名工の展覧会『天才陶工 仁阿弥道八』を2015年3月1日(日)まで開催。仁阿弥の個性が強く発揮された鉢や置物など、幅広い分野の作品が展観される。茶席において現在もなお人気がある仁阿弥について、大々的に紹介される貴重な展覧会となっている。
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休館:2014年12月28日(日)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(木)から
『光のボールでオーケストラ』 チームラボ 2013
宇宙飛行士の毛利衛が館長をつとめる日本科学未来館では、『チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地』を2015年3月1日(日)まで開催。デジタル領域を中心に独創的な事業を展開するチームラボが発表してきたアートと遊園地を、一度に体験できる世界初の大展覧会。手や体を動かして遊ぶことのできる遊園地作品は、子どもにも大人気なので、親子連れでも楽しめる展覧会となっている。
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休館:2014年12月29日(月)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
ジャン=フランソワ・ミレー 《種をまく人》 1850年 油彩・カンヴァス Gift of Quincy Adams Shaw through Quincy Adams Shaw,Jr., and Mrs. Marian Shaw Haughton 17.1485 ボストン美術館蔵 Photographs ©2014 Museum of Fine Arts, Boston
英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された洋風建築を利用した美術館、三菱一号館美術館では、『ボストン美術館 ミレー展 ー傑作の数々と画家の真実』を2015年1月12日(月)まで開催。生誕200周年のミレーを中心に、バルビゾン派やミレーの影響を受けたフランスの画家たちを紹介する。ミレー作品では本国フランスを凌ぐとも言われる、ボストン美術館のコレクションから、『種をまく人』をはじめ選りすぐりの名作が揃う。ミレーが移り住んだパリ郊外のバルビゾンに集った、コローやルソー、ディアズ、デュプレなどバルビゾン派の作品が多く展示されるのも嬉しい。
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休館:2014年12月28日(日)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
《白鳥のいるレマン湖とモンブラン》 1918年 油彩・カンヴァス 77×152.2cm ジュネーヴ美術・歴史博物館 ©Musée d'art et d'histoire, Ville de Genève ©Photo: Yves Siza
ル・コルビュジエが設計し、1959年に開館した国立美術館では、日本とスイスの国交樹立150周年を記念して『フェルディナント・ホドラー展』を開催中。近年、国際的な再評価の波も高まってきているホドラーの芸術の全貌に迫る。とりわけ画家が追究した、身体の動きによって表わされる人間の感情、そしてその運動する身体が織りなす「リズム」の表現に注目したい。2015年1月12日(月)まで。
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休館:2014年12月28日(日)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
©Studio Ghibli
都立小金井公園の中にある江戸東京たてもの園では、『ジブリの立体建造物展』が、好評につき2015年3月15日(日)まで開催延長。スタジオジブリの作品に登場する建物にスポットを当てて紹介する展覧会が開催される。ミニチュアの立体作品のほか、建物の設定資料、背景画などが一堂に会す。会期延長後の2014年12月16日(火)からは、『となりのトトロ』『平成狸合戦ぽんぽこ』などの展示物が増えるほか、今まで展示されていなかった作品『となりの山田くん』などが新たに加わる。1月2日(金)、3日(土)は、正月特別開園として無料で鑑賞可。
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休館:2014年12月26日(金)~2015年1月1日(木)
開館:2015年1月2日(金)から
2015年5月18日(月)より長期休館が決まっているブリヂストン美術館では、『ウィレム・デ・クーニング展』が、1月12日(月)まで開催中。ジャクソン・ポロックと並び、アメリカ抽象表現主義を先導したデ・クーニングの、1960年代の女性像を中心に、油彩や水彩、素描、彫刻などが展観される。併設のコレクション展も一見の価値がある。
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開館:2015年1月2日(水)からスタート
《デプランケア・テトラピュラ》 『バンクス花譜集』より(オーストラリア) エングレーヴィング Bunkamura ザ・ミュージアム収蔵 ©Alecto Historical Editions Ltd / The Trustees of the Natural History Museum, London
イギリスの海洋探検家ジェームズ・クックたちの、約3年にも渡る太平洋の探検航海を追体験できる展覧会『キャプテン・クック探検航海とバンクス花譜集 展』が渋谷、東急百貨店のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中。本展覧会では、クックの航海に同行して植物の採集を行ったジョゼフ・バンクスによる『バンクス花譜集』(全743点)から120点を厳選して紹介するとともに、太平洋地域の民族資料、航海道具、古地図、関連書籍などをあわせて展示する。2015年3月1日(日)まで。
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開館:2015年1月2日(水)からスタート
洛中洛外図巻(部分)住吉具慶筆 江戸時代17世紀 2014年12月9日(火)~2015年1月25日(日)まで本館8室にて展示
上野の東京国立博物館、毎年恒例の正月イベント『博物館に初もうで(2015)』では、2015年1月12日(月)まで、2015年の干支「未」に関連した絵画、彫刻、工芸品などのほか、長谷川等伯の『松林図屏風』をはじめとする名品の数々など、正月らしい美術工芸品一堂に集めて紹介する。正門、本館玄関前、本館エントランスホールでは、いけばなの展覧会も開催。2015年1月2日(金)、3日(土)は、和太鼓や獅子舞などの伝統芸能なども披露される。
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休館:2014年12月29日(月)〜2015年1月2日(金)
開館:2015年1月3日(土)から
恵比寿にある日本画専門の美術館では、「昭和の国民画家」と称された東山魁夷を紹介する展覧会『東山魁夷と日本の四季』を開催。「日本の四季」をテーマに、日本各地を描いた魁夷の代表作を集めて展示。また、魁夷に風景と向き合う姿勢を教えた師である川合玉堂や結城素明、ともに研鑽を積んだ東京美術学校の同窓生、山田申吾や加藤栄三らの作品もあわせて展示される。
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休館:2014年12月29日(月)〜2015年1月2日(金)
開館:2015年1月3日(土)から
《白のシンフォニー No.3》1865-67年 バーバー美術館(バーミンガム大学附属) The Barber Institute of Fine Arts, University of Birmingham
みなとみらいの美しい広場にある横浜美術館では、19世紀後半の欧米の画壇において、最も影響力のあった画家の1人であるジェームズ・マクニール・ホイッスラーの大回顧展『ホイッスラー展』を開催。本展では「人物画」「風景画」「ジャポニスム」の3章構成で、ホイッスラーの油彩、水彩、版画約130点が展観される。生前の所持品や影響を受けた浮世絵なども紹介される。日本では四半世紀ぶりとなる、過去最大級の大回顧展だ。
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開館:2015年1月4日(日)からスタート
[奎星会] 千葉幽篁 《心行》 2014年(参考作品)
上野の東京都美術館では、年始にふさわしい書の展覧会『TOKYO 書 2015』を開催する。関東に拠点を置く、書の公募団体の中から選定された、18の団体による年1回の合同展覧会。作家1人あたり10mの壁面に、全員が新作を出品する本展は、漢字やかな、刻字、近代詩文書、大字書、前衛書など多様に展開する、現代の書の幅広いジャンルを一度に楽しめる絶好の機会となっている。2015年1月16日(日)まで 。
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休館:2014年12月31日(水)〜2015年1月3日(土)
開館:2015年1月4日(日)から
軽井沢の〈鳥小屋(トリー・ハウス)〉
建築家マリオ・ボッタによるデザインのワタリウム美術館では、建築家、磯崎新の展覧会『磯崎新 12×5=60 』が2015年1月12日(月)まで開催される。磯崎の「建築外的思考」という語に焦点を当て、非建築的なトピックを扱うことでその思想に迫る。スケッチや写真などが多数展示され、資料的価値の高い展覧会となっている。
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休館:2014年12月27日(土)から2015年1月3日(土)
開館:2015年1月4日(日)から
Humans Since 1982 『ア・ミリオン・タイムス』 Photograph: Tim Meier
2007年の開館以来、日本を代表するデザイン施設としての役割を担ってきた21_21 DESIGNSIGHT。デザインによって、社会が抱える課題を読み解き、問題を解決しようとする意志や活動に着目した展覧会『活動のデザイン展』を2015年2月1日(日)まで開催。ディレクターは、日本と世界のデザインの動きに精通したジャーナリストの川上典李子と、ストックホルムを拠点にアートとデザインのキュレーターとして活動を続ける横山いくこ。変動する世界における、デザインの可能性を感じられる展覧会となっている。
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休館:2014年12月26日(金)から2015年1月3日(土)
開館:2015年1月4日(日)から
月宮殿蒔絵水晶台 象彦製 明治~昭和時代・19~20世紀 三井記念美術館蔵
国の重要文化財にも指定されている三井本館の7階にある三井記念美術館では、『雪と月と花』を開催中。館蔵作品の中から、雪や月、花が描かれた絵画や工芸品、銘が付けられた作品で構成される。例年通り、新年にふさわしい国宝、円山応挙筆『雪松図屏風』も展示される。雪と月を象徴する同作品は、同館を代表する名品だ。2015年1月24日(土)まで 。
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Copyright © 2014 Time Out Tokyo
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