年末年始ミュージアムカレンダー2012-13

元日からオープン、入場無料など、年末年始も楽しめる美術館や博物館

年末年始ミュージアムカレンダー2012-13

会田誠『灰色の山』2009-11年 制作協力:渡辺 篤 タグチ・アートコレクション蔵 Courtesy: Mizuma Art Gallery

年末年始に休業する文化施設は多いが、“休みが取れる年末年始こそアートなどの展覧会を鑑賞をしたい”という願いを叶えてくれるところもいくつかある。新春の特別企画の開催や、入場が無料となる美術館も。東京で年始を過ごすにあたり、お出かけ先の候補として参考にしてほしい。

元日もオープン


森美術館

年末年始も休まず営業


会田誠『灰色の山』2009-11年
制作協力:渡辺 篤 タグチ・アートコレクション蔵Courtesy: Mizuma Art Gallery


奇才、会田誠をフィーチャーした『会田誠展:天才でごめんなさい』と『MAMプロジェクト018:山城知佳子』が開催中だ。会田誠展ではデビュー以来20年以上にわたる会田の混沌の全貌を、新作を含む約100点を通して明らかにしている。
フォトギャラリー:『会田誠展:天才でごめんなさい』
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1月2日からオープン


東京都現代美術館

休館:2012年12月28日(金)から2013年1月1日(火)
開館:2013年1月2日(水)から


下道基行 『torii 2006-2012』 (アメリカ/サイパン島) タイプCプリント
Courtesy of the artist and nap gallery


注目すべき2つの展覧会が行われており、おすすめなのが東京都現代美術館。年明け2日、3日の2日間はお正月特別開館となり、常設展示室の『MOTコレクション展』を無料で観覧することができる。コレクション展のほか、坂本龍一が総合アドバイザーをつとめた企画展『アートと音楽-新たな共感覚をもとめて』も必見。坂本龍一と音響デザインを手掛けるオノセイゲンや「ダムタイプ」創立メンバーの一人である高谷史郎とコラボレーションした新作インスタレーションは圧巻だ。もうひとつの企画展『MOT アニュアル 2012 Making Situations, Editing Landscapes 風が吹けば桶屋が儲かる』には奥村雄樹、田中功起などの今注目の若手アーティストの作品が揃っている。お正月特別開館中の開館時間は10時から18時までで、入館は17時30分までとなっている。両日とも、先着50名に美術館オリジナルグッズがプレゼントされる。

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東京国立近代美術館

休館:2012年12月28日(金)~2013年1月1日(火)
開館:2013年1月2日(水)から


上村松園《母子》1934年 重要文化財

2012年に開館60周年を迎えた東京国立近代美術館では、記念特別展『美術にぶるっ!ベストセレクション 日本近代美術の100年』を開催中。本館の1階~4階の全フロアを使い、日本近代美術の100年を回顧。東山魁夷、池田龍雄をはじめとする1950年代の油絵、ペン画、ポスター、写真、映画を紹介している。また前庭では、建築関係者の間で世界的に話題になっているインドの建築家集団『スタジオ・ムンバイ』の手掛けた建築プロジェクト『夏の家』が展示されている。まだ資料の少ない建築家集団が手掛けたプロジェクトを目にする機会をお見逃しなく。

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東京都国立博物館

休館:2012年12月25日(火)~から2013年1月1日(火)
開館:2013年1月2日(水)から


1月2日から、耐震改修工事を終えた『東洋館』がリニューアルオープン。これまで限定公開しかできなかった『クメール(カンボジア)の彫刻』『インドの細密画』『アジアの民族文化』『清時代の工芸』の展示コーナーが設けられた。当日は“トーハク”ファンを自認する俳優の井浦新を迎え東洋館リニューアル開館記念式典が開催される。そのほか、東京国立博物館140周年特集陳列『博物館に初もうで-巳・蛇・ヘビ』では、新しい年の幕あけを祝って、蛇にちなんだ絵画、彫刻、工芸品などを一堂に集め、紹介する。毎年恒例の特別公開で登場する国宝の長谷川等伯『松林図屏風』も見逃せない。

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国立科学博物館

休館:2012年12月28日(金)~2013年1月1日(火)
開館:2013年1月2日(水)から


上野公園にある国立科学博物館では、チョコレートの歴史、製法、おいしさの秘密、チョコレート工場の内側にフォーカスをあてた『チョコレート』展を開催。“カカオ豆になった気分”で体験できるチョコレート製造工場コーナーや、カカオの木、チョコレート用の食器類などを観ることができる。企画展のほか、常設展ではドームの内側360°がスクリーンになっている世界初のシアター『シアター36○』やダイナミックな展示で地球の歴史を振り返る『地球館』などが観覧できる。

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東京都写真美術館

休館:2012年12月29日(土)から2013年1月1日(火)
開館:2013年1月2日(水)から


2日(水)は入館無料、3日(木)は入場料が2割引となる。日本を代表する写真家の一人である『北井一夫 いつか見た風景 』、毎年将来性のある作家を発掘している『日本の新進作家展 vol.11』、映像をめぐる冒険シリーズの第5弾となる『映像をめぐる冒険vol.5 記録は可能か。』の3つの企画展が開催中。また、1月2日〜1月4日は、佐々木芽生監督による新作映画『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』の公開を記念して『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』を無料上映。各日13時00分、15時00分から各回入替制で上映する。1月4日の15時の回の上映後は、佐々木芽生監督によるトークショーも予定されている。開館時間は、12月28日は10時から18時、2013年1月2、3日は11時から18時、1月4日は10時から18時となる。

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サントリー美術館

休館:2012年12月30日(日)から2013年1月1日(火)
開館:2013年1月2日(水)から


ティモ・サルパネヴァ 『「i」ガラス i-103/i-401/i-104/i-102』
1956年 イッタラ社製 フィンランド国立ガラス美術館蔵
撮影:ティモ・シルヤネン

東京ミッドタウン、ガレリア3階にあるサントリー美術館では『森と湖の国フィンランド・デザイン』展を開催。“Lasting design against throwawayism(使い捨て主義に反する永遠のデザイン)”というメッセージを掲げるガラスメーカー『イッタラ』をはじめ、18世紀後半から現代に至るガラス作品を中心に紹介している。



日本科学未来館

休館:2012年12月28日(金)から2013年1月1日(火)
開館:2013年1月2日(水)から


宇宙飛行士の毛利衛が館長をつとめる日本科学未来館では、常設展示を開催中。飯田和敏をはじめとする気鋭のゲームクリエーターが参加した『アナグラのうた~消えた博士と残された装置~』や、迫力の大画面映像が楽しめる『ドームシアターガイア』などを観覧できる。ドームシアターでは、全周を覆う広いスクリーンを活かした迫力の大画面映像や、日本初の全天周・超高精細3D映像を使用した立体視プラネタリウム作品などが楽しめる(予約制)。1月2日、3日のドームシアター上映スケジュール、展示フロアイベントは土曜日、日曜日、祝祭日と同様のスケジュールになっている。

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1月4日からオープン


ワタリウム美術館

休館:2012年12月31日(月)から2013年1月3日(木)
開館:2013年1月4日(金)から


坂口自邸 2009 年

自身を『新政府』の総理大臣と称して活動を行っている坂口恭平の展覧会『坂口恭平 新政府展 (未来編)』が開催中。新政府構想の原点となるドローイング作品、『0円ハウス』の記録写真、モバイルハウスを設置した過去編に続き、『新政府』の構想を可能な限り具体化し可視化することを試みている。作家自身の手により、期間中も変化をとげていく坂口恭平の世界を目撃しよう。また、ワタリウム美術館内『ON SUNDAYS』では、デザイン・広告の世界で活躍する森本千絵による「en°木の実」展が開催されている。1階、地階、カフェの全てが森本の世界を表現するための特別な空間となっている。

『ワタリウム美術館』の詳細はこちら



21_21 DESIGN SIGHT

休館:2012年12月27日(木)から2013年1月3日(木)
会館:2013年1月4日(金)から


"SHIKISAI-RYUSUI-A", "SHIKISAI-RYUSUI-B". Wooden panels.
Dai Nippon Printing building lobby, 1987.
Photo: Masaya Yoshimura

東京ミッドタウンのガーデン内にある21_21 DESIGN SIGHTでは、日本を代表するグラフィックデザイナー、田中一光の回顧展『田中一光とデザインの前後左右』を開催中。田中と仕事を共にしたクリエイティブディレクターの小池一子を展覧会ディレクターに迎え、グラフィックデザイン作品を中心に、原画や写真、記録資料などを紹介する。

『21_21 DESIGN SIGHT』の詳細はこちら



1月5日からオープン


NTT インターコミュニケーション・センター (ICC)

休館:2012年12月28日(金)から2013年1月4日(金)
開館:2013年1月5日(土)から


やなぎみわ『案内状の部屋3F』1998年

東京オペラシティタワーにあるICCでは、テクノロジーの進歩が光を当てたさまざまな問題やゆらぎ、境界、侵犯をめぐる作品を紹介する『アノニマス・ライフ 名を明かさない生命』展を開催。スプツニ子!や高嶺格、やなぎみわなどの作品を紹介している。同時開催の『オープン・スペース 2012』展では、現代のメディア環境における多様な表現を紹介。iPhoneアプリ『リズムシ』で知られる成瀬つばさによる『リズムシさんのへや』や、音の反響を吸収する素材に囲まれた『無響室』、鈴木康広の『自針と分針』などが観覧でき、子供から楽しめる内容になっている。

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1月7日からオープン


国立新美術館

休館:2012年12月25日(火)から2013年1月8日(火)
開館:2013年1月9日(土)から


塩田千春『大陸を越えて』2004年 ©塩田千春
Photo:Sunhi Mang Courtesy Kenji Taki Gallery

設備維持管理のため、及び年末年始のため休館が8日まで続く。企画展『DOMANI・明日展』が1月12日(土)からスタートし、曽根裕、澤田知子、塩田千春など計12名の作家の展示を予定している。9日から11日までは、レストラン・ショップのみ営業している。

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テキスト 東谷彰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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